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ヨスガノソラ
都市部から遠く離れた片田舎、奥木染(おく
こぞめ)。
春日野悠は、妹の穹を連れてその町に向かっ
ていた。そこは幼少の頃夏休みに何度も訪
れ、過ごした祖父の家があり、懐かしい場所
であった。
不慮の事故により両親を亡くし、拠り所を
失った2人は、今は誰も住んでいない祖父の
家に引っ越し、そこで暮らす事を決める。
小さい頃から、あまり変わっていないように
感じた町並みや人。
懐かしい想い出や、静かな環境が、悠を癒し
ていったが、徐々に変化が訪れる。
想い出として心に刻まれたときからもう始
まっていた未来。今まで傷つき、不器用な生
き方しかできなかった相手と、
悠はどう向き合うのか……日差しが強まる初夏
の空の下、物語が動き始めるのだった。
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FORTUNE ARTERIAL
桜舞う四月。
俺-支倉孝平-は、記念すべき10回目の転校を果たした。
新しい学舎は修智館学院。
かなりの進学校だとか、キリスト教精神に基づく伝統校だとかは
割とどうでもよくて
いちばん大切なのは《全寮制》だってこと。
これなら、転勤族の親父に連れ回されることもない。
俺はようやく自由を手に入れたのだ。
寮の一室で目覚め、友人と登校。
充実した授業を受け、帰寮。
夜は思い思いの時間を過ごし、就寝。
そんな、落ち着いた毎日が待っているはずだったのだが……
気力体力ともに溢れる副会長、
はかなげで清楚な後輩、
ミステリアスなクラスメート、
常識から大きく外れた寮長、
気苦労の絶えない幼なじみ、
知り合ったのは個性的すぎる人ばかり。
賑やかにならないはずがない。
転校ばかりの過去に置き忘れたものも
得ることができなかったものも
ここでなら、取り戻せる気がする。
今はまだ、おぼろげな形しか見えないけれど。