映画クレヨンしんちゃん26作品 個人的ランキング ~不快と虚無の駄作編~
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映画クレヨンしんちゃん26作品 個人的ランキング ~不快と虚無の駄作編~

2019-12-23 23:59
    Gランク
    酷さをネタにして笑うことすらできない大駄作。悪いことは言わないから見るな

    24位 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁

    ある日、タイムマシンでしんのすけの未来の花嫁タミコがやって来た。 大人になったしんのすけが、ネオトキオの支配者・金有増蔵に捕まってしまい、助けるためには5才のしんのすけの力が必要だという。 タミコの必死な訴えにも、いつも通りまったくやる気のないしんのすけ。 お互いに本当に未来のケッコン相手なのかと疑いつつも、とりあえず、二人は未来都市“ネオトキオへ”--。 大人しんのすけが連れ去られた理由とは!? 5才のしんのすけのパワーとは!? 今、しんのすけの、未来の自分と花嫁を救う戦いが始まる!!! そして、しんのすけとタミコ、二人の未来は--?
    しんのすけと言えば、美人のお姉さんを見かけると「ヘイ彼女~」なんてナンパをするようなマセた子供。ただ、「ななこお姉さん」だけは特別で、本気で惚れている……といった程度は、あまりクレヨンしんちゃんに詳しくない人でも把握している設定だと思います。
    そんなしんのすけが、生涯の伴侶として選ぶ女性が登場するというのは、当然ながら非常に美味しいネタでしょう。と言うわけで、結構な人が期待する要素だったと思うのですが、悲しいかな本作のそれは大失敗に終わったとしか思えません。

    本作で「未来のしんのすけの花嫁」として登場するのは「タミコ」という女性なのですが、彼女が全然魅力的に見えないんですよ。
    彼女は冒頭、未来のしんのすけの頼みを受けて、5歳のしんのすけを未来に連れて行こうとするのですが、その際に5歳のしんのすけに対して「いきなりこんな事を言っても信じてもらえないと思うけど~」みたいな説明とか、「巻き込んじゃってごめんなさい」みたいな発言は一切せず、ただ「必要だから協力して!」と言って有無を言わさずしんのすけを未来に連れて行こうとします。
    どうにも、作品全体を通しての彼女の扱いを見た後だと「みさえのようなパワフルな女性」を描こうとしたのだと思いますが、パワフルと傍若無人や礼儀知らずは全く違うでしょう。

    また、しんのすけの婚約者のはずなのに子供のしんのすけの顔を知らず、風間くんを見て「賢そうだからすぐ分かった、あなたがしんのすけさんね!」と言い出すのも問題。
    描写としてはギャグっぽいシーンなので、たぶん製作者は深く考えずに描いたんでしょうが、婚約者なのに子供の頃のしんのすけの顔を知らない、その面影も読み取れないってのはギャグのつもりでも描いちゃいけないでしょう。
    で、そんな胡散臭いタミコのことを大して疑いもせずに、流されるままに未来へ行き、タミコの言う通りに行動するしんのすけも謎。お前そんな主体性の無いキャラじゃないだろと。この辺は"スパイ"と同じような糞ポイントですね。

    そして、タミコに魅力が感じられない最大の問題は、結局作中で「タミコと未来のしんのすけがどうやって出会ったか」「どうやって仲を深め、婚約に至ったか」が一切描かれていないこと
    一応「タミコがしんのすけに惚れた理由」だけは多少語られるのですが、どう考えても視聴者が知りたいのは「しんのすけがタミコに惚れた理由」の方でしょう。そこを描かないなら何のために花嫁なんか出したんだよ


    また、本作の別の問題として、ギャグが致命的につまらないことが挙げられます。
    本作ではギャグ担当とも言うべきゲストキャラとして「花嫁(希望)軍団」が登場するのですが、彼女たちが何をやるかと言うと「結婚したい!!」と騒ぐだけ。
    一つ言いたいのは、これが2010年の作品であること。20年くらい前ならともかく、この時代には既に女性の社会進出もそこそこ進み、「行き遅れた女性を笑いのネタにする」事自体がタブー視されてきた頃のはずです。
    なのにこんなネタをやっている時点で笑えないし、社会的な面に目を瞑っても、ひたすら同じことを言って騒ぐだけの集団なので笑える要素が全くありません。あと、彼女たちはゲストの芸人が声を当てているのですが、クレしん映画全体で見ても特に下手な部類です。
    とにかく全面的に存在そのものが邪魔としか言いようがないキャラクターたちでした。

    シナリオ面はご都合主義の塊のような内容。
    最も酷いのはバイオコーティング(石化のような状態)されていた未来のしんのすけが、タミコのキスで復活するシーンでしょう。
    これが魔法とか不思議な力による石化ならキスで解けても特に文句はないんですけど、科学的な石化ですよ。それがキスで解けて、何故解けたのか一切の説明なしって、ふざけてんのか?
    他にも、なぜ未来のしんのすけが「5歳のオラが必要」と明確に年齢を指定したのかは最後まで語られないし、しんのすけがアクション仮面の格好をしていた理由も明かされません。ぶっちゃけ「大人のしんのすけの顔を隠しておきたかった」という製作上の理由だけなんでしょうけど、せめて作中設定としても適当に理由を付けておけよ。

    総括すると、魅力のないキャラと薄っぺらなご都合主義でひたすらに構成された上っ面だけの内容の典型的駄作です。しんのすけの花嫁がテーマなのに、その花嫁の魅力が全く感じられないって、そりゃダメでしょ。


    23位 オタケベ! カスカベ野生王国

    しんのすけの住む街・カスカベでは、地球に優しいエコロジー活動がさかんになっていた。地域のゴミ拾いでしんのすけが拾った謎のドリンクを勝手に飲んだひろしとみさえ。すると2人は突然動物の姿に変わってしまった!  そう、それは過激エコ組織“スケッベ”が秘密裏に進める“人類動物化計画”だったのだ…!  一度動物化すると人間であった記憶は失ってしまうという。果たして、しんのすけはひろしとみさえを元の姿に戻すことができるのか? そして、スケッベの野望を打ち砕くことができるのか!? しんのすけの雄叫びが、いま、世界中に響き渡る!!
    なんだかジャケットのしんのすけの顔に違和感があります。大した問題じゃないですが。

    本作を一言で表すなら「台無し」でしょう。
    薬で動物と化し、人間だった頃の記憶を失ったはずのみさえが、しんのすけとの絆で記憶を取り戻す」というシーンをいかにも感動的な演出で描いたかと思えば、その後ひろしはちょっとしたショックであっさり記憶を取り戻すし、ひまわりは記憶を失ってすらいない

    世界を救うために野生王国を作ると大仰な目的を掲げていた敵のボスの真の目的は、「ただ妻に帰ってきてほしかっただけ」という、ギャグとしてもバカにしてんのかとしか言えないほど下らないもの。

    また、その「妻」は本作におけるパートナー的な仲間キャラクターなのですが、好意で招いてもらったしんのすけの家の中を平気な顔で荒らし回るという、やっぱりギャグとしても容認できないような普通に不愉快な人物で、笑えもしなけりゃ愛着も湧きません。

    個人的に、「演歌歌手のジェロが環境保全の歌を無理やり歌わされる」シーンは微妙にブラックなリアルさとシュールさが混ざっていて面白かったのですが、良い点はそれくらい。

    「ギャグ」と「ただ単にメチャクチャなだけ」は全然違うことを悪い意味で教えてくれる、反面教師的な作品と言えるでしょう。




    Fランク
    確実に時間を無駄にする。どうしても酷いものが見たいなら

    22位 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!

    ニセモノォ?本物そっくりなんだけど、でも本物じゃないんだ。「ただいま」ってウチに帰るのはそっくりさんの方らしい…カスカベ都市伝説…本物はどこへ?そんな噂がしんのすけたちの間でも広がっていた。そしてある日、買い物をしている野原一家。しんのすけはお菓子売り場を物色していたが案の定、迷子に。そこにみさえがしんのすけに近づいてくる。妙に優しく、いつもなら絶対に買ってくれないお菓子を買ってくれるみさえにしんのすけは大はしゃぎ。しかし、そのみさえこそ、恐怖の“そっくり人間”だったのだ…。しんのすけに危機迫る!が、そこにフィーニー特捜官が現れ、間一髪の所で救う!颯爽と現れたラテン美女にしんのすけはすっかり夢中!フィーニーと共にカスカベを脱出しようとするホンモノの野原一家。しかし、追っ手の執拗な追跡にとうとう敵の基地に拉致されてしまう。
    ダメさの方向性としては野生王国と同じような作品です。
    前半はあらすじ通りのホラーで、周囲の人たちがどんどんと偽物にすり替わって行くを恐怖をこれでもかと言うくらいにアピールしてきます。
    中には「寄生獣」ばりのグロテスクな顔への変化も多々あり、かなりストレートに怖がらせに来る……のですが、個人的にはホラーにおいてこの手の「びっくり系」の演出を多用するのは安直であまり好きではなかったりします。
    まあ、子供も見る映画と思えば、そうした演出を中心にするのもありだとは思うので、そこは強く批判はしないのですが。

    後半はひたすらギャグと言うかメチャクチャで、偽物の人間はこんにゃくで作っていた、敵の目的は町中の人間にサンバを踊らせることと明かされ、そしてサンバによるダンス対決で雌雄を決する展開へ。
    何を書いているのか分からないかもしれませんが、別に省略してるんじゃなくて本当にそういう展開なんだもん。
    で、このダンスバトルもウダウダと長く続けるばかりでギャグにもなっておらず、本当にただデタラメにあれこれと無茶苦茶な要素を詰め込んだだけ。ひたすら何がやりたいのかわからない。

    ガキ向けなんだからストーリーなんかどうでもいいっしょwホラーで怖がらせてダンスで笑って、それで終わり!w」みたいな、製作者が子供をバカにしている感がひたすら強い映画。


    21位 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃

    野原家の前に突如現れた時空調整員「ミライマン」。 「3分後に怪獣が現れる。3分後の未来に行ってその怪獣を倒さないと現実に怪獣が現れることになる!」  世界滅亡を防ぐため、ミライマンはそう告げると野原一家に地球防衛という大役を一任してしまう。ミライマンの力で変身を果たして難なく怪獣を倒す野原一家。そんな世界に浸り始め、変身できることに夢中になっていく。  そんな世界に夢中になっていくにつれ、ひろしとみさえはヒーロー気取りで自分達が世界を守っている、という気持ちになっていく。だが、どんどんと強い怪獣が後から後から現れ、だんだんと現実世界が危なくなっていく。そこで、遂にしんのすけが立ち上がる。
    よく、日常系のアニメ等に対して「中身がない」という批判を目にします。
    じゃあ「中身」とは何なのかと言いますと、十人十色と言うか千差万別というか、まあ色々な考え方があると思うのですが。
    話の中身がないという点において、本作を超える作品は絶対にないでしょう

    本作のストーリーは、怪獣を倒すことです。
    以上です。


    いや、マジでそれだけなんですよ。
    もうちょっと具体的に話すと、時空の歪みから現れた怪獣を倒さないと世界が滅びるかもしれないので、野原一家が未来の技術で変身してその怪獣を倒すという内容なのですが。
    敵は本当にただの怪獣で、特に何かの主張や意志を持って戦っているわけではありません。
    この時点で話が広がらないのに、本作は他の要素で話を広げようともせず、本当にただ怪獣と戦って倒す、終わったら次の怪獣を倒す、終わったら次の怪獣……という流れを終盤までひたすら続けます
    そんな中、怪獣を倒して英雄扱いしてもらえることに調子を良くしたひろし・みさえが、徐々に日常生活を疎かにしてゆく……という要素が見え始め、ここから話が広がっていくのかと思えば特に何もなく、その後ラスボス的な怪獣を倒して終わりです。

    もう本当に「見る虚無」としか言いようがありません。
    ある意味では、ここまで中身のない作品を作れることに感動すら覚えるほどです。

    20位 ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者

    しんのすけがうっかり開けてしまった不思議な扉。 それは、地球と暗黒の世界“ドン・クラーイ”を繋ぐ“闇の扉”--地球を闇で支配しようとする侵略者たちの陰謀だった! しかし、そのことに気づいているのはしんのすけだた1人… ひょんなことから“選ばれし勇者”となったしんのすけに次々と迫る闇の魔の手。 しんのすけを守るために現れた謎の少年マタとともに伝説の金矛を手に、いま勇者しんのすけが立ち上がる! 果たして、しんのすけは無事に地球をお守りすることができるのか!?
    他所のレビューを見た限り、本作の評価は「劣化版ヘンダーランド※4作目の映画」でほぼ一致していて、実際私もそんな感じの感想でした。
    どことなく遊園地っぽい敵や、怪しい男とセクシーな女性という敵の構成、しんのすけがパートナーと共に魔法を使って戦うなど、ヘンダーランドを意識した要素は随所に見られます。

    じゃあ本作のどこがダメなのかと言うと大体全部なんですが、本作が他の駄作と違うのは、ちゃんと作れば面白くなれる要素はあったと感じられる点です。
    何と言うかこの映画、「まず骨組みだけ完成させて、それから徐々に肉付けしていこうと思っていたら、納期が致命的に足りなくて骨組みだけのまま公開せざるを得なくなった」感が凄まじいんですよ。
    特に顕著なのはバトルシーンの退屈さで、ヘンダーランドでは魔法によって現れたアクション仮面・カンタムロボ・ぶりぶりざえもんが戦いを彩ってくれたり、様々なハプニングが起こったりしていたのですが、本作の戦闘は「普通に戦って、普通に勝った」という内容ばかり。

    キャラクターの描写も明らかに足りていなくて、例えば「マック」と名乗る敵は「逆さ言葉(回文)が好き」という特徴的な設定があるくせに、最初の登場時以外は全然回文を言いません
    金の矛・銀の盾は本作のキーとなる存在のはずなのに、しんのすけが選ばれた理由は「ただの偶然」で済まされ、最終盤でようやく揃ったと思えば結局大して活躍しないまま終わり
    とにかくどこを見ても存在するのは"設定"ばかりで、実際に描かれているものが極端に少ない
    あと、非常に気になるのは「明らかに尺を稼いでいる」と思える場面が多いこと。

    敵「丁度いい」
    しんのすけ「ちょうど……?」
    敵「お金ならいくらでも出す」
    しんのすけ「お金?」

    と言った具合に、やけにオウム返しで相手の言葉を聞き返すシーンが目立っていたり、いちいちシーンごとに動画が止まったのかと思うくらい長い間を取っていたり、何だかもう製作者側も中身がスカスカなのを承知の上で、何とかして映画として仕立て上げようとした苦心の跡が見えます。

    そんなわけで、内容自体については「ひたすらスッカスカで普通につまらない」としか言えないのですが、何だか製作側の苦心が見て取れる点では別の楽しみ方ができるかもしれません。
    しかしまあ、そう思うと惜しい作品です。
    マックが歌いながら契約を迫ってくる場面は異世界の風景や演出と相まって結構いい感じに雰囲気が出てたし、部分的に見れば好きな部分も無くはないんですけど、本当にスカスカなんですよ。



    Eランク
    駄作だと覚悟した上で見るなら許容できる範囲。オススメはできない


    19位 嵐を呼ぶオラと宇宙のプリンセス

    「オラ、妹なんかいらない!ひまわりなんかいらないゾ!」  ある日、プリンのことで喧嘩したしんのすけとひまわり。そこへ、突然「ひまわり姫をお預かりします」という謎の男2人が現れた。ほいほい喜んで渡された紙にサインをしてしまう、しんのすけ。次の瞬間--上空に現れたUFOに、野原一家は吸い込まれてしまった!  到着したのは「ヒマワリ星」という見知らぬ星。そこで、星の王ゴロネスキーが叫ぶ。
    おそらく大抵の人は、上記のあらすじの時点で「宇宙人にひまわりが連れて行かれて、取り返すために戦うんだろうな」と容易に予想できることでしょう。
    そして実際その展開になるわけですが、本作はその"導入"に40分も使う暴挙に出ています。

    じゃあ、その後の展開が濃密なのかと言えば別にそんな事はなく、その後も全体的にグダグダです。
    そもそも、本作はひまわりがストーリーの中心となるわけですが、0才児という都合上詳細な心理描写ができるでもない、誰かと戦ったり説得ができるわけでもないため、彼女自身は「姫」と祀り上げられて以降、特筆するような描写が何もありません。
    根本的に、ひまわりを大きく扱うこと自体に無理があったと言えるでしょう。

    また、本作は「宇宙のためにはひまわりが必要」と言う相手からひまわりを取り返そうとする話なので、つまるところケツだけ爆弾同様「野原一家の方が悪」という構図です。
    とは言えケツだけ爆弾とは違い、ひまわりを取り返すことの問題に向き合って「この星で過ごさせた方が正しいのか?」と悩み、最後には「理屈じゃない」と曲がりなりにも腹をくくった上でひまわりを連れ帰ろうとするため、ケツだけ爆弾とは天と地の差があります。

    救いと言えるのは映像・演出面はそこそこ出来が良いこと。
    部分的に見ると「ちょっといいじゃん」と思うようなシーンは結構あるし、異星の風景や物体の造形を単純に楽しむ、視覚的な楽しみ方はできます。

    ただまあ、全体のストーリーは前述の通り問題だらけなので、「個人的にファンタジー系の方が好き」「ケツだけ爆弾では無視していた問題にちゃんと向き合おうとした」という個人的好みと相対評価によってランクが上がった感は否めません。ぶっちゃけ作品としての完成度だけで言えばワンランク下くらいの方が丁度良いと思います。


    18位 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード

    普段の野原家と比較しても、明らかに貧相な朝食を前に、とてもご機嫌斜めなしんのすけたち。しかしそれは最高級焼肉の夕食に備えた倹約と知り、一転大喜び! ところが突然の訪問者に、状況は二転三転。危険を感じたしんのすけたちは貧相な朝食もそのままに、何よりも冷蔵庫に最高級焼肉を残して、その場から逃げ出した!!  気がつけば、なぜか野原一家は指名手配犯に。周りは報奨金目当ての敵だらけ!  …一連の事件は熱海に本部を置く組織「スウィートボーイズ」の陰謀によるものであることを知った一家は、逃走の進路を熱海に向ける!一路熱海へ!  解決の糸口を見つけた野原一家であったが、執拗な追っ手の攻撃に家族はバラバラ。それでもしんのすけたちは熱海を目指す。最高級焼肉を囲む我が家の食卓を取り戻すために!!
    ある意味、この作品は私が全作のレビューを書こうと思ったきっかけと言えます。

    と言うのは、この作品、他所のレビューを見ると大体「ギャグ中心のクレしん映画の傑作!」みたいなことを書いてて、悪くても普通くらいの評価でした。
    中には「クレしん映画で一番好き!」と言う意見も結構あり、私自身そこそこ期待して見たわけですが、その結果「ひっでえ駄作だ」と感じたんですよ。
    まあ見ての通り、ほぼ全作見た後ではこれより酷い作品もゴロゴロ出てきたわけですが、いくら何でもこの作品を傑作と言う奴の気が知れん、という考えは今でも変わっていません。

    本作の問題点は「中途半端にシリアスで重いストーリー描写」です。
    物語を大雑把に述べると「野原一家が無実の罪で指名手配され、追手から逃げつつ敵の本拠地へ向かう」というもので、警察が敵に回っている時点で嫌な緊迫感があります。
    もっとも、その罪状はひろしが「異臭物陳列」みさえが「年齢詐称」といった具合にバカげているため、最初のうちは完全にギャグだろうと思って見ていられるのですが。

    それからの描写が「身近な人々に見放される」「秋田のおじいちゃんが捕まる」といった、結構普通にシャレにならない出来事が、シリアスあるいはホラーっぽい演出で描かれるため、「え、これシリアスにやりたいの?」という疑問と言うか、引っかかりを感じてきます。
    その後も、ハチャメチャなアクションギャグになったかと思えば、かすかべ防衛隊がしんのすけを敵に売ってしまうが、自責の念に駆られる様子がやっぱりシリアスっぽく描かれ、その後ギャグに戻ったかと思えば、仲直りしたかすかべ防衛隊たちのアクションシーンは再びシリアス寄り。

    しかし本作、純粋にシリアスとして見ようには物語が穴だらけで、敵の組織が日本中の警察を操れた理由の説明なんか全く無いし、「いつまでも逃げ続けているわけにもいかないから、敵の本拠地に行って誤解を解こう」という流れにも首を傾げたくなります。
    本作の敵は野原一家に対して「同行して協力してくれ」と言っているだけで、別に捕まえて殺そうとしているわけでもないんだし、敵の本拠地に行くと決めたなら別に逃げなくても、捕まっちゃえば良いんですよ
    なのに野原一家は必死に逃げ回りながら敵の本拠地へと向かってゆき、その結果本拠地目前へ辿り着くと、敵は「お前たちを認めよう。ボスに会わせてやる」なんて言い出します。
    元々ボスの所に連れていくために野原一家を追いかけていたのに、なんで褒美としてボスへの謁見を許したみたいなこと言ってるんだ?
    で、野原一家もそれで納得しちゃうし。だから本拠地行ってボスに会いたいなら逃げなくてよかっただろと。
    それから何だかんだ敵のボスと戦って、勝ってハッピーエンドなわけですが。
    まあ、シリアスな物語としてはどう見ても破綻してるわけですよ。


    それじゃあ、改めてギャグの方に目を向けましょう。
    前述の通り中途半端なシリアスのせいでイマイチ笑いにくい、という点もあるのですが、そもそも本作のギャグは個人的にあまりヒットしませんでした。
    これは私の「クレヨンしんちゃん」という作品自体に対する魅力の捉え方の話になるのですが、私はクレヨンしんちゃんの魅力は「当人たちは真面目にやってるのに面白い」部分だと考えています。
    実際、「オトナ帝国」などの名作と言われているクレしん映画におけるギャグシーンはそうした傾向が強く、「絵面として面白くて、でも同時に敵を出し抜くしんのすけや野原一家、かすかべ防衛隊たちのしたたかさ、あるいはカッコ良さが楽しめる」ものでした。
    一方で、本作は「ギャグのためのギャグ」をやっている場面が中心で、そうした面白さが少ないんですよ。

    それを象徴するのが、「逃走劇の最中、突然リアルな画風になった野原一家の人物が焼き肉を食べることに思いを馳せる」シーンです。




    一回や二回なら「こういうのも面白いかな」と笑って見ていられるんですが、本作はこの出オチじみたネタを一家四人+一匹分、律儀に一人ずつ分けて5回も挿入するんですよ。
    さすがに3回目くらいになってくるとインパクトが薄れて「ああ、次もこのネタやるのね」と冷めた目で見てしまうし、ストーリーが進むわけでもない、似たようなネタを繰り返すというテンポの悪さが目に付いてきます。
    一応、ギャグシーンの量自体は本当に多くて、中には普通に笑えたものもあったんですけど、シリアスとして見れば完全に破綻したストーリー、かと言ってギャグとしても安直な変顔等が大多数かつテンポもあまり良くないので、どう頑張っても「駄作」という評価自体は私の中では覆りません。

    とは言ってもまあ、実際これより酷い作品は見ての通りいくつもあったし、部分的にでも笑える部分があるだけマシな方と言えばマシな方なんですが。これを傑作として評価する人の気持ちは本当に分かりません。いやぁ、世界って広いですね。




    思った以上に長くなっちゃったので17位以降はまた次回に回します。
    次こそは本当にもっと短くなると思います(マジで何も書くことがない作品も何本かある)。
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