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春日太一の木曜邦画劇場 第609回「テンポもキレも良いコメディ演出。洗練された岡本喜八監督デビュー作」『結婚のすべて
コメ0 週刊文春デジタル 3日前
折に触れて本連載でも述べてきたが、今年は岡本喜八監督の生誕百年になる。そこで、今回から年末あたりまで、監督のフィルモグラフィを追う。 まず取り上げるのは、『結婚のすべて』。
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春日太一の木曜邦画劇場 第608回「西田敏行の、野蛮で恐ろしくても奥底に純な心を宿す演技が抜群だ!」『天国の駅』
コメ0 週刊文春デジタル 1週間前
西田敏行が亡くなった。 西田といえば、テレビドラマ『池中玄太80キロ』や映画「釣りバカ日誌」シリーズに代表されるような、ホノボノした人情味あふれる作品を思い浮かべる方も多いだろう。ただ筆者としては、その正反対の役柄を演じた時の西田が好きだった。 たとえば映画『敦煌』の傭兵隊長や大河ドラマ『武田信...
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春日太一の木曜邦画劇場 第607回「洋画の設定+下世話・お下劣。これぞ石井輝男ワールドだ!」『網走番外地 北海篇』
コメ0 週刊文春デジタル 2週間前
今年は日本の娯楽映画史に偉大な足跡を残した二人の映画監督が、生誕百年を迎えた。 それが石井輝男と岡本喜八。いずれも、ハチャメチャに面白い映画を作り続けたエンターテイナーだ。 この二人に共通点がある。 それは、洋画のテイストをかなり直接的に作風の中に盛り込んでいるところだ。若手時代はノワール調の...
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春日太一の木曜邦画劇場 第606回「妖しさと気品が備わる晴明との間の緊張感は、真田が放つ闇が生んだ!」『陰陽師』
コメ0 週刊文春デジタル 3週間前
真田広之はデビュー以来、飽くなき挑戦心をもってさまざまに役柄の幅を広げていった。そして、四十代を迎える二〇〇〇年前後には早くも、その芝居は円熟味すら感じさせるようになっていた。 だがその一方で、日本映画は真田の成長に反比例するように、その質もスケールも、大きく落としていく。そのため一観客、一真...
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春日太一の木曜邦画劇場 第605回「ヒーローから喜劇まで演じる真田は嫌みで軽薄な役まで達者に見せた!」『僕らはみんな
コメ0 週刊文春デジタル 4週間前
前回の『快盗ルビイ』以降、一九八〇年代の終わりから九〇年代の前半にかけての真田広之は、『病院へ行こう』『どっちにするの。』『継承盃』と、コメディ映画に次々と出演、それまでのヒーロー役のイメージを一変させていった。 今回取り上げる『僕らはみんな生きている』もまた、この時期に真田が主演した、傑作コ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第604回「トロくてボンヤリした青年の動きが真田の運動能力で喜劇へ昇華した!」『快盗ルビイ』
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
前回に続き、真田広之のフィルモグラフィを追いかける。『吼えろ鉄拳』の大ヒット以降、真田は若手アクションスターとして大人気を博することになる。しかし、そうして得た「スター」の座に甘んじることはなかった。八〇年代半ばからは、主に現代劇でヒロイックではない等身大の役柄にも挑戦している。 中でも和田誠...
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春日太一の木曜邦画劇場 第603回「若き真田が見せる、チャーミングで美しくて超人的なアクション!」『吼えろ鉄拳』
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
エミー賞受賞を祝し、しばらく真田広之のフィルモグラフィを追ってみたい。 子役から始まった真田の俳優人生は、千葉真一が率いるジャパンアクションクラブ(JAC)での修行を経て、キャリアを重ねていく。そもそも精悍なルックスと類稀な運動神経の持ち主ではある。が、それに甘んじることなく、たゆまぬ厳しい鍛錬と...
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春日太一の木曜邦画劇場 第602回「真田広之、祝・エミー賞受賞。時代劇役者として円熟期の一本!」『助太刀屋助六』
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
真田広之がエミー賞を受賞した。プロデューサーでもある真田は、自身が育った京都から時代劇のスタッフを招いている。それだけ真田は京都の時代劇スタッフたちの力を信頼しているし、またスタッフたちも真田に惚れ込んでいるということだ。実際、真田と仕事をしたことのある京都のベテランスタッフたちと話をすると、...
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春日太一の木曜邦画劇場 第601回「“遺体”に用いたメイク技術とは。ヒット映画の裏に職人あり!」『おくりびと』
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
来たる十月一日、拙著新刊『ヒット映画の裏に職人あり!』が小学館新書から刊行されることになった。 これは、近年のヒット映画や話題作、大河ドラマなどで重要な役割を果たすスタッフ十二名へのインタビュー集。その仕事内容に関して、一人ずつ詳細にうかがっている。 正直なところ、新作の邦画に関しては監督・脚...
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春日太一の木曜邦画劇場 第600回「重苦しくて新作を避けた少年時代。印象を大きく変えた邦画がこれだ」『大誘拐 RAINBOW
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
おかげさまで、本連載は六百回を迎えることができた。旧作邦画一筋で、これだけ続けられたのは、何より読者の皆様のご愛顧のおかげ。改めて、御礼申し上げたい。 今でこそ、このように邦画を専門にしているが、映画を好きになった頃は苦手だった。一九八〇年代半ばに『グーニーズ』で映画の面白さに目覚めたため、以...
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春日太一の木曜邦画劇場 第599回「無実を証かす社会派映画ではない。怪優だらけの地獄の迷宮のようだ!」『遠い明日』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
今回は『遠い明日』を取り上げる。前回の『櫛の火』に続き、田中収プロデューサー&神代(くましろ)辰巳監督による東宝作品だ。そして、またしても「よくこれを東宝で作れたな――」と驚く内容になっている。 幼い頃に死んだと聞かされていた父親が、実は殺人犯として服役中と知った青年・明(三浦友和)が事件のあっ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第598回「日活ロマンポルノ以上の作品を東宝が製作した、これがその背景だ」『櫛の火』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
今回は『櫛の火』を取り上げる。一九七五年に神代(くましろ)辰巳監督が撮った作品だ。 この時期の神代監督は日活のロマンポルノで話題作を連発していた。といっても日活と異なり、これは東宝配給作品だ。本来ならば健全な娯楽作品が求められる。 ところが、だ。本作はロマンポルノ級――というより、それ以上の割合...
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春日太一の木曜邦画劇場 第597回「佐藤慶の悪はお岩の呪いすらはね除けそうなほど強烈!」『四谷怪談 お岩の亡霊』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
お盆休み前に発売された本誌の合併号で、怪談を扱った映像作品を十五本、紹介した。 ただ、全体のバランスを考えて泣く泣く選から外した作品もある。今回取り上げる『四谷怪談 お岩の亡霊』も、そんな一本だ。
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春日太一の木曜邦画劇場 第596回「元海軍の監督と元特攻隊の脚本家。自身の生の感情が生む想いの数々」『人間魚雷回天』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
今回は『人間魚雷回天』を取り上げる。前回の『戦艦大和』と同様、新東宝が大蔵貢社長による復古的な戦争映画を作るようになる以前の、反戦メッセージの強い作品だ。 回天とは太平洋戦争中に軍が開発した魚雷だ。だが、それは尋常ならざる兵器だった。 兵が一人で乗り込んで自ら操縦し、敵艦へと突っ込んでいくのだ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第595回「無謀な出撃論、不安を抱える兵。『死』の予感が静かに漂い続ける」『戦艦大和』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
新東宝の戦争映画といえば、前回の『明治天皇と日露大戦争』のような、天皇を軸にした復古調の内容ばかりだという印象を持っている年配の方も少なくないかもしれない。 ただ、それは大蔵貢が社長に就任して自ら企画に携わるようになった一九五六年の『軍神山本元帥と連合艦隊』以降のこと。それ以前は、どちらかとい...
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春日太一の木曜邦画劇場 第594回「天皇を描くというタブーに挑んだ、日本では数少ない戦記映画」『明治天皇と日露大戦争
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
七月から九月上旬まで、大阪の名画座、シネ・ヌーヴォにて新東宝作品の特集上映が開催されている。 せっかくなので、それに合わせて本連載もこの夏は新東宝の戦争映画を紹介していきたい。今回取り上げるのは『明治天皇と日露大戦争』だ。 当時、新東宝はヒット作に恵まれずに危機的な状況にあった。そこで大蔵貢社...
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春日太一の木曜邦画劇場 第593回「怪人の加藤、将門の怨霊よりも強烈な勝新・渋沢栄一の存在感!」『帝都物語』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
新しい一万円札が発行され、世間にも出回るようになった。 ただ、新一万円札を手にして「あれ、渋沢栄一ってこういう顔だったか――」と拍子抜けした人もいるかもしれない。大河ドラマ『青天を衝け』を観ていた人からすると、吉沢亮の「爽やかなイケメン」のイメージがあっただろう。また、一部の映画ファンは、もっと...
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春日太一の木曜邦画劇場 第592回「お馴染みの物語にまさかの仕掛け。橋本忍は近松をも飲み込んでいた!」『女殺し油地獄
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
今回は『女殺し油地獄』を取り上げる。 さて、ここで少し近況報告を。拙著『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞を受賞し、先日、授賞式が開催された。この仕事をしていると「これで一区切り」という感覚はなかなか味わえないのだが、ここでは珍しく、そんな達成...
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春日太一の木曜邦画劇場 第591回「情に寄り過ぎない男女の関係を長谷川公之の脚本がタイトに見せる」『孤独の賭け』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
前回まで「陸軍中野学校」シリーズを続けて取り上げる中で、改めて気づいたのは脚本家・長谷川公之によるプロットの見事さだ。その緻密さにより、スパイたちの諜報戦に緊迫感をもたらしていた。 長谷川は警察官出身という珍しい経歴の持ち主で、それを活かして「警視庁物語」などの刑事ドラマを得意としてきた。その...
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春日太一の木曜邦画劇場 第590回「スパイは誰だ? 伝達網はどこだ? シリーズ屈指の極秘諜報戦!」『陸軍中野学校 開
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
今回は『陸軍中野学校 開戦前夜』を取り上げる。前回の『雲一号指令』と同じく、市川雷蔵の演じる諜報員・椎名次郎の活躍を描いたシリーズの第五作だ。 時は一九四一年の十一月。タイトルの通り、日米の開戦を目前にした時期である。 椎名が香港で得た情報により、対米交渉の期限を定めた御前会議の内容が連合国側...
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春日太一の木曜邦画劇場 第589回「『時代劇メイク』のない市川雷蔵を見事に活かす現代劇の役柄がある!」『陸軍中野学校
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
市川雷蔵と仕事をしたスタッフや俳優に取材すると、ほぼ必ず出てくる話がある。それは、時代劇のメイクをした際は凜々しく美しい一方で、普段のノーメイクの時は全くの地味な見た目になるというエピソードである。 雷蔵が凄いのは、だからといって現代劇を避けなかったことだ。むしろその特性を存分に活かして、時代...
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春日太一の木曜邦画劇場 第588回「名優たちによる魅力的な登場人物がご都合主義的物語をカバーしていた」『ある殺し屋の
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
今回は『ある殺し屋の鍵』を取り上げる。 市川雷蔵が凄腕の殺し屋を演じたシリーズの二作目だが、前作の主人公が表で小料理屋を営む塩沢で、本作は日本舞踊の師匠の新田だったりと、両作に直接の繋がりはない。 今度の新田の標的は、脱税を繰り返す悪徳金融業者の朝倉(内田朝雄)だ。新田はなんなく役目を果たすが...
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春日太一の木曜邦画劇場 第587回「バラエティや『悪役』だけではない中尾彬は卑小な男を演じても抜群だ」『内海の輪』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
中尾彬といえば、晩年はバラエティ番組への出演が目立っていたが、俳優として多くの方が印象を抱くのは、やはり「悪役」だろう。 貫禄たっぷりの顔とシルエット、野太い声、ギラついた眼差し――全てにおいて押し出しの強さを感じさせ、多くのテレビドラマや時代劇などで主人公たちの前に立ちはだかってきた。ただ、彼...
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春日太一の木曜邦画劇場 第586回「映画美術の第一人者・井川徳道。風情を創出する匠の技に敬服する」『緋牡丹博徒 お竜
コメ0 週刊文春デジタル 5ヶ月前
東映京都撮影所を中心に長年にわたって活躍してきた、映画美術の第一人者・井川徳道が亡くなった。 井川は多くの時代劇やヤクザ映画で見事なセットを設計してきた。中村錦之助が主演した「一心太助」シリーズの魚河岸、『十三人の刺客』の要塞化した宿場町、『忍者狩り』のピラミッドを意識したという霊廟、『伊賀忍...
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春日太一の木曜邦画劇場 第585回「銀座本社建設記念の本作は東映時代劇全盛期の象徴だ!」『海賊八幡船(ばはんせん)』
コメ0 週刊文春デジタル 5ヶ月前
東映が銀座の本社を移転することになった。跡地は複合的な商業施設になるらしい。 取材や試写で何度もうかがったことがあるのだが、一九六〇年に建てられた本社ビルには、各部屋や試写室はもちろん、廊下や壁や天井や階段、全てが高度経済成長期からそのまま経年した風情がある。昨今の無機質な再開発ビルとは明らか...
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《祝・大宅賞》春日太一「鬼・橋本忍との12年」【特別寄稿】
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
五月十六日、大宅壮一ノンフィクション賞に『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』が選ばれた。取材・執筆に十二年余りを捧げた筆者の春日太一氏が、『羅生門』『七人の侍』『砂の器』と幾つもの大作を生み出した橋本忍(二〇一八年没、享年百)とどう対峙したのかを綴った。
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春日太一の木曜邦画劇場 第584回「驚愕の画を映し唐突に終幕へ……。おかげでその衝撃が残り続けている」『マタンゴ』
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
昨今の映画は洋の東西を問わず、ラストシーンのキレが悪い作品が多い気がする。 クライマックスが過ぎてしばらくしてもエピローグ的なシーンがダラダラと続くため、盛り上がった気持ちが冷め、最終的には「早く終われよ」と作品全体の印象も悪くなる。 その点、旧作は良い。クライマックスを過ぎたら早々に、印象的...
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春日太一の木曜邦画劇場 第583回「“ありえない”主人公の名前は現実となりパロディを追い抜いた!」『極道社長』
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
今回は映画『極道社長』を取り上げる。 梅宮辰夫の演じる金融業者の主人公とチンピラ二人組(室田日出男・川谷拓三)が、さまざまな手立てで大金を儲けようと企むコメディだ。
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春日太一の木曜邦画劇場 第582回「『戦争美化』と捉えられた本作は、戦争の恐ろしさを冷徹に伝えていた」『FUTURE WAR 1
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
今回はアニメーション映画『FUTURE WAR 198X年』を取り上げる。 東西冷戦が最後の激化を見せていた一九八二年に製作された、近未来戦争映画だ。 その内容が「戦争美化」と捉えられたために左派系団体などから猛烈な抗議を受け、ボイコット運動が巻き起こったことで知られている。そのため、現在でも本作はセンセーシ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第581回「香港クンフー映画に便乗しても、演出、アクションはそれを上回る!」『激突!殺人拳』
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
今回は『激突!殺人拳』を取り上げる。 一九七〇年代前半、ブルース・リーが巻き起こした香港のクンフー映画の大ブームに、東映が便乗して生み出した「カラテ映画」の企画である。だからといって、いい加減な作品では全くない。むしろ、作品としての見応えは一連の香港映画はどれ一つとして及ばないものがあると思え...
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春日太一の木曜邦画劇場 第580回「見直して気づいた名作オマージュ。時代劇への興味の原点かもしれない」『キン肉マン
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
ゆでたまご原作のマンガ『キン肉マン』は「週刊少年ジャンプ」で連載され、テレビアニメにもなった。 筆者はその直撃世代で、超人・キン肉マンが強敵たちと繰り広げる奇想天外なプロレス形式の激闘に胸を躍らせたものだ。『キン肉マン』は二〇一一年にウェブサイトで続編が連載され、そして今年はそのアニメ化も決定...
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春日太一の木曜邦画劇場 第579回「寺田農の、その“したり声”は傲慢で知的な悪役ムスカの生命だ」 『天空の城ラピュタ』
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
寺田農(みのり)が亡くなった。 教養と知性と狂気とを内包した独特の眼差しと、なんともいえない太々しい雰囲気が、この名優の若手時代から晩年まで一貫した魅力だった。そのため、チンピラ、殺し屋、軍師、権力者、粋人、腹の底の見えない野心家――幅広い役で凄みを見せつけている。 また、声の仕事も素晴らしく、...
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春日太一の木曜邦画劇場 第578回「万博に沸く大阪で葬儀博覧会 開催を進めるというブラックコメディ」『とむらい師たち
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
今回は『とむらい師たち』を取り上げる。前回と同じく、その座組を見るだけで期待感が上がる一本だ。 なにせ、主演・勝新太郎―監督・三隅研次という『座頭市物語』を手掛けた二人に加え、原作が野坂昭如、脚本が藤本義一。アクの塊と言っていい面々が顔を揃えているのだ。 物語の設定も、この面々にふさわしい濃厚な...
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春日太一の木曜邦画劇場 第577回「本筋とは関係なさそうな芝居が人情噺に活気をもたらしている」『とんかつ一代』
コメ0 週刊文春デジタル 8ヶ月前
今回は『とんかつ一代』を取り上げる。 森繁久彌、フランキー堺、加東大介、三木のり平、淡島千景、団令子といった東宝喜劇でお馴染みのメンバーが顔を揃え、喜劇の名手・川島雄三監督が撮った一本だ。その座組に名前倒れすることのない、爆笑作に仕上がっている。 本作は日本映画にありがちなビターな涙も流させる...