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「あの頃に戻りたいなんて思っているわけでもないのに」
コメ0 草の根広告社 3週間前
エスカー待ちの行列を避けてひたすら石段を昇っていく。滲む汗を秋の潮風が拭う。踊り場に出るたびに眩し過ぎる陽射しに目を細める。
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「2024年の運動会」
コメ0 草の根広告社 4週間前
子どもたちの青春の輝きのために大人たちも必死になっていた。体育の先生は声を涸らしていた。腕章をつけたPTAの役員たちもフィールドを駆け回っている。町内会の会長陣も来賓として見守っている。子どもたちが地域の力で育られているのを実感する。
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「今日も地球が悲鳴を上げている」
コメ0 草の根広告社 1ヶ月前
134号線沿いに選挙ポスターを貼る為の掲示板が立てられていた。9コマある掲示欄はいつも2コマか3コマしか埋まることがない。選挙のたびに選択肢の少なさに辟易とする。
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「誕生日プレゼント」
コメ0 草の根広告社 1ヶ月前
消費に幸せを感じる時代の終焉を強く感じ始めたのは2008年の年末。リーマン・ショックから三ヶ月が経った師走のことだった。大晦日に日比谷公園で開設された炊き出しに長い行列ができていた。多くは派遣切りに遭った人たちだった。同世代と思しき人も少なくなかったと記憶している。 東京で暮らしていた。毎日のよう...
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「世界がこんなにも美しいなんて」
コメ0 草の根広告社 2ヶ月前
空が青い。湿度が下がってきたおかげだ。空気中の水蒸気が減って薄い空色だった夏空が秋の色を纏っている。 さわやかな秋晴れの朝をランドセルを背負った娘と手を繋いで歩いていく。もう二年生だ。そろそろひとりで登校させた方がいいんだろうなと思いつつ、心配症なのと、一緒に歩くことのできる季節の短さを思うと...
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「言葉にできないこと」
コメ0 草の根広告社 2ヶ月前
茜色に染まる海上に三日月が浮かんでいる。その真上で金星が輝いている。逆光の中に富士山のシルエット。ぼくはベランダでビール片手に妻と娘とその景色を見つめている。秋の涼風が肌を撫でていく。
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「あの夏はもう帰らないのだろうか」
コメ0 草の根広告社 2ヶ月前
8月の終わり、お世話になっている千葉県の農家さんから新米が届いた。「今年も一等米でした」 うれしそうな報告が添えられていた。ここ数年、高温による品質と収量の低下を心配していたので自分のことのようにうれしかった。
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「悲しみは半年遅れでやってくる」
コメ0 草の根広告社 2ヶ月前
土曜の午後、ひとり自宅で仕事に向かっていたとき、虚を突かれたように喪失感が襲い掛かってきた。ふと窓の外の眩しい陽射しに目をやったときだった。
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「この町で生きている。この町で生きていく」
コメ0 草の根広告社 5ヶ月前
週末、葉山の住宅街にあるビストロで食事をした。この町で暮らすようになって14年。もっとも多く通ったフレンチレストランだ。コロナ前までは記念日のたびに訪れていた。妻と二人で。妻の両親も交えて。娘が小さかった頃はベビーカーですやすやと眠る寝顔を見ながらランチを。様々な記念日に料理とワインで大切な人と...
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「田舎暮らしってのんびりしているんでしょう?」
コメ0 草の根広告社 6ヶ月前
田舎暮らしってのんびりしているんでしょうとよく言われる。田舎暮らしと呼べるほど田舎に住んでいるわけでもないのだけれど。海辺の町で暮らして14年目。実感としては都会で暮らしていた頃より忙しい。 ある日の行動をそのまま書いてみる。
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「どこへも行かない」
コメ0 草の根広告社 6ヶ月前
ゴールデンウイークのある一日、朝から娘と妻とビーチカヤックをした。家から歩いて数分のところにある浜辺だ。134号線を歩いてレンタルショップまで行く。娘が渋滞の車列を見て「運転もしなくていいから良かったね」と言ってくれた。昨晩遅くに仕事先から帰ったばかりだった。車を運転して一日掛かりで海に行かなけれ...
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「ひとりで生きているわけじゃないという実感がぼくをこの世界に繋ぎ止めているのかもしれない」
コメ0 草の根広告社 7ヶ月前
その朝は海水温の上昇を実感させられるような大雨だった。娘を車で学校まで送ってから車を家に戻してバスで仕事に向かう。コロナ禍では通勤は専ら車だったがここ一年ほどはずっと公共交通機関を使うようにしている。移動中に原稿が書けること。自動車事故のリスクから解放されること。もうひとつは地球環境に対する配...
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「少子化の本当の原因」
コメ0 草の根広告社 9ヶ月前
娘と娘の友達が畑を手伝ってくれた。草毟りをお願いしたら夢中になってやってくれた。二人と妻に任せてぼくはひたすら耕す。耕しているとカブトムシの幼虫を掘り起こしてしまう。土に戻す前に娘たちに見せてやる。「すごい」小さな命に目を輝かせながらまた草毟りに戻っていく。児童労働が禁じられている時代にこんな...