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バジリスク 桜花忍法帖
忍法殺戮合戦、再び。
慶長の世に起きたる三代将軍世継ぎ争いは、
甲賀、伊賀の忍法殺戮合戦へと飛び火、それは凄惨を極めた。
散り行く花弁たちの中にあり、愛に生きようとした男と女もまた、
儚くも美しく散った――が、しかし。
伝え聞くところ、服部半蔵が継子・響八郎の手によって、つかの間か、永劫か――
二枚の花弁は生を与えられ、忘れ形見をまた2つ、残したという。
甲賀八郎、伊賀響。
それぞれに父、母に良く似た眼を持って生まれた宿命の子供たち。
時は寛永、太平の世。
忍びはもはや無用の長物、行く末は陰り行くのみ。
“血”と“力”によってなんとかその礎を磐石なものにせんと、
甲賀、伊賀の者達は八郎、響にあることを望んだ。
“契り”
――実の兄妹にして、二人は契りを結ぶ宿命を背負わされていた。
宿命に翻弄され、迷い生きる八郎と、
己の深き真情に従い、愛に生きる響。
二人が織り成す生の先には、未知なる現象“桜花”が生まれ、
其処に乱世の影がにじり寄る…
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薄桜鬼
二六〇年あまり続いた江戸時代が終焉を迎え、明治という新たな時代が幕を開け始める。
しかし、そこには士道を貫かんと、身命を賭して戦い続ける男たちがいた。
薩長土を中心とした新政府軍と、徳川家臣を中心とした旧幕府軍との熾烈な争い――
戊辰戦争に身を投じていく新選組。
自らの宿命に手繰り寄せられるように、彼らは苛烈な道へ歩を進めていく。
慶応四年一月。鳥羽伏見の戦いに敗れ、江戸へ戻った新選組。新政府軍との再戦を望む彼らに待っていたのは、甲府城で敵を迎え撃つこと。
己の信じた士道に従い戦いをあきらめない土方らに、千鶴も決意をもって接することとなる。
また、新たな勢力の拡大によって、羅刹と鬼の関係にも変化が生じていくのだった。