夜は明け、1日は始まってしまった
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夜は明け、1日は始まってしまった

2013-10-02 17:07

    2013年9月17日。
    ホテルで相部屋になった日本好きの中国人ソンさんのいびきで眠れないまま朝になりました。私は生理現象に従い室内のトイレに行きました。トイレから出ると、ソンさんが慌ただしくズボンにベルトを通していました。

    「あ、起こしちゃいましたか?」
    私の言葉に対し、ソンさんは日本語で「行かないといけません。さようなら」と軽くお辞儀をした後、飛び出すように部屋を出て行きました。
    私は自分の枕元においていたiPhoneの時計を確認しました。確か午前7時を少し過ぎていたと思います。ソンさんは昨晩、私に午前6時台の国内線に乗るので、午前4時半に起きると言っていました。
    私はこの件については、これ以上は考えないようにし、やっと静かに眠れるとベッドに横になって微睡(まどろ)みました。

    電話が鳴っていました。着信音が違いましたが、一応iPhoneを見ると画面は暗いままでした。
    眼鏡を掛けては居ませんでしたが、ツインベッドの間の内線電話が光っているのが分かり、受話器を取りました。
    「ハロー」
    「佐々木さん?」
    聞き覚えのある日本語が返ってきました。私と同じ境遇で北京で2泊することになった日本人のOさんです。
    「はい、佐々木です」
    「朝ご飯はもう食べましたか?」
    「いえ、まだです。どこで食べられますか?」
    「1階のホテルフロントの反対側にレストランコーナーがあって、そこで食べられます」
    「そうですか」
    「佐々木さんがこれから食べられるなら、私も1階に下りますが」
    「・・・。分かりました。これから1階のレストランに向かいます」
    時間を確認すると8時過ぎでした。
    私は顔を洗って着替えると、自室のドアの外側の取っ手にベッドメイキングを希望しない札を下げて、エレベーターホールへ向かいました。

    ホテルの朝食はブッフェ形式で、大皿を取ってそこに食べたい料理を載せていきます。
    料理のことはよく分かりませんが、多分全部中華料理なのだと思います。
    辛そうじゃない料理を選び、席に着こうとレストランを見渡したところ、Oさんが座っていました。
    「ご飯とスープも取ってきますね」
    一旦、テーブルに大皿を置きながら、Oさんに伝えました。
    再び席に着くとOさんが飲み物を飲んでいることに気付きました。
    「温かいレモン水です。飲み物はこれしかないようです」
    Oさんの指さす方向には確かに簡易ドリンクサーバーが一つだけでした透明な容器の中で液体にレモンがいくつか浮いています。私はプラスチックのコップにその飲物を入れて三度席に着いて、「さぁ、食事だ」と思いきやレモン水がコップの底からどんどんしみ出て、テーブルクロスに吸われていきました。コップを持ち上げ、底を見るとひびが入っていて、そこから液体が漏れています。Oさんがトイレットペーパーを取り出し差し出しましたが、私はコップを持って捨ててきました。
    別のコップでまた温かいレモン水を持って行こうかとも考えましたが、私は「やっぱり辛い料理があった時のために冷たい飲み物が飲みたいな」と思い、レストランの従業員に佐々木英語で「コールド・ウォーター」と言いました。中国人の従業員は、聞き取れなかったらしく、中国語で何か言ってきたので、「ウォーター。ウォーター。オーケー?」と言うと、分かったような表情になったので、席に戻りました。
    ホテルの食事は見た目よりも辛くなく、油っぽいことを除けば、それなりに美味しくいただけました。
    途中でレストランの従業員がコップを持ってきてくれたのですが、手に持った時にお湯だと気付き、冷たい飲物は諦めました。
    Oさんは、「中国はお茶文化なので、朝は温かい飲物を出すのが普通なのでは」というようなことを話していました。彼女にとっては温かい飲物が常にあるのは有り難いとのことでした。

    Oさんに私の部屋番号がよく分かりましたねと尋ねると、「フロントの人に聞きました」と答えました。
    食事を取りながら、今日は何をするかを話しました。
    私の部屋のインターネットが使えないという話しをすると、Oさんの部屋のは使えるとのことで、インターン生への連絡もしなくていけないので、後で使わせていただくことにしました。
    「折角、北京に滞在することになったので」とOさんは切り出すと、北京観光を提案しました。
    多分、私一人なら部屋に引きこもっていたのでしょうが、提案を受け入れることにしました。


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