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※ちょっと前に書いた原稿です。
アニメ鑑賞を趣味にしていることは、それなりに知られているため、「お勧めのアニメは?」なんて話を振られることがあります。アニメは……というよりも、ドラマやバラエティー番組なんかもそうなので、日本のTV自体がそういう仕組みなのだと思いますが、1月、4月、7月、10月から新番組がスタートするので、その月の上旬は「期待している作品」しか挙げられないんですよね。
自分の職業は、あくまでも広義としてですが、プロのレビュアーだと思っています。ですから、見ていない作品をお勧めすることは不誠実であり、行うべきではないと考えているのです。
実のところ、4月スタートの2017年春アニメは、一部の作品を除いて鑑賞していないのですが、それには理由があります。それは理屈ではなく、感情の問題で「新しい作品をチェックしたい!」というマインドになっていないからです。むしろ、忙しくて先延ばしにしていた作品をチェックしたいという気持ちが強いので、その気持ちに従っています。
最近1週間では、第1話で鑑賞をストップしていた「ALL OUT!!」と「TRICKSTER」を最終話まで鑑賞しました。そして現在は「昭和元禄落語心中」の第1期から鑑賞中。次の回が気になり、ついつい夜更かしをしてしまう。規則正しい生活をしている社会人には良くない鑑賞方法ですが、幸い、いまは仕事が忙しくないので、気が済むまで鑑賞を続けています。
そんなこんなで、ハードディスクレコーダーの空き容量が、ものすごい勢いで増えています。要するに、この数カ月間はアニメを鑑賞する時間が短かったということです。
しばしば「アニメを見て癒やされる」という話を聞きます。確かに、かわいいキャラクターがキャッキャウフフしている作品を見ると、心の緊張感が解けることはあると思います。しかし、本当に疲れている時は、アニメを見るよりも寝ることを選択した方が、精神的にも肉体的にも良いことは間違いありません。
やっぱり、キャッキャウフフのアニメって、物語が面白くないじゃないですか。なんというか、第1話と最終話の間に、キャラクターの成長がないというか……。小難しいこと考えなくても楽しめるようにできている分、刺激が足りないというか……。そういう作品も嫌いじゃないですが、ちょっとは考えさせるテーマがあってほしいんですよね。例えば、2017年冬アニメでは「けものフレンズ」が話題となりましたが、第1話の段階で、不穏な空気が漂っているわけですよ。それが話題をさらった理由だと思うのです。
しかし、寝た方が良いぐらいに疲れた時に「けものフレンズ」の第1話を見ていたら、きっと作品の持つ不穏さに気が付かなかったでしょう。もっとも私の場合は、サーバルを演じた声優・尾崎由香さんの演技力が気になっていた分だけ、ほかの人より期待度が高かった……というよりも、寛容な気持ちで作品を見られただけで、ここまで話題になったのは予想外でしたが。
結局のところ、作品自体のクオリティーよりも、鑑賞時における精神状態の方が、その作品の評価に大きな影響を与えていると思うんですよね。メンタルのバランスが保てていない状態で作品を評価すると、だいたいロクなことにならない。必要以上につまらない作品だと感じたり、あるいは過剰に高評価を与えてしまったり……。そりゃ、作品の評価じゃなくて、あんたの不安定なメンタルが表れているだけじゃないかと。まあ、そういう心の揺らぎは誰しもあると思うのですが、それは口に出すべきことなのか、わざわざSNSに投稿するほどのことなのか、それを判断することは重要なんじゃないかなと思いますけどね。
このように考えるようになったのは、やはりキッカケがあります。それは昨年劇場上映された「聲の形」です。この作品はSNS上でも好評で、あらすじを聞いた限りでも、けっこう面白そうというか、泣けそうだなって思ったんですよ。で、泣く気満々で映画館に行ったのですが、泣けるどころか嫌な気分になってきたのです。
原因は明らかで、映画を鑑賞する前ぐらいのタイミングで、近しい人物が自殺未遂をしていたんですよね。その事件前に映画を鑑賞したり、記憶も随分と薄れた現時点で初めて鑑賞したならば、きっと泣けたと思うんですよ。だから、作品が悪いということは一切なく、鑑賞するタイミングが悪かったという結論になります。
「記憶も随分と薄れた現時点で初めて鑑賞したならば」と書きましたが、これは現時点で再び見ても、評価が変わらないであろうという意味です。きっと、いま「聲の形」を見ると、当時の嫌な気分が再現されると思うんですよね。だから、少なくても今後5年間は見ないようにしようと思っています。
アニメの評価と自身の心理状態がリンクするということは、心理状態に影響を与える外的な要因も、間接的にアニメの評価へ影響を与えるということになります。外的要因とは、すなわち自身の年齢や職業であったり、時代背景であったり、そういった全ての事柄です。
ですから「お勧めのアニメは? オールタイムで」と聞かれても、やっぱり答えが難しい。「自分が感動した作品だったら紹介できるよ」としか、答えようがないんですよね。じゃ「自分が感動した作品」って何よ? と思われるかもしれませんが、ずいぶんと文章が長くなってきたので、今回はここら辺で失礼します。
お勧めの作品はメディアを購入して人に貸すようにしている(=布教)のですが、最近は買っていないので、ラインナップが古い……。
アニメ鑑賞を趣味にしていることは、それなりに知られているため、「お勧めのアニメは?」なんて話を振られることがあります。アニメは……というよりも、ドラマやバラエティー番組なんかもそうなので、日本のTV自体がそういう仕組みなのだと思いますが、1月、4月、7月、10月から新番組がスタートするので、その月の上旬は「期待している作品」しか挙げられないんですよね。
自分の職業は、あくまでも広義としてですが、プロのレビュアーだと思っています。ですから、見ていない作品をお勧めすることは不誠実であり、行うべきではないと考えているのです。
実のところ、4月スタートの2017年春アニメは、一部の作品を除いて鑑賞していないのですが、それには理由があります。それは理屈ではなく、感情の問題で「新しい作品をチェックしたい!」というマインドになっていないからです。むしろ、忙しくて先延ばしにしていた作品をチェックしたいという気持ちが強いので、その気持ちに従っています。
最近1週間では、第1話で鑑賞をストップしていた「ALL OUT!!」と「TRICKSTER」を最終話まで鑑賞しました。そして現在は「昭和元禄落語心中」の第1期から鑑賞中。次の回が気になり、ついつい夜更かしをしてしまう。規則正しい生活をしている社会人には良くない鑑賞方法ですが、幸い、いまは仕事が忙しくないので、気が済むまで鑑賞を続けています。
そんなこんなで、ハードディスクレコーダーの空き容量が、ものすごい勢いで増えています。要するに、この数カ月間はアニメを鑑賞する時間が短かったということです。
しばしば「アニメを見て癒やされる」という話を聞きます。確かに、かわいいキャラクターがキャッキャウフフしている作品を見ると、心の緊張感が解けることはあると思います。しかし、本当に疲れている時は、アニメを見るよりも寝ることを選択した方が、精神的にも肉体的にも良いことは間違いありません。
やっぱり、キャッキャウフフのアニメって、物語が面白くないじゃないですか。なんというか、第1話と最終話の間に、キャラクターの成長がないというか……。小難しいこと考えなくても楽しめるようにできている分、刺激が足りないというか……。そういう作品も嫌いじゃないですが、ちょっとは考えさせるテーマがあってほしいんですよね。例えば、2017年冬アニメでは「けものフレンズ」が話題となりましたが、第1話の段階で、不穏な空気が漂っているわけですよ。それが話題をさらった理由だと思うのです。
しかし、寝た方が良いぐらいに疲れた時に「けものフレンズ」の第1話を見ていたら、きっと作品の持つ不穏さに気が付かなかったでしょう。もっとも私の場合は、サーバルを演じた声優・尾崎由香さんの演技力が気になっていた分だけ、ほかの人より期待度が高かった……というよりも、寛容な気持ちで作品を見られただけで、ここまで話題になったのは予想外でしたが。
結局のところ、作品自体のクオリティーよりも、鑑賞時における精神状態の方が、その作品の評価に大きな影響を与えていると思うんですよね。メンタルのバランスが保てていない状態で作品を評価すると、だいたいロクなことにならない。必要以上につまらない作品だと感じたり、あるいは過剰に高評価を与えてしまったり……。そりゃ、作品の評価じゃなくて、あんたの不安定なメンタルが表れているだけじゃないかと。まあ、そういう心の揺らぎは誰しもあると思うのですが、それは口に出すべきことなのか、わざわざSNSに投稿するほどのことなのか、それを判断することは重要なんじゃないかなと思いますけどね。
このように考えるようになったのは、やはりキッカケがあります。それは昨年劇場上映された「聲の形」です。この作品はSNS上でも好評で、あらすじを聞いた限りでも、けっこう面白そうというか、泣けそうだなって思ったんですよ。で、泣く気満々で映画館に行ったのですが、泣けるどころか嫌な気分になってきたのです。
原因は明らかで、映画を鑑賞する前ぐらいのタイミングで、近しい人物が自殺未遂をしていたんですよね。その事件前に映画を鑑賞したり、記憶も随分と薄れた現時点で初めて鑑賞したならば、きっと泣けたと思うんですよ。だから、作品が悪いということは一切なく、鑑賞するタイミングが悪かったという結論になります。
「記憶も随分と薄れた現時点で初めて鑑賞したならば」と書きましたが、これは現時点で再び見ても、評価が変わらないであろうという意味です。きっと、いま「聲の形」を見ると、当時の嫌な気分が再現されると思うんですよね。だから、少なくても今後5年間は見ないようにしようと思っています。
アニメの評価と自身の心理状態がリンクするということは、心理状態に影響を与える外的な要因も、間接的にアニメの評価へ影響を与えるということになります。外的要因とは、すなわち自身の年齢や職業であったり、時代背景であったり、そういった全ての事柄です。
ですから「お勧めのアニメは? オールタイムで」と聞かれても、やっぱり答えが難しい。「自分が感動した作品だったら紹介できるよ」としか、答えようがないんですよね。じゃ「自分が感動した作品」って何よ? と思われるかもしれませんが、ずいぶんと文章が長くなってきたので、今回はここら辺で失礼します。
お勧めの作品はメディアを購入して人に貸すようにしている(=布教)のですが、最近は買っていないので、ラインナップが古い……。
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