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WHITE ALBUM2
学園祭まであと一月と迫った秋の日の夕暮れ。
崩壊した軽音楽同好会の最後の一人、北原春希は、
放課後の窓際で学園祭のステージを目指してギターを弾いていた。
それは、二年半ずっと真面目に過ごしてきた優等生が、
卒業までの半年間に成し遂げようとした、ささやかな冒険。
けれど、その拙いギターの音色に、
流れるようなピアノの旋律と、鈴が鳴るような歌声が重なったとき……
一人からふたりへ、ふたりから三人へと重なっていった新生軽音楽同好会の、
夢のような、夢であって欲しかった半年間が始まった。
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トータル・イクリプス
1973年、地球に襲来した異星起源種「BETA」
によって引き起こされた戦争は、人類を滅亡
の淵へと追いやった。圧倒的な物量で迫る
BETAに対し、人類は対BETA戦、人型兵器「戦
術機」を実用化して戦線に投入、世界規模の
抵抗を試みた。しかし、押し寄せるBETAに劣
勢を強いられた人類は、ユーラシア大陸の大
半を失うことになる。以降、30年近くも攻防
は続くが、BETAとの戦いに光明は見えず、人
類は未だ泥沼の中でもがいていた。
2001年、極東の最前線を支える日本帝国で
は、次期主力戦術機の開発が問題となってい
た。そこで、国連軍の「プロミネンス計画」
における日米共同の戦術機改修計画が提案さ
れる。帝国斯衛軍に籍を置く篁唯依は、計画
責任者の任を与えられてアラスカへと向か
う。それと同じ頃、米国軍の若き衛士ユウ
ヤ・ブリッジスもまた、アラスカの地を目指
していた。
その出会いが運命を大きく変えることを、
このときのふたりはまだ知らずに――。
滅亡の危機に瀕した地球を舞台に、対"BETA"
戦の要である人型兵器"戦術機"の新型開発を
めぐる、熱き人間たちのドラマを描いたロ
ボット・アクション作品!
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星空キセキ
恋と星空に憧れる天文部員、こずえ。夏休
み、友達の反対を尻目にひとり天体観測の旅
に出る。本当の理由は誰にも言えなかったけ
ど、誰かに呼ばれているような、大切な何か
を忘れているような、そんな不思議な気持ち
を抑えることはできなかった。答えはきっと
星が教えてくれる・・・。妖しく光り輝く隕
石のカケラも、そんなこずえを後押ししていた。
旅先、こずえは一人の少年と出会う。寂しい
目をした孤独な少年、銀河。そんな彼に惹か
れていくこずえだが、銀河の生まれ持った使
命は容赦なく二人を隔絶してしまう・・・。
銀河の持つ使命とは一体何なのか。
固く閉ざされた心の扉を開くため、こずえは
走る。満天の星空の下、キセキの夜が始まる―。