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バジリスク 桜花忍法帖
忍法殺戮合戦、再び。
慶長の世に起きたる三代将軍世継ぎ争いは、
甲賀、伊賀の忍法殺戮合戦へと飛び火、それは凄惨を極めた。
散り行く花弁たちの中にあり、愛に生きようとした男と女もまた、
儚くも美しく散った――が、しかし。
伝え聞くところ、服部半蔵が継子・響八郎の手によって、つかの間か、永劫か――
二枚の花弁は生を与えられ、忘れ形見をまた2つ、残したという。
甲賀八郎、伊賀響。
それぞれに父、母に良く似た眼を持って生まれた宿命の子供たち。
時は寛永、太平の世。
忍びはもはや無用の長物、行く末は陰り行くのみ。
“血”と“力”によってなんとかその礎を磐石なものにせんと、
甲賀、伊賀の者達は八郎、響にあることを望んだ。
“契り”
――実の兄妹にして、二人は契りを結ぶ宿命を背負わされていた。
宿命に翻弄され、迷い生きる八郎と、
己の深き真情に従い、愛に生きる響。
二人が織り成す生の先には、未知なる現象“桜花”が生まれ、
其処に乱世の影がにじり寄る…
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バジリスク-甲賀忍法帖-
「二人手をたずさえて、両家を縛る宿怨の鎖を断ち切ろう」
四百年の永きにわたる甲賀と伊賀の宿怨を断ち切り、
共に生きることを誓い合う甲賀の弦之介と伊賀の朧。
しかし、愛し合う二人は、殺し合う運命にあった……
慶長十九年。齢七十三歳の家康は悩んでいた。
暗愚の兄・竹千代か、聡明な弟・国千代か?
混乱を極める徳川三代将軍の世継ぎ問題に決着をつけるため、
甲賀を国千代派、伊賀を竹千代として忍法の二大宗家を相争わせ、
それぞれの精鋭十人対十人の忍法殺戮合戦の結果、
どちらか生き残ったほうにそれを賭けるという厳命を下した。
先代服部半蔵との間に交わされた「不戦の約定」が解かれ、
手綱を解かれた猟犬のごとく、怨敵に挑んでゆく忍者達!
己の肉体こそが最大の武器!
人知を超えた秘術をもった、個性溢るる忍びの面々。
老若男女二十人二十色、超人奇人が相乱れ、
秘術の限りを尽くして繰り広げられる忍法争いがいま始まる!!
凄惨な戦いの果てに、一人、また一人と失われていく仲間達……
勝つのは甲賀か、伊賀か? 果たして、生き残るのは一体誰なのか!?
そして弦之介と朧、引き裂かれた二人の愛の行方は……?