なぜ困るのか? その理由は、質問者の意図にあります。こと、藤沢氏と山本氏に関しては、私が「ダメ出し」することを期待して、こうした質問をしてくるのです。藤沢氏と山本氏の有料メルマガに対する評価は、後日、あらためて行いたいと思いますが、こうした質問をしてくる方は、私が「ダメ出し」をするまで納得していただけない場合が多いのです。そのため、私はこのように回答しています。「何と言うか、信じる者は救われるってやつですよ」と。
要するに、「信者ビジネスを、どうこう言っても仕方ないじゃないですか」と、なだめるのです。質問者の多くは、「なんで、あのホラ吹き野郎の有料メルマガに、数千人も有料会員が集まるんだ!」という、おそらく嫉妬のような感情を抱いているため、「信者ビジネス」というマイナスなイメージのある単語が、納得感を与えるようです。仮に、藤沢氏と山本氏の有料メルマガが「信者ビジネス」だったとしても、それを成り立たせるためには、才能や努力が必要となるのですが……。そこには興味がないようです。
なお、イケダハヤト氏に関しても質問されることが多いのですが、「会員数は100名を超えた程度ですよ」と回答すると、「そんなもんなんだ(笑)」と、納得されるケースが多いと付け加えておきます。
●藤沢数希『週刊金融日記』/毎週日曜日/840円
http://yakan-hiko.com/fujisawa.html
●やまもといちろう『人間迷路』/月4回/735円
http://yakan-hiko.com/kirik.html
●イケダハヤト『イケハヤマガジン』/月2回/630円
http://magazine.livedoor.com/magazine/85
◆藤沢数希氏が唱える「フリーミアム」の好例である山本一郎氏
藤沢氏と山本氏。有料メルマガが成功しているため、ねたまれているという点では共通していますが、当然のことながら、コンテンツの内容などに関しては、異なる点が多いと思っています。それは、また、別の機会に紹介することにして、今回は、藤沢氏の唱える「フリーミアムとしての有料メルマガ」説を紹介したいと思います。
2月13日(木)、藤沢氏はTwitter(ツイッター)に、次のような投稿をしています。
有料メルマガで自分が稼げなかったからって、メルマガというメディアが終わってるなんて意見を振りまかないで欲しいわ。稼いでる人は稼いでるし、作家として何が素晴らしいかというと、本の10%の印税や原稿料なんてどうでもよくなって、本書くのも雑誌の連載もフリーミアムモデルになったことだよ。
- Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) February 12, 2014
本の印税と原稿料だけ当てにして、作家をやるってのは、かなりしんどいだろうね。原稿料は発注頼みだし、内容の薄い本を量産するとすぐに売れなくなるからね。やっぱり、それプラスなんかが必要だよね。セミナーだったり、なんか売れるサービスがないとね。
- Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) February 12, 2014
AV女優もどうせ無料で動画が出回っちゃうんだから、フリーミアムモデルにして、高額デリヘルとか、ストリップショーとかライブで稼いだらいいんじゃねーのか?フリーミアムとは、「基本的なサービスや製品を無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能について料金を課金する仕組みのビジネスモデル」(「Wikipedia」より)のこととなります。
- Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) February 12, 2014
藤沢氏が唱える「フリーミアムとしての有料メルマガ」説には、とても納得できるのですが、その一方で、釈然としない気持ちが残ります。それは、「藤沢氏の有料メルマガはフリーミアムなのか?」という疑問です。現在、私の知る限り、藤沢氏が積極的にフリーでサービスを提供(無料Webサイトへの寄稿など)しているようには思えないのです。
実際、藤沢氏は次のような投稿もしています。
フリーミアムモデルでも、本の印税も、原稿料も、ちゃんと頂けるものは頂きます。それでは、藤沢氏の唱える「フリーミアムとしての有料メルマガ」説を、最も体現しているのは誰でしょうか? そう考えた時に、真っ先に思い浮かんだのが山本氏でした。
- Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) February 12, 2014
山本氏は私の知る限り、無料で、次のコンテンツを発表しています。
●やまもといちろうBLOG
http://kirik.tea-nifty.com/
●Twitterアカウント
https://twitter.com/kirik
●「無縫地帯」(Yahoo!ニュース個人)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/
●「山本一郎と燃ゆるICT界隈」(AdverTimes)
http://www.advertimes.com/author/yamamoto_ichiro/
他にもあるかもしれませんが、思い付くだけでも、これだけ。さらに、イベントやTVにも出演されています。もちろん、山本氏も、アフィリエイトや原稿料、イベント出演料など、「頂けるものは頂きます」という姿勢だとは思いますが、サービス受給者の立場からすると、山本氏は、(失礼な書き方になりますが)「無料でもかなり楽しめる存在」ということになります。
そして、これでも足りないという人や、無料のコンテンツを通じてファンになった人が、山本氏の有料メルマガを購読している。これが、最も分かりやすい「フリーミアムとしての有料メルマガ」説になるのではと、私は考えています。
◆「フリーミアム」説から考える、適切な有料メルマガのコンテンツ量
山本氏には、「短い時間で、面白い原稿を次々と執筆する才能」があるという前提を共有する必要はありますが、それでも、山本氏の有料メルマガからは学ぶべき点が多くあると思っています。その中で、最も重要なことは、「有料メルマガだけで執筆しない」ということです。
私が山本氏の得意とする業界に関して不案内ということも影響していると思いますが、正直、山本氏の原稿は、ブログも、Yahoo!ニュース個人も、有料メルマガも、大体、同じぐらいのクオリティーだと思っています。つまり、有料メルマガに掲載されているコラムが、他に比べて面白いという印象はないのです。(※人生相談など、有料メルマガにしかないコンテンツもありますが、それは、さておき)
ですから、例えば、有料メルマガ配信者に「1週間で3万文字を書く能力」があるのだとしたら、1万文字は無料ブログ、1万文字は他サイトへの寄稿、1万文字は有料メルマガ、という割り振りをした方が、結果的には有料メルマガの会員数が増えるのではないか。私は、そのように考えています。
しかし、私の経験からすると、無料記事のPV数が増えたからと言って、有料会員数が増えるとは限りません。いや、ハッキリ言うと、ほとんど関係ないように思われます。そう考えると、山本氏のように、取り扱う内容も含めて、無料記事も有料記事も同じぐらいのクオリティーであることが重要なのかもしれません。
あと、言うまでもないことですが、藤沢氏も山本氏も、「ぽっと出の新人」ではないということです。先ほど、藤沢氏が最近、無料のコンテンツを積極的に発表していないと記しましたが、そうはいっても「金融日記」(http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/)には、約9年間の蓄積があります。
そう考えると、うわべだけを見て、嫉妬をしても仕方がないなと思うのですが……。そういう嫉妬をされる方には、的確なアドバイスをしても逆ギレをされるだけなので、「あんなの信者ビジネスですよ、へへへ」と言ってお茶を濁すのも処世術かな、と思った次第です。