【没動画案】『記憶喪失TIS(仮)』
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【没動画案】『記憶喪失TIS(仮)』

2018-02-18 15:25
  • 2
時間が無いやら途中で放棄したやらのBBクッキー☆劇場のシナリオを供養するテスト。
放棄した訳ですからこれを基にして動画を作っても構いません。と言うか誰か代わりに作ってくださいオナシャス。

『記憶喪失TIS(仮)』

動画説明文:ALCが有栖を追い詰めるお話です☆


 TIS(パチュリー姿)は目を覚ます。体中が痛い。なんとか首だけ動かして周りを観察する。安っぽい壁、敷いてあるんだか無いんだか分からないほど薄い布団、それらをごまかすように所狭しと置かれたポケモンの人形。なんやここは、一体どこだか見当もつかん。何があったか思い出そうと試みるが叶わない。それどころか自分が何者なのかもよくわからない事に気が付き、急に不安と恐れが全身を包み込む。TISが完全に混乱しきったところで部屋のドアが開く。「……あ、起きてる」シケ顔のMZがお盆に薄いおかゆを乗せて登場。咄嗟に枕元のペン立てからハサミをつかむTIS。しかし体に力が入らず取り落とす。そんなTISを見て(寝返りを打つのが下手な人だ)とのんきに考えるMZ。「お前誰や、ここどこや」とTIS。「あ、えっと、初めましてMZです……。ここは私の家」お盆を枕元に置いて答えるMZ。「何でウチはこんな所におんねん」「覚えてないんですか? 昨日の事」そう言ってMZは昨日の夜の出来事を語り出す。夜、仕事を終えて帰宅途中のMZはアパートの前で倒れているTISを見つける。驚いて声をかけると「アンタ、ちょっとかくまってくれへんか、金ならあんねん……」と虚ろな目で訴えかけられる。救急車を呼ぶと言うとそれはアカンと止められ、そこでTISは完全に意識を手放す。よくわからないがとにかく家に上げ、手当てをしたという。「そうやったんか……すまんな」「本当に何も覚えてないんですか? それならやっぱり病院に行ったほうが……」「いや、昨日のウチがアカンって言ったんなら行かんほうがええやろ」そんなやり取りをしているとTISの服のポケットに何か違和感。探ってみると中から財布が。少なくない金額とどこかの会社の社員証が一枚、名前欄には「有栖川」とある。「アリスガワぁ? 変な名前やな」「何か思い出しました? 」「いや、まったく」MZはとにかく傷が治るまで安静にしていて欲しいと伝え、仕事に出て行ってしまう。なんてお人よしな女やと感謝半分呆れ半分な気持ちで財布を投げるとドサッと財布が床に落ちる。ドサ? 札と社員証しか入って無いのになんでドサなんて音出すねんと思い財布をもう一度よく見ると裏地に縫い直した跡が。先ほどのハサミで裏地を剥ぐと、中からラップにくるまれた免許証が数枚出てくる。すべてTISの顔だが名前も住所もてんでバラバラ、明らかに偽造された物。「ウチは一体誰なんや……」




 一派のアジト。いつまで経っても連絡のないTISに一派は混乱気味。HZN率いるカルテルに潜入、メインサーバーから直接HZNの現預金全部をTISの秘密口座に移し替える作戦中だった。ウン十億円の金は宙に浮いたままだ。TISならきっと大丈夫、切り替えて別の仕事をと思っても作戦のほとんどをTISが管理していたせいでそれも不可能。どうにかしてTISを探さなくては一派は前に進めない。ではどうやってと考えても他のメンバーは情報分野はさっぱり。SKRNBUが「顔写真を載せてビラを撒こう」などととぼけた事を言い出し意気消沈具合が加速する。「どうすれば……」「まあアイツを信じて待つしか無いな」TISの存在価値をひしひしと感じながら、一派は通信機の前で祈る以外に出来る事は無かった。


 「あ、そういえば……バックアップはちゃんと動いてるの? 」HNSがJGNに尋ねる。「ああ、電話して確認しとく」JGNが答える。


一派にICGを加えるかどうか。今回は“有栖川”の立ち回りを中心に描きたいので一派のメンバーが多いと目が散るかもしれない。それにICGは性格的に今回の結末に反発してしまうかもしれない。要検討



 夜、MZの家。いまだに自分が分からないTISは暗い部屋で途方に暮れる。手元にあるのは現金と偽造書類、どう考えても自分はカタギではないという事以外何一つ分からない。「ウチは誰や」考えがつい口に出る。ふと机の上の手鏡が目に入り、それで自分の顔を眺めてみる。そこには見覚えのない女が映っている。「この悪党は一体どこの誰やねん」お前は誰だ。ウチはこんな顔だったか? ハサミを手に取り、頬に押し当ててみる。あんた一体誰や。

突如、部屋のドアが勢いよく開く。「おーっ、こいつが有栖川? 」やかましい大声と独特な声質、女はBNKRGと名乗る。MZの同僚らしい。職場で話を聞き、思いつきで訪ねてきたらしい。BNの持ってきた何の肉かもわからないべちゃべちゃのフライを食べながら質問攻めにされる「ホントに何も覚えてないの? 」「どのくらい覚えてないの? 」「5かける3ってできる? 」「この指何本に見える? ホラ、ホーラ!(中指) 」イライラで先ほどまでの鬱屈した気持ちも薄らぐ。MZは申し訳なさそうに部屋の隅でフライをむさぼる。「そーよ、思い出したわ! 」BNが立ち上がる。「私の知り合いにも記憶喪失の子がいたんだけどさ、その子は自分ゆかりの土地とかを見て回ったら治ったわ。あんたも覚えてる場所とかあったら行ってみなさいよ! 」フライをブンブン振り回しながら熱弁するBN。「いやだから何も覚えてないって……」途中まで言いかけて偽造免許証のことを思い出す。あれに住所が書かれてたはずだ……。まさか偽造免許証の事を二人に言う訳にいかないので「そういえば心あたりの住所はいくつかある」と伝える。BNの「明日は私がシフト変わってあげるからMZも一緒に行きなさいよ! 有栖川さんとデートよデート! 」という提案もあり、明日は二人で出かけることに。


 翌日、夜のうちに紙に書き写した住所を尋ねようとする二人。傷は癒えたが着替えが無かったTISはMZの青ジャージを借りて着る(以後TISはずっと青ジャージ)。一番近かった住所を尋ねるもそこは駐車場。その次は雑草が伸び放題になっている空き地。どちらもTISの記憶を呼び起こす事は無い。「BNKRGさん時々嘘つくから……」とMZ。残りの住所は近くても隣県。どうせ無駄足、何も分からんと空き地に横になるTIS。ポケットを漁り、煙草を切らしていることに悪態をつく。そして言い終わってから「ウチ喫煙者やったんか」と気付く。吸えば思い出すかも知れないとMZに煙草はあるかと聞くがMZは吸わず、むしろ煙草が嫌いであった。「おいしい? とは思わないし……それに副何とかで他の人に迷惑かけたくないし……」善人のお手本のようなMZに思わずため息をつき空を眺めるTIS。財布から金をいくらか取り出しMZに渡す。「ほら、宿代と手間賃や。世話かけたな」「え……これからどうするの? 」「知らん。適当にぶらついてれば記憶も戻るやろ」「そんな、泊まるところは? 」しつこく引き止めるMZにイラつきTISはとうとう偽装免許証を見せる。「ウチは悪者や。それだけは確かや! 」一瞬ひるむが、それでも引き下がらないMZ「悪者にも帰る場所は必要じゃないかな……」

 何か異常なまでの使命感を持って必死に出て行かないように頼むMZ。最後には「お願いします」とまで言う。

 「どうしてそこまで引き止めるんや」とTIS。「ここであなたを突き放したら、私は一生ぐっすり眠れないだろうから……」答えるMZ。結局最後にはTISが折れ、MZの家にしばらく住まわせてもらうことに。




 翌日。BNが昨日変わってやったんだから今日はシフトを変われと言うがMZは元々今日も出勤日。「だったら有栖川が代わりに出ればいいじゃない! 」と半ば強引に働かされるTIS。

 MZとBNの職場はHZNカルテルの息がかかった銀行の清掃員。正面玄関から始まりロビー、休憩室……。隅から隅まで掃除する。ふとTISは自分が防犯カメラの位置と死角を無意識のうちに把握していることに気が付く。最後の仕上げに職員用の廊下を磨く。すると頭取がやってきて頭取の部屋へと入っていく。TISはなぜかその姿を目で追ってしまう。部屋の扉を開けるには4ケタのキーを入力するだけのようだ。ずいぶん型も古いしこりゃチョロいで、と考えた所で思い直す。「さっきから何を考えとるんやウチは……」しばらくすると頭取は部屋を後にする。どういう訳か足の疼きが止まらない。しかし……と考えていると洗剤の入ったボトルを蹴飛ばして中身をすべてこぼしてしまう。「大丈夫、替えを持ってくるから少し待ってて」とその場を後にするMZ。もはやTISの体は止まらない。カメラの死角から頭取の部屋へ忍び込んでしまう。弾かれるように頭取のPCに着き、電源を入れる。しめた、これもずいぶん古いPCや、こんなのチョチョイのチョイで侵入できる……。セキュリティーを難なく突破し、銀行システムの中枢に入り込む。架空の口座を作り、そこに怪しまれない程度の大金を送金……。しようとしたところで我に返る。なんやこれは、ウチは何てことをしとるんや……。急いで今までの動作を取消し、部屋から慌てて飛び出す。幸いMZはまだ帰ってきていなかった。震える手で顔を覆う。「ウチは一体何者なんや……! 」


 業務を終えて帰宅するTISとMZ。努めて気さくに話そうとするMZの言葉を生返事で返すTIS。あの頭取の部屋で感じた高揚感、キーボードの手触り、背徳感から来る多幸感あの感覚のすべてが初めてだと思えなかった。不定形だったピースが正しい場所に落ち着いたかのような、あの感覚。

 MZの家に着き、コンビニ弁当を食べ、布団に入る。眠れるはずがない。何か別の事を考えようとしても、そもそも考えられる“別の事”を覚えていない。鬱屈としながら悶えていると、誰かが窓を叩く音。窓を開けてみるとそこにはBNKRGが。「口座が誰かに操作された痕跡があるって銀行はちょっとした騒ぎだよ。有栖川の仕業でしょ」TISは焦って否定するがBNKRGはすべてを見透かしたような目でTISを覗き込む。「私ね、実はあなたが誰だかよーく知ってるんだ」「なんやと……」「知りたい? 教えてほしかったら私に協力してね」TISは言われるがままBNと一緒に原付で銀行へと向かう……。




 原付は銀行の裏口に到着する。「私電子口座とかそういうの苦手だからさ、現ナマが欲しいの。金庫から取ってきて! 」「……そんな事でけへん。どうやってやるか見当もつかん」「大丈夫大丈夫! 全部そろえてあげたから、あんたの得物! 」どこからかアタッシュケースを取り出すBN。中には乱雑に詰め込まれたハッキングツールや鍵開け、聴診器。まったく見覚えも無いはずなのに、何に使うか、どうやって使うかがありありと頭に浮かんでくる。覆面がないと指摘すると「それは心配しなくて大丈夫」とBN。「なぁ、ホンマに教えてくれ、ウチは一体何者やねん」「だから教えてあげるって! 金庫の中身を持ってきてくれたらね」まったくもって不本意だが、ここは従う他ないようだ。しぶしぶ取り掛かる。間取りとカメラの死角は昼にすっかり調べ上げた。忍び歩き、鍵開け、ハッキング。何から何までテキパキとこなし、あっさりボストンバッグいっぱいの現金を運び出す。ご満悦のBN。再びBNの運転する原付の後ろに乗り、どこかへと走り出す……。




 到着したのは汚いアパート。どうやらBNの隠れ家らしい。靴のままでズカズカ上がり、ボストンバッグの中身を確認してご満悦のBN。5千万円ほどだろう。「やることやったやろ、教えろ」「せっかちだなぁ。まま、お茶でも飲んでゆっくり」「ふざけんな! ウチは何もんなんか教えろ! 」怒りに任せて怒鳴るTIS。やれやれと言った調子でBNは一枚の写真を取り出す。そこに映っていたのはTISとMZ。楽しそうに肩に手を回し、その上には“7か月”の文字。「な、なんやこれ……MZと私はあの日初対面だったはずや……」混乱するTIS。「うーん? なんて言ったらいいんだろうね。確かに“有栖川”とは初対面だけど……」写真に夢中になっていたTISはBNが素早くTISの手を手錠で水道管とつなげた事に反応できなかった。「おい! 何すんねん! 」動きが取れなくなったところで口に薬品を押し付けられる。遠のく意識の中、BNのつぶやきが聞こえた。「すぐに助けは来るから安心しなさい。……いや、助けとは言えないかもね」




 何時間眠っただろうか。ザラザラしたアスファルトの床で目覚めるTIS。何も置かれていない小部屋。一つしかない扉は固く閉ざされ、その前には筋骨隆々の金髪少女が立っている(SKRNBU)。遠くから声が聞こえる。「クソ、あの猫鍋野郎……。一人だけ儲けて逃げやがった」聞き覚えのある声だ。「アイツが金を盗んだせいでHZNがセキュリティの見直しを始めよった。私らの作戦もふりだしって事やな」違う声。これも聞き覚えが……いや、聞き覚えなんてもんじゃない、常に聞き続けてきたような声が……。

 「あ、起きた」SKRNBUがTISの目覚めに気が付く。立ち上がろうとするも、手足をロープで結ばれている。頭がひどく痛い。「ボス! 起きましたよ! 」SKRNBUが扉を開けて誰かに声をかける。するとSKRNBUと入れ替わりで一人の少女が部屋に入ってくる。頭痛はピークになる。


その姿を見てTISは思わず息をのむ。呆れた顔で自分の前に立っている人物……。紫のロングヘアー、気怠そうな目、絶えず煙を吹きだすくわえ煙草の口。その姿はどう見ても“自分自身”であった。



ラスト

 「しかし……気味悪いで、ホンマ」煙草を地面でもみ消し、TISが縛られたTIS、もとい“有栖川”に顔を近づける。「ここまで精巧に作られると鏡見てるみたいや」「お前は……」事態を把握できない“有栖川”が震える声で尋ねる。「ウチは誰やねん! 」「おー、記憶が消えてもうてるっていうのもホンマらしいな。ったく、クローン技術も当てにならんな」「クローン……!? 」

TISが“有栖川”に説明する。お前はTISが音信不通になった際、それを敵に悟られ攻撃を受ける様な事態にならないように作られた“バックアップクローン”だという事。HZNの元に潜入していたTISがトラブルにより一派と連絡を取ることが出来なくなり、MZの家に保管してあった“有栖川”が起動したという事。本来ならばすぐに一派のアジトへと送られる手筈になっていたが、記憶が消えているという不具合があったため、様子見の為にMZが話を合わせて家で引き止めていた。それを知った協力関係にあるはずのBNKRGが欲を出し、一人だけ儲けようと“有栖川”を使って銀行を襲わせた事……。

※本物TISは一人称が「私」。有栖川は「ウチ」。

「そんな……」言葉をうまくつなげられない“有栖川”。「じゃあ一体ウチは何なんや! 」

「アリスガワ」TISの顔がグゆりと歪む。「ガワだけアリスの“有栖川”。上手いやろ、命名したからな、私が」

「そんな訳で」TISが拳銃を構える。「私が帰ってきた以上、もうバックアップはいらんねん、すまんな。いや、自分で自分殺すだけやし謝る事もないわな」「待て、ちょっと待ってや! それじゃ結局ウチは……」“有栖川”が叫ぶ。TISの指に力が入る。「結局ウチは誰やったんや! 」


それに答えるように乾いた銃声が響く。




最期に“有栖川”の脳をよぎった弾丸は終末の絶望か、救済の終末か。

いや、そのどちらでもあるかもしれない。まぁどちらにせよ……

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最後にタモリさんがはいってないやん!
31ヶ月前
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悲しいなぁ
31ヶ月前
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