ごきげんよう。有料メルマガ評論家の渡辺文重です。今回は東浩紀氏の著書『弱いつながり』の書評を書きたいと思います。

内容はシンプルです。ぶっちゃけ、最初の10ページを読めば、著者の主張は判明するのですが、簡単に説明すると、次のようになります。

弱いつながり 検索ワードを探す旅
弱いつながり 検索ワードを探す旅

人間は自分の置かれた環境に定義されるだけの存在であり、「外側から見れば単なる環境の産物にすぎない」。しかし、人間の内側では「かけがえのない自分」でありたいと感じている。この矛盾を乗り越える方法として、「環境を意図的に変えること」が有効である。『弱いつながり』のサブタイトルとして「検索ワードを探す旅」という言葉が記されているが、要するに、「旅に出よう!」ということである。

――なぜ、わざわざ旅をする必要があるのか。インターネットがあるじゃないか。

『弱いつながり』では、そうした考え方には限界があると指摘します。インターネットは自由な世界を提供しているようで、実際には「自分が見たいと思っているものしか見ることができない」仕組みになっているのです。そうした予定調和を打ち破るキッカケが「旅」することで得られた「検索ワード」だというのです。

実は、私にも「検索ワード」を得たことによって世界が広がったと感じた経験があります。東氏は旅をすること、観光客になることを勧めており、それには私も同意しています。しかし、同じことを書いても面白くないので、旅以外の手段で、私が検索ワードを得た時の感動エピソードを紹介しようと思います。



10年ほど前のこと、私は偶然、インターネット上で、とある画像を見つけたのです。それは、上半身にはセーラー服を着ているのに、下半身はスクール水着という女の子のイラストでした。「これはエロい!」と思い、似たようなイラストを探そうとしたのですが、どうしたらいいのか分からず、途方に暮れてしまいました。「上半身にはセーラー服を着ているのに、下半身はスクール水着」は、検索ワードとしては弱く、似たような画像を見つけられなかったのです。

【参考】
・会田我路公式HPより
http://www.garoaida.co.jp/main/sample/sample.ctl.php?product_id=120&sampleNo=2

しかし、エロに対する欲望は不可能を可能にします。地道に画像投稿サイトなどを巡っているうちに、あるキーワードを発見したのです。それが「セラスク」です。「セラスク」というキーワードを使って検索すれば、似たような写真やイラストが簡単に検索できたのです。「上半身にはセーラー服を着ているのに、下半身はスクール水着」という女の子の画像を探すには、「セラスク」という検索ワードを使えば良い。これは、大げさではなく、本当に世紀の大発見だと思いました。それは、井戸のポンプから流れ出て手に伝わる冷たい液体が、「水」という言葉で表されると分かったかのような、とても感動的な出来事でした。

【参考】
・ピクシブ百科事典
http://dic.pixiv.net/a/セラスク

なお、「セラスク」は『ストライクウィッチーズ』や『艦隊これくしょん』にも取り入れられます。私以外にも、「これはエロい!」と思った人が、たくさんいたのだろうと思っています。

島田フミカネ ART WORKS OF STRIKE WITCHES (イラスト・画集)
島田フミカネ ART WORKS OF STRIKE WITCHES (イラスト・画集)



このままだと締りが悪いので、最後に有料メルマガ評論家らしいことを書くと、有料メルマガも、新しい検索ワードを入手するには良い手段だと思っています。「有料メルマガ評論家」を名乗るにあたり、これまでの自分が興味を持っていなかった人の有料メルマガを購読したのですが、その結果、新しい検索ワードをいくつも入手することができました。

何でも無料で手に入るインターネットにおいて、わざわざ有料でテキスト情報を買う。これって、ちょっとした冒険なんですよね。まぁ、こじつけなのですが……。やっぱり、旅に出るといいと思います。

【参考】
・tabinoteメールマガジン
https://tabinote.jp/mailmag/

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