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建築の学び方:その18(2,023字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
6日前
現在、明治大正期の版画と写真を特集した美術展『トワイライト、新版画』が三菱一号美術館で開催されている。先日、それを見に行ってきた。ぼくはもともと、スティーブ・ジョブズが大正昭和期に活躍した版画家・川瀬巴水のファンで、熱心に集めているという記事を読んでから、明治以降の版画家が気にはなっていた。そん...
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建築の学び方:その17(1,697字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
2週間前
『耳をすませば』という映画は、オープニングが夜なのに、そこから周到に夜を描かない。しかし最後の最後にまた夜を描くという見事な構成になっている。これは構成を意識しなければ絶対に気づかないが、しかし意識せずとも無意識に訴えかけてくる強い力がある。それは、人間だったら誰しもが夜に対する特別な思いを持っ...
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建築の学び方:その16(1,767字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
3週間前
『耳をすませば』という映画は、実は「夜」がテーマでもある。そのことに気づく人は案外少ない。それは物語の大半が、明るい日光の下でくり広げられるからだ。しかしあらためて見返すと分かるのは、この映画はオープニングシーンとラストシーンがともに「夜」ということである。もちろんラストシーンのラストは「夜明け...
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建築の学び方:その15(1,738字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
4週間前
空間のダイナミズム(醍醐味)というのは、詰まるところたった一つに行き着く。それは「緊張と緩和」だ。具体的にいうと、狭いところをくぐり抜け、広いところに出る、ということである。建築の最大の魅力はここにある。この醍醐味を極限まで煎じ詰めたのが鳥居である。鳥居こそ世界最高の建築といえよう。それをくぐる...
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建築の学び方:その14(1,974字)
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ハックルベリーに会いに行く
1ヶ月前
『耳をすませば』には、多摩丘陵の迷宮に加え、もう一つ抽象的な迷宮が描かれている。それは「創作の迷宮」である。宮崎駿監督は、その全ての作品において手法や方法論について非常に自覚的である。すなわち「物語はどう作られ得るのか?」という問いについて極めて強く意識している。それにその時点での答えを出すとい...
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建築の学び方:その13(1,752字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
1ヶ月前
みなさんは迷宮が好きだろうか?おそらく嫌いな人はいないだろう。ぼくも子供の頃から迷宮に惹かれていた。本や雑誌に迷路の問題が載っていると、すぐさま解き始めてしまう。絵画などでも、エッシャーや安野光雅など、迷宮を描いたものを飽くことなく眺め続けた。そんな子供はぼくだけではなかったはずだ。迷宮は、古来...
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建築の学び方:その12(1,645字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
1ヶ月前
人は錯覚が好きである。なぜか? それは郷愁を感じるからだ。なぜ錯覚を見ると郷愁を感じるのか? それは、自分が騙されていることを思い出させてくれるからである。人間は誰もが騙されている。誰に騙されているか? 他ならぬ本人である。本人の脳に騙されている。例えば、人間の目は球体である。魚眼レンズと同じ形...
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建築の学び方:その11(2,948字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
1ヶ月前
建築を学ぶ上で、映画はとても参考になる。特にアニメは参考になる。中でも『耳をすませば』は最高のお手本だ。それは、建築・アニメ共に「空間的な魅力」を追求しているからである。そんな空間的な魅力の一つに「錯覚」というものがある。空間は、人間に騙し絵的な錯覚をもたらしやすい。そして人間は、この錯覚という...
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建築の学び方:その10(1,754字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
2ヶ月前
坂や階段が持つ空間のダイナミズムとは何か? これは、実はものすごくアニメ的なのだが、「近景と遠景の移動速度が違う」ということである。従って、近景に隠されていた遠景が、急に目の前に現れるということがある。これが空間のダイナミズムである。山道を想像してみてほしい。登り坂の途中は、たとえ頂上の付近でも...
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建築の学び方:その9(1,817字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
2ヶ月前
宮崎駿監督の『耳をすませば』にはキャラクターの上下動シーン(空間移動)がよく出てくる。取り分け階段の上り下りが多い。元々宮崎監督はキャラクターの空間移動がとても多い映像作家だった。監督した映画にはほとんどの作品に飛行シーンが出てくる。それも数多く出てくる。『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』...
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建築の学び方:その8(1,717字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
2ヶ月前
建築において「道」は極めて重要である。なぜならランドスケープをデザインするときに、それが全てではないものの、道を抜きにしては考えられないからだ。道抜きのランドスケープデザインなどありえない。従ってランドスケープをデザインするということは、道をデザインすること――と言ってもほとんど過言ではないのであ...
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建築の学び方:その7(1,808字)
コメ1
ハックルベリーに会いに行く
3ヶ月前
今回も引き続き『耳をすませば』でどう建築が学べるのか、について見ていきたい。この映画を見ると分かるのは、ランドスケープそのものが一人の登場人物――それも主人公的な存在――ということだろう。人間の登場人物以上に、彼らの住む街を丹念に描いている。もちろん、宮崎駿監督の映画はだいたい街を丹念に描いているの...
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建築の学び方:その6(1,744字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
3ヶ月前
前回は「映画と建築は似ている」という話をした。それは両者とも「空間のダイナミズム」を追求しているからだ。中でも宮崎駿監督は、空間のダイナミズムを追求する映画を一貫して作り続けてきた。そんな宮崎監督の中でも最も建築的な映画が『耳をすませば』である。これは正確には監督が近藤喜文氏だが、宮崎氏が脚本・...
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建築の学び方:その5(1,984字)
コメ3
ハックルベリーに会いに行く
3ヶ月前
建築と映画は似ている。なぜか? それは両者とも空間のダイナミズム(エモさ)を表現することを目的としているからだ。特に映画は「エモさ」を最大の目的としている。なぜなら映画は、建築以上に人気商売だからである。前回の記事で書いたように、建築にとって「エモさ」は三番目の価値だ。一番は物を保存すること。二...
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建築の学び方:その4(1,991字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
3ヶ月前
宗教施設は山の上にある。これは世界共通である。なぜ山の上にあるのか? 理由はエモさを人々に与えるためだ。だから山の上に立つ宗教建築は、全てエモさを目指して作られている。またそこから敷衍して、山の上にない宗教施設(平地の宗教施設)もエモさを目指して作られている。建築はエモいから宗教施設に使われた。...
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建築の学び方:その3(1,774字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
3ヶ月前
建築とは何か?この問いには二つの答えがある。一つは、人類が生きていくために必要な「道具」というものである。そこでは機能性が重視される。もう一つは、「芸術」というものである。それは、建築が機能性を追求する中で、自然と「美しさ」が生まれたからだ。人は必要に応じて建築を作っていたが、その中でやがて「機...
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建築の学び方:その2(1,841字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
4ヶ月前
みなさんは、「理想の建築」というものがあるのをご存じだろうか。あるいは建築とは何かという問いに対する答え、建築の黄金比のようなものがあるのをご存じだろうか。建築のお手本だ。そういうものがこの世の中には存在する。しかも多数存在する。それは何かというと神社仏閣である。この日本の多くの街や町にある建築...
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建築の学び方:その1(1,962字)
コメ0
ハックルベリーに会いに行く
4ヶ月前
今回から建築の学び方について連載で書いていきたい。なぜかというと、これからの時代は誰にとっても建築がだいじになると思うからだ。建築――特に住む家は、当たり前の話だが人生の良し悪しに大きく影響する。しかしこれは当たり前すぎて、あらためて論じられない。見過ごされがちである。皆当たり前に思っていることだ...