映画クレヨンしんちゃん26作品 個人的ランキング ~犯罪級駄作2本編~
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映画クレヨンしんちゃん26作品 個人的ランキング ~犯罪級駄作2本編~

2019-12-22 02:24
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しばらく前から、amazonのプライムビデオをよく利用しています。
やや昔のアニメ作品等なら全話無料で視聴できるものも多く、パソコンで簡単な作業をする合間の暇潰しやBGM代わりとしては非常に丁度よい存在でした。
それで新しく視聴する作品を探していた所、「クレヨンしんちゃん」の映画がほぼ全話無料で視聴可能だったので、「いくつか面白そうなやつだけ見ておくか」と思っていたのですが。

このクレヨンしんちゃんの映画というのがなかなかに曲者で、良い意味で一生の記憶に残りそうなくらいの大傑作もある一方で、悪い意味で記憶に残る犯罪的な超駄作も存在しました。
そんなわけで、いっそ全部見てからまとめて批評してやろう、と考えて一つ一つ視聴してゆき、ようやく先日視聴が終わったので、ここにレビューと、個人的なランキングを行おうと思います。
なお、上で「ほぼ全話無料」と書きましたが、これは公開済み作品の中で最新の「新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」のみ、プライムビデオに存在しないためです(有料作品ではなく、存在すらしない)。
よって厳密には全話ではなく、その一つ前の「爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜」までの、計26作品が対象です。

基本的に重要部分のネタバレは抑えてゆく方針ですが、ある程度具体的な批評も入れたいので多少のネタバレは含みます。その点にはご注意ください。
全体的に駄作ほどネタバレを自重していません。これは詳細に文句を言いたいのと、どうせネタバレしようがしまいがつまらないので、配慮する必要もないと判断したためです

ちなみに、私のクレヨンしんちゃんという作品に対する知識は「原作・アニメ共にそこそこ見た」程度で、良くも悪くも普通程度だと思います。映画以外全然知らないわけではないのですが、クレヨンしんちゃんを知り尽くしたマニアの品評ではない、という点はご了承ください。
また、ランキングは下位から順に書いてゆくのですが、1位に関しては長々と引っ張るだけ無駄なので最初に書きます。
1位はオトナ帝国です。


今回の記事では個人的 [Hランク] 、映画史に名を刻むレベルの犯罪級駄作。ファンが見れば心に消えない傷を負うことになる」と判断した2作について記述します。この2作に関しては詳細かつボロクソに書きたかったことと、流石に一度に全作品分書くのは骨が折れそうなので分割したかったためです。
これより後の作品に関しては流石にここまで詳細には書かないと思うのでご了承ください。

26位 「嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!」

地球を見下ろす宇宙空間。ケツだけ星人の円盤が隕石群と接触しそうになっている。隕石群に爆弾を仕掛け衝突を避ける事が出来たが、誤って一発の不発弾が地球に落下して行ってしまった・・・。  地球上では、二泊三日の沖縄旅行を楽しんでいる野原一家。ふとしたことからシロのお尻に変なものがくっついてしまう。面白がって、たいして気にも留めない野原一家。しかし、それはケツだけ星人が地球に落として行った爆弾であった!宇宙監視センターUNTI(Unidentified Nature Team Inspection・通称、ウンツィ)は、その爆弾を察知し、爆弾の回収に動き出す。
駄作、と一口に言ってもその内容は様々なものがあります。
シナリオが描写不足だとか、予算や納期の都合で作画や演出がショボいとか、まあとにかく色々です。
で、この作品の何が問題なのかと言うと、全部です

その中でも、最大の問題はストーリーが根本から腐りきっている点。
本作の内容は、あらすじの通りシロの体に吸着した爆弾を巡る騒動なのですが、序盤の展開は以下のようになっています。

シロの体に地球が吹っ飛ぶほどの威力の爆弾が吸着

宇宙監視センターUNTI」の人物が外そうと試みるが、外せないのでシロごと宇宙に捨てるしかないと判断する

そんなことはさせない!シロを守るぞ!」と、UNTIにシロを渡さないために野原一家が奮闘する


この時点で、「は?」と思った方は正しいです。
一応念の為に書いておきますが、野原一家はシロから爆弾を外す算段があるとか、爆弾を解除する方法を知っているとか、そんな事は一切ありません

シロ渡さなかったら地球滅びるじゃん。
この一言で終わるんですよ、この映画。
なのに、作中ではシロをUNTIに渡さなければ事件が解決するかのように扱われて、しんのすけが「シロはオラが守るぞ!」なんて言いながらシロを連れて必死に逃げ回るんですが、こいつは地球を滅ぼすのが目的なのか?

で、こんな状況になればUNTIの側は当然「地球を滅ぼす気か!?」「犬を取り返しても何の解決にもならんぞ!」とか言いそうなものなんですが、言わないんですよ
多分、そんな台詞を言わせちゃったら野原一家の方が悪であることが浮き彫りになっちゃうと、製作側も理解していたんでしょうだったら根本的なシナリオを見直せ!!

そして、この野原一家が完全に狂人と化したままシナリオが進行してゆくのですが、ストーリー終盤になるとシロから爆弾が自然に外れます。代わりに、発射前のロケット内部にシロもろともしんのすけが閉じ込められてしまうという事件が起きます。
じゃあ、もう爆弾は外れたんだからシロとしんのすけを救出して、爆弾だけ放り出せば万事解決……と思ったのも束の間。
ここでなぜか、今まで常識的な対応をしていたUNTIのボスが突然いかにもな悪役っぽい雰囲気を出しながら、「予定の変更は私の主義に反する、だからロケットはこのまま発射する」と言い張ります。なんでやねん。

私が思うに、やっぱり製作側もUNTIの側がまだまだ悪には見えないと思ったのでしょう。だからUNTIの側を悪っぽく見せるために「突然相手がキチガイと化す」という方法を取ったのでしょうが、こんな事されたって「そうか!UNTIは悪いやつで野原一家が正しかったんだ!」なんて思う奴いるわけねーだろ。
結局、最終的にしんのすけは自力で脱出、ひろし・みさえはUNTIのボスを倒してハッピーエンド……のような雰囲気の謎展開で終わり。
製作陣はこのストーリーに誰も疑問を持たなかったのか、それとも疑問は持っていたが言える権力がなかったのか、どちらにせよ救いようがないです。


それで、「この映画は全部がダメ」と書きましたが、ギャグ等の演出面に目を向けても酷いもので、まず何が糞かってオープニングで登場する「ケツだけ星人」が以後一切登場しないことですよ。
たぶん普通の視聴者は「こいつらとしんのすけが出会ったら面白そう」とか、「爆弾の解除に彼らが再び関わってくるのかな」とか考えると思うんですけど、そんな要素は一切無く、彼らは本当にただ「地球に爆弾を落とす」ためだけに登場させられた存在です。この時点で酷い。

さらに、本作を腐らせているのが第三勢力として登場する宝塚風の敵
見た目が似ているだけでなく、登場する度に歌劇のシーンが挿入されるのですが、ぶっちゃけギャグと言えるほど面白いことをやっているわけでもなく、ただ無駄に尺を取るだけ。

あと、彼女らとの戦いでドサクサに紛れて、しんのすけが女性隊員の乳や尻に飛びついたり、顔に吸い付くシーンがあるんですけど、これはしんのすけというキャラクターを愚弄しているとさえ思います。
しんのすけは確かにセクハラじみた発言は頻繁に行いますが、直接触ったり揉んだりするような肉体的セクハラは連載最初期を除いて行っていません。一応、ラッキースケベ的な展開でそうした状況になることはありましたが、その場合は鼻血を吹いたり、照れたりして自分から離れています。
まあ、「胸に飛び込む」くらいのことは何度か行っているんですが、明らかに乳とか尻とか、性的な部分に意図的に飛びついて体を擦り付けたりするようなことをしたのは、私が知る限り本作だけです。これじゃただの性犯罪者だろ。


根本に極大の矛盾を抱えた、どう描いても面白くなりようがないシナリオ。
ギャグにすらならない無駄な第三勢力による尺の無駄遣い。
しんのすけ、野原一家の魅力が全く描けていない、と言うかキャラを把握していない描写。

どこを見ても最低としか言いようがない、映画史に悪い意味で名を刻むべき犯罪級の超絶大駄作です。
クソ映画ハンターですら本気で不快になりかねない内容なので視聴は全くオススメできないのですが、個人的には多くの人に視聴してもらい、この最悪の世界を体験してもらいたいと思います。俺一人を苦しませるな。


25位 「嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦」

突如現れた国籍不明の少女レモン。 彼女がしんのすけに見せたものは、しんのすけのヒーロー、アクション仮面からのメッセージ。 「しんのすけくん、君も今日からアクションスパイだ。正義のために一緒に戦おう!」 すっかりその気になったしんのすけは、レモンの指導のもと、スパイ訓練を開始するのだが……。 果たして、しんのすけがスパイに選ばれた理由とは? レモンの真の目的は?? 正義・裏切り・友情・秘密…… 5才のおバカ園児しんのすけと野原一家を巻き込んで、 今、人類の未来をかけた巨大な陰謀が動き出す!!!

「メアリー・スー」という言葉があります。
いわゆる「二次創作に出てくる、原作キャラを押しのけて大活躍するオリジナルキャラ」を揶揄した言葉なのですが、本作は典型的なそれによってメチャクチャになった映画と言えます。

問題となるのが、あらすじにも書かれている「レモン」という少女。
本作のストーリーは終始彼女"だけ"を中心に動いており、しんのすけは正直いてもいなくてもいいような存在です。

まず「しんのすけがスパイになる」と聞けば、大抵の人は彼が持ち前の超人的な身体能力やおバカさで大活躍する映画を想像すると思うのですが、本作では終始「レモンの出来の悪い部下」くらいの立場でしかありません
身体能力でレモンを驚かせるような大活躍をすることはないし、おバカさに関しては、本作ではしんのすけの「人の話を聞かない」という部分だけが異常に強調されています
まあ確かに、それもしんのすけの特徴の一つではあるのですが、本作のしんのすけは本当に記憶障害かと思うレベルで人の話を聞かず、「動くな」と言われれば動く、「触るな」と言われれば触る、作戦の説明は全然聞いていないか、すぐ忘れる。一度食べたせいで酷い目にあった物体を、その後のシーンでまたバクバクと食べ始める……と、ひたすら悪い方にしか描かれていません。
一度や二度ならギャグとして流せますが、本作では本当に「話を聞いていなかった・無視した」というシーンが10回くらい出てくるので、本当にしんのすけがただのバカにしか見えません。

そもそも、なぜ本作ではしんのすけがスパイに選ばれたのかと言うと、「敵組織の博士が自分の体を研究室への認証として使っているので、同じ体型のしんのすけを合鍵として使うことで侵入したかった」というもの。
その際、しんのすけが足手まといにならないように、最低限のスパイとしての能力を叩き込みたかっただけで、つまり別にしんのすけの身体能力等にはハナっから期待されていないわけです。
そして、しんのすけにやる気を出させるためにレモンの組織は「アクション仮面の偽物に命令をさせる」という方法を取り、その思惑通りしんのすけはニセアクション仮面に従ってスパイとなるわけですが、これが本作の最大の問題点と言えます。

何が問題なのかと言うと、記念すべきクレヨンしんちゃん映画の第1作、「アクション仮面VSハイグレ魔王」において、しんのすけはアクション仮面の代役を一瞬で見破っているんですよ。
映画の世界は基本的に固有のもので、各作品間に繋がりはないとは言え、「しんのすけはアクション仮面の"中の人"を一瞬で見破れるくらいアクション仮面のことをよく見ている」という設定までは絶対にブレさせちゃいけない所のはずです。
それも、ハイグレ魔王の時は正式な代役だったのに対して、本作の偽物はやる気のないバイト。これをしんのすけが見破れずに、信じて従ってしまうという展開はクレヨンしんちゃんを全く知らないバカが脚本を書いたと言われても仕方ないほど酷い。

とにかく、この例に象徴されるように本作は「クレヨンしんちゃん」という作品に対する知識・愛の無さがあちこちに滲み出ています。
そもそも本作の序盤では、しんのすけがスパイとなってから数日ほど、丸一日スパイの修行に付き合わされている描写があるのですが、幼稚園はどうした?
「幼稚園は休み」みたいな説明も一切ないし、幼稚園に行っている描写は一切ありません。多分理由付けをするのも面倒だったのでぶん投げたのでしょう。この時点で既に糞だ。

さらに、本作の中盤では「飛行機から飛び降りて、ジェットパックのようなもので敵の基地へ向かう」というシーンがあるのですが、ここでしんのすけが「無理無理!絶対死んじゃうぞ!」と怖がります。
ここで確認しておきたいのですが、私が知る限り、しんのすけが高い場所を怖がった場面は(少なくとも映画においては)一度もありません。むしろ、他の人が怖がっている中、平気な顔をして命綱もパラシュートもなしに飛び降りて行くようなシーンの記憶しかありません。

で、このシーン。飛び降りを渋るしんのすけにレモンが「下に河原で見かけた(美人の)お姉さんがいると思って!」と言うことでしんのすけが飛び降りる決心をするのですが。
要は、このギャグっぽいシーンを入れたかったので、何も考えずにしんのすけに高所を怖がらせたのでしょう。アホな脚本家は「しんのすけは高い所を怖がらない」という設定を知らなかったので、そんな流れに違和感を持たなかったってわけです。
こんな、マニアでも何でもない俺ですら「おかしい」と思うようなことを、公式の映画の脚本家が理解していないんだからもう笑うしかないですよ。


とにかく、ひたすらこんな調子でしんのすけはキャラ崩壊しまくりでロクな見せ場もなく、終盤「レモンを助けに行く!」と言ったときにも、ひろしにすら「無理に決まってるだろ!お前なんかよりあの子の方がずっと強いんだぞ!」と言われるような扱いを受け。
一方のレモンはと言えば、序盤から優秀なスパイであることを散々アピールされ、野原一家にも「辛い時はいつでも来ていいんだぞ」と言われるほど気に入られ、そしてストーリーが大詰めになると主役らしく苦悩・葛藤し、成長し、己の枷を断ち切って希望ある未来を手に入れてエンディングです。完全に主人公ですね。

一応誤解を招かぬように述べておきますが、このレモンというキャラクター自体が不快な存在というわけではないんですよ。問題は、彼女ばかりが中心になって、しんのすけが全く活躍しないことです。
こんなことを今更言うのもバカバカしいんですが、「クレヨンしんちゃん」の映画を見る人は、しんのすけや野原一家、あるいはかすかべ防衛隊なんかの登場人物が好きで、それらの活躍を見に来てるわけですよ
なのに、それらに全く活躍をさせず、映画のゲストキャラがひたすら大活躍するだけの映画を見せられて、一体誰が喜ぶんですか。誰が喜ぶんだよ。教えてくれよ、マジで

「クレヨンしんちゃん」を知らないし、愛も一切ない。
そんな脚本家が好き放題にオリジナルキャラを大活躍させるストーリーを書いて、クレヨンしんちゃんという作品をひたすらに踏みにじった。それが本作です。
もはや「作品」として成立してすらいないケツだけ爆弾と比べると、まだ一本の作品としては成立しているだけマシですが、ディープなクレヨンしんちゃんのファンにとっての不快度はこちらの方が上かもしれません
まあ何と言うか、ジャケット画像の時点でクレヨンしんちゃんらしさが全く無いという点から察するべきだったのかもしれません。
ケツだけ爆弾に比肩しうるレベルでの犯罪級駄作は現状これのみです。



次回はおそらく24位~6位くらいまでを簡潔にまとめて書くと思います。


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ホンマでっかこれ・・・やっぱりキャラがぶれたり崩壊したりするのは駄作への一本道なんですね
1週間前
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