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私はWebサイト「川本梅花フットボールタクティクス」で編集長を務めています。
最近はライターだけではなく、編集者も表に出る時代です。“敏腕編集者”みたいな肩書で活躍されている方もいます。そうした風潮や活動を否定するつもりはないですが、私個人としてはライターと編集者の関係は、2人が表に出るよりも、1人が表、もう1人が裏に回った方が、良い結果を生むと思っています。なぜ、そのように考えるようになったかは、別の機会に記すことにしましょう。
記事において主役はライターなので、編集者がしゃしゃり出るのはどうかと思いつつも、「良い記事を編集したなぁ~」という手ごたえがあれば、宣伝をしたいと思うわけです。PV数を稼げている記事やバズっている記事については「これ、私が編集しました」とか、わざわざ宣言する必要はないのですが、自分が良いと思った記事が、あまり読まれていないのは歯がゆいですから、そうした思いが強くなります。
というわけで今回紹介するのは、こちらの記事です。
【言葉のパス】第9回:河端和哉(ラインメール青森FC)「体はすでに42.195キロ走りきっていた」
目次前のリード文を書いたのは私なのですが……。サッカーサイト編集者という職業柄、シーズン開幕前に(もちろんシーズン中も)選手名鑑を確認するため、河端和哉氏がJリーグクラブに所属していたことは存じていたのですが、正直、プレーしている姿は記憶にありませんでした。
J2通算79試合、J3通算20試合に出場。かなり出場されている方ですが、その時期の私は、J1クラブのファンサイトで編集者をしていたため、全く接点がなかったのです。
こうした印象を持っている方は、Jリーグファンでも多数派ではないかと思います。ちょうど河端和哉氏が所属していた時期にロアッソ熊本、あるいはギラヴァンツ北九州、FC琉球を応援していた方以外にとっては「対戦チームの1選手」に過ぎず、自分の応援するクラブや日本代表にしか興味がない人にとっては「知らない選手」となるでしょう。
そうした事情を考慮した結果、Twitterなどで表示される宣伝用のタイトルは「ベテラン選手が引退を決意する瞬間」としました。選手名よりも“ベテラン選手”の方が引きがあるという判断です。
■現役引退を決意するに至るドラマ
これは川本梅花氏の特徴というか特技なのですが、インタビューでは「そこまで聞く?」と思うようなことまで、じっくりと質問をするんですよね。インタビューに同行していると、しばしば相手が怒り出さないか、ひやひやとさせられます。今回の記事でも、引退を発表した河端和哉氏に「どういう心境の変化があったのか?」と詰め寄っています。
サッカー選手が現役を引退する理由。例えば、中田英寿氏やジネディーヌ ジダン氏のようなスーパースターであったり、最近であれば中澤佑二氏や川口能活氏、楢崎正剛氏といった大ベテランであったりすれば、「やり切ったのだろう」とか「体力の限界なのかな」とか、想像することができます。それに、こうしたスター選手であれば、記者会見やインタビューが行われたり、関係者への取材が行われたりしますよね。
日本人なら誰でも知っている、というレベルではなくとも、応援するクラブに貢献した選手の引退であれば、そのクラブのサポーターを中心に注目しますよね。実際、昨季現役を引退した栗澤僚一氏(柏レイソル)へのインタビュー記事は、かなりのPV数を稼ぎました。
しかし、毎年のように現役を引退する選手の多くは「知らない選手」です。そして「知らない選手」にも、スーパースターと同じように、現役引退を決意するに至るドラマがあるのです。
今回、私がタイトルに選んだのは「体はすでに42.195キロ走りきっていた」という、河端和哉氏の言葉でした。42.195キロとは、もちろんマラソンの走行距離です。河端和哉氏は「動けるうちに辞めたい」、つまり余力を残した状態で現役を引退したいと考えていたと語っています。そのイメージは「15キロ」。しかし実際には「42.195キロ走りきっていた」と語るのです。
このズレを念頭に、河端和哉氏は自身の現役生活を総括する言葉を口にします。
この記事を読むために「川本梅花フットボールタクティクス」あるいは「タグマ!サッカーパック」に加入してくれたら、とてもうれしいなと思っています。
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