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マイホームヒーロー
「47年間、一度も刑法を犯さずに生きてきた。
だけど、今日から殺人鬼だ。ああ……」
人が人を殺してしまうとき、一体どんな気持ちでいたのかを、
しがない会社員、47歳の鳥栖哲雄は、
ふつふつと煮えていく死体を前に思っていた──。
さかのぼること、わずか数時間前。
哲雄は、反抗期の娘・零花に煙たがられながらも、
愛する妻・歌仙と共に、彼女の成長を誰よりも願い、日常を送っていた。
ある日、哲雄が一人暮らしを始めた零花を訪ねると、
その顔に殴られたようなアザがあることを見つける。
問い詰めても零花は答えない。
意を決した哲雄は零花の家に忍び込み、クローゼットに身を隠す。
そこで目にしたのは、零花に手を上げた“半グレ”彼氏・麻取延人。
さらに延人は元カノを殴り殺した過去を持ち、ヤクザと共に、
零花を貶める“ある計画”を進める超危険人物だった──!
「零花だけは守らなきゃ。
たとえ僕たち夫婦に、最悪の結果が訪れても……‼」
愛する家族のため、“ただの弱いおじさん”は、
裏社会の猛者たちを相手に、
命と知力を賭けた闘いを始める!
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バジリスク 桜花忍法帖
忍法殺戮合戦、再び。
慶長の世に起きたる三代将軍世継ぎ争いは、
甲賀、伊賀の忍法殺戮合戦へと飛び火、それは凄惨を極めた。
散り行く花弁たちの中にあり、愛に生きようとした男と女もまた、
儚くも美しく散った――が、しかし。
伝え聞くところ、服部半蔵が継子・響八郎の手によって、つかの間か、永劫か――
二枚の花弁は生を与えられ、忘れ形見をまた2つ、残したという。
甲賀八郎、伊賀響。
それぞれに父、母に良く似た眼を持って生まれた宿命の子供たち。
時は寛永、太平の世。
忍びはもはや無用の長物、行く末は陰り行くのみ。
“血”と“力”によってなんとかその礎を磐石なものにせんと、
甲賀、伊賀の者達は八郎、響にあることを望んだ。
“契り”
――実の兄妹にして、二人は契りを結ぶ宿命を背負わされていた。
宿命に翻弄され、迷い生きる八郎と、
己の深き真情に従い、愛に生きる響。
二人が織り成す生の先には、未知なる現象“桜花”が生まれ、
其処に乱世の影がにじり寄る…