◆今回の概要
巻頭言に当たる「今週のあいさつ」では、『神のみぞ知るセカイ 女神篇』の魅力について力説しています。日記は、本当に平凡なおっさんの日常となっています。『堀江由衣ベストライブ~由衣と時間泥棒~』は、いまだに視聴できていません。ただ、2週間連続でアニメ視聴時間が1500分を越えたため、そろそろ視聴できる予感がしています。
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◆今週のあいさつ
ごきげんよう。有料メルマガ評論家の渡辺文重です。10月に入り、ほとんどの夏アニメが最終回を迎えたのですが、まだ、最終回まで視聴できていない作品が数多く残っています。そのため、こうした話をすることは早計かもしれませんが、2013年夏アニメで、一番面白かったと思う作品について記したと思います。それは、『神のみぞ知るセカイ 女神篇』です。それは、まるで「今まで何とも思っていなかった異性に対して、突然、恋に落ちるような」感動でした。(※以下、ネタバレ含む内容です。)
私は7月16日(火)に『有料メルマガ批評』にて「2013年夏アニメ展望」という記事を書いたのですが、その時点での『神のみぞ知るセカイ 女神篇』の評価は以下の通りでした。
◆神のみぞ知るセカイ 女神篇
http://kaminomi.jp/index.html
1話のみ視聴。前シリーズとの間にあった話を総集編のようにまとめて、新展開に突入。ハクア(声優:早見沙織)と中川かのん(声優:東山奈央)の出番が多ければ、細かいことは気にしない。(期待度★★★★/5段階評価)
・・・意外と高い評価点を与えていましたね。『神のみぞ知るセカイ 女神篇』はTVシリーズ第3期。1話の時点で面白くなるという予感はあったのですが、正直、第1期や第2期は、それほど面白い作品ではありませんでした。
まず、第1期ですが、このシリーズの問題点は、誰一人として、私好みのヒロインが存在しなかったことです。伊藤かな恵さん演じるエルシィも、竹達彩奈さん演じる高原歩美も、悠木碧さん演じる青山美生も、東山奈央さん演じる中川かのんも、花澤香菜さん演じる汐宮栞も、どれも「いまいち」に感じられました。ただ、2010年12月4日に東京・秋葉原UDXで行われた「中川かのんデビューイベント」を視聴していて、東山奈央さんがかわいいと思ったので、結果的に、中川かのんのファンにはなりましたが・・・。
思い返してみると、このイベントを視聴していたことが、全ての伏線でした。この時、司会の繁田美貴さん(テレビ東京アナウンサー)が、「今、原作ではかのんちゃんが大変なことになっている」と話したため、今後、中川かのんが再登場することを知れたのです。ぶっちゃけ、中川かのんが再登場すると知らなかったら、第2期は視聴していたかどうか微妙でしたからね。・・・いや、すいません。早見沙織さんがハクアを演じるという情報を得ていたため、絶対に見ていました。
さて、第2期ですが、確かにハクアは非常に魅力的なヒロインだったのですが、思っていたよりも出番が少ない。しかも、小清水亜美さん演じる春日楠も、阿澄佳奈さん演じる小阪ちひろも、豊崎愛生さん演じる長瀬純も、第1期のヒロインに輪をかけて「いまいち」。しかも、中川かのんは登場しないという、トホホな内容でした。さすがに、これで第3期はなくなったかと思ったのですが、途中いろいろあって、第3期が放送されることになったのです。
原作を読んでいないので細かいことは分からないのですが、第3期は、細かい部分を簡単な説明で終わらせ、中川かのんが登場する物語からスタートします。これでテンションが急上昇! 「期待度★★★★」となったのです。2話以降、中川かのんは物語の都合上、出番が減ります。これは非常に残念な展開でしたが、その代わりに、ハクアの出番が大幅に増えることになります。
第3期のハクアは、本当に輝いていました。特に、10話「ラビリンス」でドクロウ・スカールから大鎌を託される場面は、シリーズ屈指の名シーンでした。背景では『NAKED GENIUS』というハクアのキャラクターソングが流れるのですが、見ていて、テンションが上がりました。
・・・と、ここまで、中川かのんとハクアについて語ってきましたが、第3期で最も輝いていたヒロインは、阿澄佳奈さん演じる小阪ちひろでした。小阪ちひろは第1期から登場していましたが、この時点では「モブキャラ」扱いでした。確かに、声優が阿澄佳奈さんということで、モブキャラにしては待遇が良いとは感じていましたが、それほど気になりませんでした。理由は、阿澄佳奈さんが、しばしば、物語の本筋には影響しないキャラクターを担当することがあったからです。阿澄佳奈さんは、目立たない役を演じることも、うまいのです。
小阪ちひろは、第2期でヒロインに昇格するのですが、先ほど記した通り、それほどインパクトもなく、第3期を迎えるのですが・・・。何と、突然、物語の中心、メインヒロイン候補に躍り出るのです。物語的には、7分の1の確率でババを引いたことになるのですが、結果的に、その存在感を際立たせることになります。
『初めて恋をした記憶』。これは、小阪ちひろがボーカルとギターを務めるガールズバンド「2B PENCILS」が、最終回で歌った曲のタイトルなのですが、これが、さまざまな意味を含んでいて、本当に切ない。確かに、小阪ちひろにとっては第3期のエピソードが「初めて恋をした記憶」なのですが、実は、本当の「初めて恋をした記憶」である第2期のエピソードは、記憶から失われているのですよね。
ただし、小阪ちひろに、中川かのんらの翼が見えたという演出は、記憶を取り戻したことを暗示しているようにも思えます。そういう意味では、本当の「初めて恋をした記憶」を取り戻したとも解釈できます。そして、主人公である桂木桂馬にとっても、小阪ちひろとのエピソードは、間違いなく「初めて恋をした記憶」だったはずです。そして、印象的な小阪ちひろの泣き顔。『神のみぞ知るセカイ 女神篇』は、本当に素晴らしい作品だと思った次第です。