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たくろーーーーさん のコメント

最後の文、深くて好きですw
No.6
104ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
こんなものが出てきた。 『1/32 モータードライブシリーズ デロリアンパートⅠ』 正直なところ「こんなの買ったかな?」という気持ちの方が強いのだけれど、 調べてみたら発売日が2001年五月中旬とのことなので、 発売と同時に購入したのなら、ほぼ15年前の代物。 一時期、作りもしないのにやたらめったらプラモデルを買い漁っていた時期があり、 『ガンダム』『ヤマト』『銀河漂流バイファム』などのプラモを玩具屋で見つけては、 「とりあえず……」と購入し、部屋の隅に積み上げていた。 このデロリアンはその名残りかもしれない。 今日は時間もあることだし、ちょっと作ってみようかなぁ……。 そう思い立ち、箱をオープン。 パーツは思いのほか少ないので、これなら簡単に作れそうだ。 車のプラモデルと言えば思い出すのが、 小学生の頃、大流行した『ミニ四駆』。 単三電池と小さなモーターで動く通常のミニ四駆は 1台作成するのにほとんど手間が掛からないのだけれど、 ミニ四駆ブームが加速し、満を持して子供たちの前に現れたのが、 『ミニ四駆のラジコン』。 基本的に直進移動しか出来ないミニ四駆とは違い、 プロポ(遠隔操作する送信機)を使って前後左右、速度も自由に操作出来るとあって、 幼少の僕にとって魅力百倍、作成の困難さは一億倍くらいだった。 僕は『マンタレイ』のラジコンを購入したのだけれど、 説明書があまりにも難しすぎて、まったく太刀打ちが出来なかった。 半泣きになりながら作っていたら、そこに現れたのが、日曜大工の得意な父。 絶望する息子の代わりに父が作ってくれた――となれば、 そこそこ良い話に落ち着くのだけれど、 思い出すのは、父に怒られた記憶ばかり。 どうやら僕は途中まで適当に組み上げてしまっていたらしく、 一体どうなっているのか、父にさえ理解不能な状態であったのだ。 おまけに、ネジ山が馬鹿になっていたり、 しっかりと置いておいたはずネジが、いつのまにかどっかに行ってしまっていたり、 てんやわんや。 どうして「しっかりと置いたネジ」はどこかに行ってしまうのか……。 この現象は、恐らく多くの子供たちを地獄へと叩き落した事だろう。 今後の研究課題とする意味も含めて、 この現象を『しっかりと置いたネジ消失現象』と命名しよう。 そしてその後、僕のラジコン マンタレイがどうなったのか――。 思い出そうとしても、どうにも思い出せない。 走らせた記憶が無いので、おそらく、完成しなかったのではないか。 それ以来、ミニ四駆もラジコンも買わなくなったと思う。 とても苦い記憶だ。 あれから二十年以上経ち、今、再びプラモデル――デロリアンと向き合う。 タミヤの接着剤も購入し、リベンジの準備は万端……と思いきや、 『モーター(FA130)と単三電池1本を別にお買い求めください』 『別にお買い求めください』 なるほど……モーターは別売りなのか……。 正直なところ、走らなくてもいいんだけどな。 ううむ。 ううーむ。 それから数日待って、amazonにてモーターを購入。 やっぱり、動くものは動かせる状態にしないと、父に怒られるし。 設計図では右側が青、左側が赤となっているのだけれど、 実際のモーターから延びるコードは逆だった。 色を信じるか、位置を信じるか。 うーん……色だな! 設計図に従い、部品を切り取ったり、組み合わせたり。 何年振りだろう。凄く楽しい。 赤のコードがちょっと無茶しているようにも見えるが……、 中央に単三電池を入れれば、シャーシは完成。 ボディは単純なパーツを嵌めるだけ。 塗装する箇所もあったのだけれど、 流石にそこまでは揃えられなかった。 元々、色を塗るのが下手糞で、様々なモビルスーツを台無しにしてきた僕なのだ。 そこは想像で補えば宜しい。 そうして組み上がったのがこちら! 後ろはこんな感じ。 カッコイイ! 塗装がされていない感じも、寒冷地仕様みたいに考えれば問題ない! あと接着剤一箇所も使わなかった! 無駄!  正直なところ、かなり簡単だった。 144/1ズゴックの爪をくっつける方が百倍難しい。 ともあれこれで完成……なのだけれど、 どうせなら、走らせたい。 何故なら、コイツは走るから。 走るように作られていて、走るように作ったから。 走らせよう。 あの日、ラジコンを走らせる事ができなかった苦い記憶、 過去を振り切り、未来へ進むために。 デロリアンを走らせる ※クリックすると動画に飛びます。 結果、逆走した。 僕らの未来へ逆回転。 デロリアンは過去へ向かった。 何故……と考えるまでもなく、 モーターに繋いだコード、あれが逆だったのだ。 色ではなく、位置を信じるべきだった。 お父さんに怒られる。 どうやらまだ、僕は過去を振り切れずにいる。 苦い記憶に、苦い記憶を上塗りする。 ただ、苦いものにも慣れてきたのが、唯一の救いだ。
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