【CoCシナリオ】おわらないかいだん
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【CoCシナリオ】おわらないかいだん

2016-01-29 23:39

     当記事は上記動画にて使用した『おわらないかいだん』のシナリオ配布となります。
     無断転載、自作発言、二次配布禁止。
     TRPG初心者が作った身内向けシナリオになりますので、KPのやりやすいように改変はお好きにどうぞ。
     何かあれば下のコメント、Twitter、メール(sekiei.trpgあっとまーくgmail.com)まで。
     使用報告、感想などをもらえると咽び泣いて喜びます。
    【リプレイなど掲載する場合は、キャプションなどにシナリオ名と「ネタバレがある」という表記、動画かこの記事のリンクを貼ってくださればお好きにどうぞ。報告もらえると喜んで拝見しに行きます】


    ■リプレイ案内■

    とうや様よりリプレイ動画(【お茶組卓】主命とあらばCoCであろうとも
    ・頻子様(HP:栖王ヴァルハラ3丁目)よりリプレイ
    桔梗様よりリプレイ動画(刀剣男士が「おわらないかいだん」

     遊んでいただきありがとうございます。感想も励みになっております…!

    1.はじめに
    ■システム:クトゥルフ神話TRPG基本ルールブック対応(以下ルルブと表記)
     サプリ『マレウス・モンストロルム』適応(以下マレモンと表記)
    ■シナリオ傾向:クローズドシナリオ
    ■シナリオ名:おわらないかいだん
    ■PL人数:1人(~2人。2人の場合は随行NPCは登場させない)
    ■所要時間:オフラインセッションで平均3~4時間(探索の仕方によって30分以内に終わる可能性あり)
    ■推奨技能:目星・図書館・忍び歩き(PL2人の場合は医学・薬学も加える)
    ■前提条件:探索者はPOW6以上であること。戸羽総合病院に入院していること。







    ====以下、KP対象情報====











    【更新】
    2016/06/24:床の文字、診察●、判定方法、ED演出
           各描写例の修正、リプレイ案内の掲載                 

    2016/02/04:補足追加。表現、誤字、SANの減少量を修正     

    2. KP向け情報、シナリオ背景
     探索者の迷い込む空間はグラーキ(ルルブP214-215/マレモンP166-167)が作り出した『入信の儀』を行うための場所。通常『入信の儀』を行うには犠牲者(新入信者)が湖の岸に立ち、グラーキが湖の底から浮上、胸に棘を打ち込み体液を注入する必要があるが、その手間を最大限省いたシステムを作り出している。探索者が入院している病院に潜んでいる従者が≪門の創造≫による≪門≫を使い、空間へと搬送。この空間に迷い込んだ犠牲者たちは、従者となるか、死亡するかしかない。が、この空間に幽閉されている一人の医者が、犠牲者を帰すための新たな≪門≫を作り、条件を満たせば開くように細工を施した。
     探索者はこの場所から脱出することが目的となる。

    3. 施設情報・主なNPC・クリーチャー
    ■施設:戸羽総合病院
     地下深くに水脈があり、その水域はセヴァン谷と≪門≫によって繋がっているためグラーキの『夢引き(ルルブP214-215/マレモンP166-167の同名参照)』の効果を強く受けることになる。紛れている従者は『夢引き』に反応したと思われる人間を老若男女無差別に≪門≫に放り込んでいる。もし犠牲者が空間内で死亡した場合は若い従者が回収、症状が悪化もしくは退院した記録だけが残され処理される。失踪する人々に疑問を持った人間は、呪文により記憶を消されたり、存在そのものを抹消される。
     グラーキの従者が多いが、一般人も働いており彼らは凶悪な存在が近くにいることをまったく知らない。
     探索者の入院した科にある階段に≪門≫はある。

    ■施設:グラーキの作り出した空間
     この空間はグラーキが今住み着いているイギリスのセヴァン谷の水底近くに浮いており、邪神の力によって増長・影響を受けているのか、犠牲者たちと所縁ある戸羽総合病院内の階段と作りが似ている。

    ■NPC:麻木七生
     手紙を残した医者が作り出した存在。迷い込んだ犠牲者(探索者)を帰すために存在しているため、≪門≫を通っても帰ることはできない。
     声は聞こえるがしゃべれず、手話か筆談などで会話を試みる。医療・介護知識や一般常識(スリッパを履く、蓋を開けるなど)はあるが、彼女は「自身は戸羽総合病院の看護部 小児科の麻木七生」ということ以外、自身の出身や家族構成などすべて「わからない」。そして「わからない」ことになんの疑問も持っていない。探索者を全面的に信頼し、献身的・協力する姿勢を見せる女性。(例:指示されその場で待機する、技能判定を振る、物を持つ、服毒する・メスを自身に突き刺すなど。探索者と離れてなにかを持ってくる、注射器を自身に突き刺すなどは徹底的に嫌がる)
     ただ何の説明もなく攻撃された場合(ファンブルや発狂などではなくPLが明確に攻撃する意思を持っていた場合)、彼女は恐怖の表情を浮かべ、階段を駆け下り、逃走する。そして『四方を階段で囲まれた場所』か『談話●の踊り場』にたどり着く前の踊り場で足を滑らせ転倒。首の骨を折り死亡する(SANチェック1/1D3)。
     彼女は『手紙らしき封書の情報』と『テレビの情報』を得ると探索者に「○○(探索者)さんが助かるにはどうすればいい?」と聞いてくる。それに探索者、もしくはPLが正確に理解し、答えを彼女に伝えるなら進んで重症状態になろうとする(ナイフで首を切る、毒を飲むなど)。
     探索者がなにかするたびに七生に「なにをするの?」と説明を求めさせること。「できることはある?」と質問させ、受動的ではあるが探索者に協力する姿勢を見せる。
     この場所から出ることに賛同はするが、どこに帰るかは、彼女自身も知らない。

    ―――――――
    麻木 七生(あさぎ ななお)/看護師(ルルブ医者ベース、他の言語(ラテン語)を(英語)に変更+他の言語(手話)追加)
    STR:15 CON:11 POW:10 DEX:8
    APP:12 SIZ:8 INT:16 EDU:21
    耐久力:10 MP:10 DB:±0 SAN:該当なし
    技能値:≪医学≫90% ≪他の言語(手話)≫70% ≪他の言語(英語)≫50% ≪聞き耳≫50% ≪忍び歩き≫70% ≪精神分析≫73% ≪図書館≫50%≪目星≫50% ≪生物学≫90% ≪薬学≫90%
    ―――――――

    ■NPC:女性看護師
     おしゃべりな看護師。彼女が検温や朝食を運びに来て「探索者へ小児科の噂(改造手術の話)」をし、加えて「探索者がどうやら眠れなかったらしい」という話を同僚にしゃべることにより、グラーキの従者の耳に届くことになる。彼女自身は怪談話を子どもたちが吹聴している噂話程度にしか思っておらず、邪神も従者も知らない一般人のため≪心理学≫をしたところで裏はない。

    ■クリーチャー:グラーキ(ルルブP214-215/マレモンP166-167)
     この空間を作り出した邪神。グレートオールドワン。空間を破壊されそうになる場合のみ干渉し、警備を召喚する。
     下記の医者が何やら邪魔をしていることは知らないはずがない。しかしなぜか止めようとしないのは、精神汚染に耐える骨のある人間を気に入って観察しようという気でも起こしたのか、はたまたただ単に従者候補はいくらでも来るため矮小な人間の些細な足掻きを放っておいているのか、真相は不明。
     邪神が何を考えているかなんて、人間がわかるはずもないし、理解しようとしたところでろくなことはない。

    ■クリーチャー:空鬼(ルルブP173/マレモンP51+『診察●』で召喚された場合は加えて組み付き50%所持)
     『ポスターの注意事項』に違反すると一定確立で出現(詳しくはこの空間のルール参照)
     倒すことはできるが、グラーキが次々召喚してくるため、探索者が『死ぬ』か『スポットライトを経由して四方を階段で囲まれた場所』に逃げ込まない限りいなくならない。
     逃げる場合はDEX対抗。失敗するたびにかぎ爪で攻撃。成功すればダメージ発生。

    ■クリーチャー:『診察●』の看護師♂・♀(ステータスはルルブP176/マレモンP42。組みつく従者のSTRは少し高めに設定)
     グラーキの従者となってしまった男女。もともとは下記の医者のように、グラーキの棘に刺されたものの生き残り操られることはなかったが、この空間に幽閉、グラーキの精神汚染により発狂。今は完全な従者となり犠牲者を襲っている。
     一人は丸腰、もう一人は鋭利な長細い物(グラーキの棘)を持っている。丸腰の従者は≪組み付き≫が50%あり、探索者の動きを封じてくる。そのターン、棘を持った従者は行動をパス(ふらふら近づいてくる、とでも描写)、次のターンまでにSTR対抗で勝利しなければ探索者に棘が付きたてられる(七生がいるならもみ合っているなどして1ターン伸ばしても良い)。

    ■クリーチャー:手紙を残した医者(ステータスはルルブP176/マレモンP42。POWは15で固定)
     『診察●』にて椅子に括りつけられている白衣の男性。拘束を解かない限り襲ってはこない。
     グラーキの棘に刺されたものの生き残り、操られることはなかったが、この空間に幽閉された。魔術師の素養もあったのか、グラーキの精神汚染を逆に利用し、≪門の創造(不完全版、報酬参照)≫を作り出す。犠牲者を救いたい一心で、仲間だった看護師二人の目玉をえぐりだしたり、自身の『緑の崩壊(ルルブP176/マレモンP42の同名参照)』を顧みずスポットライトを設置したり、『備品●』の品々を作り出した。
     麻木七生を作り出したのは、犠牲者を無傷で帰すため。


    4. シナリオ導入
    ■探索者に決めてもらうこと。
    *どういった理由で入院するか
    (入院理由によっては何かしらの補正値が付くことを先に説明する。
     例:腕の骨折なら腕使用の技能値-20など)
     決まらなければ人間ドックで2泊3日の入院検査にする。
    *個室か大部屋か(どちらでも違いはない)
    *どんな格好で寝ているか聞く(その格好のまま空間に飛ばされる。基本的に何を身に着けようが≪門≫に入る前に服以外は従者がすべて没収)
    ――――――――――――――
     検査や問診など、慣れないことをしたその夜は疲労感を抱えたまま就寝する。しかし、ふと悪夢を見て目覚める。内容までは思い出せないが、その日はよく眠ることができなかった。
     翌朝、検温に来た女性看護師が探索者の顔色の悪さから「眠れませんでしたか?」と聞いてくる。
     肯定的な反応を示せば下記のように答える。
     
    「よくいらっしゃるんですよ、病院だと眠れない人。環境が変わると怖い夢を見たりとかもしますしね……そういえば小児科のほうではこんな噂があって……『怖い夢を見た次の日に異世界に連れていかれて身体に改造手術を施されて戻ってくる』って話。小さい子にとって病院って未知の物がいっぱいなんでしょうね……。まぁこんな怪談話おいといて、睡眠薬出してもらいましょうか?」
     ここで探索者が嘘を言った場合≪心理学≫(ブラフロール。必ず成功)で嘘かどうかバレてしまう。

    「強がらなくたっていいんですよ。眠れない人、よくいらっしゃいますし。環境が変わると不安で怖い夢を見たりとかもしますからね……そういえば小児科には~」と軽快に笑いながら話を進めること。
     その夜、探索者はまた悪夢を見る。

     おぞましい『何か』が探索者に迫っており、それから必死に逃げようとするが反して身体はピクリとも動かず、ただそれを受け入れる時を待つだけの夢。
     『何か』が服を通り、肌へと触れそうになったと同時に意識が覚醒した。
     
     (上記描写はグラーキの入信の儀をイメージしたもの。棘が胸元まで迫ってきている……というこれから起こることへの予感じみたものなので、ただ悪夢にうなされたという風に終わらせてもかまわない)

     霞む視界に映ったのは、階段。
     寝ていた恰好のまま、車椅子に乗って、やけに広い踊り場にいた。なぜか背筋を嫌な汗が伝い、四肢が重く気だるい。
     ここでMP-3、SAN-1(≪門≫の使用コスト)。



    5. 目覚めた踊り場
     階段は成人男性が両手を伸ばして余裕がある程度に広い手すり付きの折り返し階段で、内側の壁は高くなっているため、閉塞感があり視界が制限される。これは病院内で見た階段と作りが同じであることを探索者は知っている。しいて違いを挙げるなら、踊り場が広い。辺りにはストレッチャー、壁掛け担架、探索者が座っている車椅子、そして院内で見かけたポスターやチラシが等間隔ではあるが壁を埋め尽くすように重複しつつ貼り付けられている。
     目の前には登り階段と降り階段がどちらもある。
     
    ■ポスターの内容(この情報は別の階段『備品●』『談話●』『診察●』でも入手できる)
    ・研修風景を映した院内便り
    ・栄養士によるレシピ掲載
    ・松葉杖や入院セット貸出の広告
    ・ご意見箱への投書と回答
    ・病院利用についての注意喚起ポスター
    ・救急車の適正利用促進ポスター

    ≪目星≫か≪アイディア≫か≪知識≫成功:『病院利用についての注意喚起ポスター』と『救急車の適正利用促進ポスター』のデザインが院内で見かけた物とは違うことに気が付く。

    ■病院利用についての注意喚起ポスター
     ・携帯電話の使用は指定場所でお願いします(指定の場所がどこかは書いていない)
     ・敷地内は全面禁煙となっております。
     ・迷惑行為<建物や備品の損傷・汚損行為、スタッフへの暴力、居座りなど>はおやめください。
     ※従われない場合には警備へ連絡することもあります。

    ■救急車の適正利用促進ポスター
    『「病院に行く交通手段がなかったから」「優先してみてくれるから」などの理由から緊急性のない救急車の利用が増加している』ということが書かれている。
    意識を失った、呼吸困難、痙攣が止まらない、大量出血など『救急車を本当に必要としている人のために』適正利用を訴えているポスター。



    6. この空間のルール

    ■移動の法則
     ◎四方を階段に囲まれた場所→階段→1つめの踊り場→階段→物のある広い踊り場→階段→2つめの踊り場→四方を階段に囲まれた場所』の順。
     『備品●』『談話●』『診察●』のどこから降りようと/登ろうと、スポットライトの照らされる南側の階段に出る。南側の階段を降りる/登ると最初のストレッチャーなどがあった踊り場(目覚めた踊り場)につき、階段を使うとまた南側の階段から部屋に戻る。
     四方を階段に囲まれた場所に戻るたび、時計の針は1時間戻る。
    ※もし探索者がどこから移動扱いになるのか調べた場合、1つめの踊り場から広い踊り場が見えた時点で(この状態なら内側の壁が邪魔になって探索者が来た方向は見えなくなっているため)移動扱いとする。

    ■階段のループに気が付く
     四方を階段に囲まれた場所から移動するごとに≪アイディア≫
     1回目≪アイディア≫、2回目≪アイディア≫ロールなしで気が付く。

     気が付いた場合の描写:『この部屋に見覚えがある。四方を階段に囲まれた場所。床の文字。探索者は確かに「○○(談話、備品、診察)●」を降りた/登ったはずだ。シンプルな作りだから、同じ部屋があるだけ?それとも見間違えた?……そんなはずはないと、あなたは理解している。戻ってしまった。通常あり得るはずのない、ループする終わらない階段に気が付いた探索者はSANチェック1/2』

    ■ポスターの注意事項
     壁を壊そうとする、ポスターを剥がそうとするなどを2回以上続けるなら『建物や備品の損傷』行為にあたり秘匿ロール。最初10%から始め、回数が増すごとに+10加えていき、判定に成功したら警備(=「次元をさまようもの、空鬼」)召喚。この数値は累積する。
     スタッフ(診察●の看護師、白衣の男性)に攻撃を命中させた時点で1体の警備増援。

    演出:周囲の灯りがチカチカと明滅を繰り返す。それと同時に目の前で空間がぐにゃりと歪んだ。その歪みを裂くように、中央から長く鋭いものが割って出てくる。姿を現したのは無表情の猿のような、皺だらけの頭部を持つ、皮膚がだらしなく垂れ下がった人間大の怪物。電灯と同じように明滅を繰り返すその存在の長い腕から伸びるかぎ爪は凶悪さを滲み出していた。次元をさまようものと遭遇した探索者はSANチェック0/1d10

    ■時差
     探索者が複数いる、もしくはNPCに別行動を取らせた場合。例えば同じ踊り場からNPCを先行させ、階段を登らせたとする。その後探索者が100数えてから階段を降りた際、もしくは、100数えて後を追って階段を登った場合、どちらも光の先に行くといつの間にか隣(もしくは反対の階段)にNPC(もしくは探索者)がいる。時間をずらしても四方を階段に囲まれた場所に辿りつくのは同時。
     もし探索者が踊り場で何もせずにただ居座るようなら『病院利用についての注意喚起ポスター』の『迷惑行為(居座り)』に該当するため、警備を召喚。追い払う。

    ■携帯利用
     この空間内で電話をかけると「院内での携帯電話の使用は禁止されています」とおどろおどろしい声のあと耳障りな気の触れた笑い声が聞こえて携帯が切れ、電源がつかなくなる。メールやインターネットなども同様なメッセージが表示され、電源がつかなくなる。SANチェック0/1

    7. 四方を階段に囲まれた場所
     静かな階段を登って/降っていくと、一度何もない踊り場に出て、さらに登って/降っていくと、強い光に照らされる。顔を庇いながら進めば、真正面の天井にスポットライトがあり、四方向を階段に囲まれた場所についた。
     中央には柱時計と、赤黒い何かで『かえりたいならあかい○○○○をしんぞうに』とおどろおどろしい文字が大きく書かれている。あかい、の後は滲んでよく読めない。
     階段の上にはプレートがそれぞれつり下がっており、左側は『診察●』、正面は『備品●』、右側は『談話●』、と書かれていて、いずれも、最後の言葉が黒く塗りつぶされている(『●』=『室』だが、この空間では階段が続き、部屋には辿り着けないため、演出上の都合で塗りつぶしてあるだけで、特に意味はない)。そして南側の階段を照らすようにスポットライトが設置されている。探索者がその場所へと一歩を踏み出したその瞬間、時計が9時(探索者が2名の場合は6時)の鐘を鳴らした。

    ■柱時計
     なんの変哲もない重厚感のある時計。振り子が一定間隔で揺れている。
     ≪アイディア≫か≪目星≫に成功:長針がまったく動いていないことに気が付く。
     ※破壊することができる(警備も呼ばれない)。破壊する意思を持ってダメージを与えた時点で時計は倒れて長針と短針が取れ、振り子が沈黙する。時間経過は進むので、以後KPはカウントを続け、PLには伝えない。0時になった場合は通常通り消灯される。

    ■スポットライト
     天井に設置されている、太陽の光と錯覚するほどに眩しい照明。天井が高いので椅子を持ってくるか肩車をしないと届かない。
     なぜか南側の階段のほうへ向いたまま、向きを変えることも消すこともできない。
     ※破壊することができる(警備も呼ばれない)。破壊する意思を持ってダメージを与えた時点でショートし、二つとも灯りはつかなくなる。これ以後、階段を移動し、この場所に戻るたびに秘匿ロール。50%から始め、移動1回につき+10%(累積)。成功した場合、背後に『診察●』の看護師が出現、EDとなる。

    演出例:背後から音がした。振り返ってみると人影。(まだ診察●に行っていないなら描写、SANチェック)
     探索者が逃げても、どこまでも追いかけてくる。どれほど体力があろうとも所詮は生きた人間。階段を進めば進むほど、足がもつれ、息が上がる。そんなことお構いなしで看護師たちが探索者目がけ襲い掛かるのだ。抵抗しようとも、枯れたような腕とは思えないほど強い力で羽交い締めにされ、身動きが取れない。一人の看護師が、手にある長細い棘のようなものを両の手で持ち、掲げる。そしてそれはあなたの心臓に付きたてられた。
    (ダメージ算出後、ED参照)

    ■床の文字
     赤黒い何かで『かえりたいならあかい○○○○をしんぞうに』とおどろおどろしい文字が大きく書かれている。あかい、の後は滲んでよく読めない。
     これを麻木が初めて目にした際、ロール(ブラフロール)。彼女は非常に恐怖心と嫌悪感を露わにし、あまり近づきたがらない。探索者が問いかければ「よくわからないけど、嫌なもの」と教える。
    ≪医学≫か≪生物学≫に成功:これは人間の血ではないとわかる。
    (グラーキの体液。これ自体に触れても問題はない。医者の残した文面にある『神の赤い体液を心臓に注ぐと従者になる』と書かれている通り、「かえりたいならあかい○○○○をしんぞうに」=「従者になれば解放する」という意味)



    8. 『談話●』
     壁に張り紙やポスターが貼り付けられている階段の先、踊り場をひとつ超えて進めば、テレビや椅子の置かれた広い踊り場にたどり着く。
     見えるのは、ノイズを発しているテレビと、テーブルと椅子、そして飲み物用とテレビカード用の自動販売機、緑の公衆電話。そして最大の特徴として、この踊り場の真正面の壁は大きな窓となっている。外は夜なのか真っ暗に見える。

    ■飲み物
     お金を入れても戻ってきてしまう。
     調べると宣言、もしくは≪目星≫か≪幸運≫成功:おつりの受け取り口に500円玉が2枚ある。

    ■テレビカード
     1000円を入れればカードが1枚でてくる。

    ■テレビ
     電源がついている。画面を確かめようとするといきなりブツンと音がして電源が落ちてしまう。
     ≪知識≫か≪アイディア≫成功:入院部屋で見た付属機械があることから察するに、このテレビは病室と同じタイプで、なにも映らなくなったのはテレビカードの利用度数が尽きたようだと気がつく。
     テレビカードを投入:通常はニュースやワイドショーが流れている主要部が砂嵐。脇に院内案内がある。そして文字が乱れていて読みづらいが砂嵐の上に『たすかりたいならきゅうきゅうしゃをよべ』と書かれていた。それも読み終わるとブツン、とまた電源が切れ、今度は一人でに動き出し、文字は消えて砂嵐だけとなってしまう。
     ≪目星≫か≪アイディア≫成功: 『戸羽総合病院』と書かれているにも関わらず、消灯時間が0時となっており、通常の病院の時間と違うことに気が付く。


     近づくと、窓の外は信じられないことに少し濁った水に満たされていることに気が付く。外に建物は見えない。近づくたびに≪幸運≫判定。

    ≪幸運≫成功:なにも見えない。

    ≪幸運≫失敗、探索者が窓の外を見たい(≪目星≫したいなど)と宣言した場合:グラーキの一部を目撃。
    描写例:下から小さな泡がぼこぼこと上がり、何かが動いた気がして目を凝らせば、最初に目に入ったのは、無数の棘。さまざまな色の混じった金属を彷彿とさせる鋭いその一本一本がざわざわと違う動きをし、動くたび、全身を震わすような音を発していることを探索者は不気味なことに聴覚ではなく、肌で感じた。
     そして次に見えたのは細い触手の先にある黄色い球体。それらは棘の下方から伸びている。目を離すことができず凝視していると気が付くだろう……ぎょろりとしたむき出しの目玉であると。
     そう認識した瞬間、心臓を掴まれるような強烈な不安感に思わず窓から後ずさる。見られていたのだ。身体だけでなく、なにか強大な力を持つ、冒涜的な未知の化け物に。吐き気と悪寒と、恐怖を本能で感じた探索者はSANチェック1D2+1/1D10+1(グラーキの一部を見たため半分の減少量)

    ≪幸運≫ファンブル(適応する場合):グラーキを目撃
    描写例:下から小さな泡がぼこぼこと上がり、何かが動いた気がして目を凝らせば、大きな生き物の姿をとらえた。……いや、あれは本当に自然界に存在する生物なのだろうか?
     ぶ厚い唇から覗かせる鋭い牙。背中にはさまざまな金属が混じったように黒光りする無数の鋭い棘が生えており、その一本一本がざわざわと違う動きをし、動くたび、全身を震わすような音を発しているのを、探索者は聴覚ではなく、不気味なことに全身で感じた。加えて頭部と思わしき上方から伸びている細長い触手の先には、黄色い球体――むき出しの目玉が探索者をジッと見つめていた。
     そこにいるのは、暗い水の底に広がる闇の中でもハッキリとわかるほどのおぞましさを持つ、冒涜的で、異質な存在。それらを理解し、ゆっくりと後ずさる。それ以上、あの強大な存在の注意を引かぬよう、慎重に。その存在が壁に遮られようとも、いまだに冷たい視線に見られていることを、探索者は忘れることができない。
     吐き気と悪寒と、恐怖を本能で感じた探索者はSANチェック1D3+1/1D20+1(グラーキの通常SAN減少量+1)

    ※七生が窓の外を見た場合は、驚いき顔色を悪くし、窓には近づきたがらなくなる(SANチェックなどは発生しない)。

    ■緑の公衆電話
    受話器をとっても音はせず、探索者がお金を入れてもおつり口から出てきてしまう。
    (下の緊急通報用ボタンを押さないと使えない。119にかけると≪門≫は開くが、何かしらの症状<服毒、出血などKPが緊急事態だと考える状態>でなければ繋がらない。詳細はエンディング参照)。


    9. 『備品●』
     壁には張り紙やポスターが貼り付けられている。階段の先、踊り場をひとつ超えて、さらに進めば、物が雑多に置かれた広い踊り場にたどり着く。
     点滴スタンド、心電計、人体模型、医療ワゴンが複数あり、物がたくさん乗っている。そして床には小柄な看護師が体育座りでいた。

    ■置いてある物
    点滴スタンド/心電計/人体模型/白い十字が描かれた赤いバッグ/毛布、タオルケット/鉗子(複数)/ピンセット(複数)/はさみ/メス(ハンドルと刃の部分の新品が複数)/注射器(新品が複数)/注射針(新品が複数 ※1)/カミソリ/赤い液体の入ったバイアル(ガラス瓶にゴム栓をしアルミニウムなどのキャップで巻締めたもの(中身はグラーキの体液))/花瓶/スリッパ(一足、これを履いている探索者が診察●に行くと相手の≪聞き耳≫+10)/ランタン/ライター/やかん/コップ/携帯電話/金づち/くまのぬいぐるみ/救急車のおもちゃ

    ※1…指名したうえで≪目星≫:注射器の針が黒光りする金属のように見える(グラーキの棘でできている特製注射針)

    ■赤いバッグ(救急キット)の中身(医学か応急手当に+1回復量上昇/中身を探索者に確認させる)
    絆創膏、滅菌ガーゼ、包帯、使い捨てゴム手袋、ビニール袋、トゲ抜き、爪切り、アーミーナイフ、液体入り試薬瓶(無色透明。≪薬学≫成功:シアン化カリウム、俗称『青酸カリ』)、ウエットティッシュ、消毒綿、サバイバルシート、裁縫セット、消毒液、テープ包帯、ネット包帯、三角巾、マスク

    ■看護師
     小柄な(日本人に見える)女性。しゃべれない。最初はうつむいているが、声をかけたり、肩を叩いたりすれば気が付く。探索者に気が付くとビックリしたような表情をして、口と手をせわしなく動かす。
     ≪知識≫か≪アイディア≫成功、もしくは≪他の言語(手話)≫を取得している:それが手話だと思い当たる。探索者が困惑しているのを見て、自身を指さし、首から下げたストラップ付きのカードホルダーを見せ、指さす。そこには『戸羽総合病院 看護部 麻木 七生』と書かれている。
     とくに指示しなければ彼女は探索者についてくる。(ステータスやRP方針は上記『主なNPC』参照)


    10.『診察●』
     壁には張り紙やポスターが貼り付けられている。足元に等間隔で並ぶ心もとない非常灯を頼りに階段の先、踊り場をひとつ超えて、さらに進んでいく。
     七生が同行している場合:踊り場につく前に服を引っ張る。そして人差し指を口元に持ってくる(=静かに、というジェスチャー)。次の≪聞き耳≫に+10%
    ≪聞き耳≫成功:下で何か動く足音がする。

     慎重に階段を一歩ずつ踏みしめて降りていくと、目の前で何かが動いた気配を感じて脚を止める。そこには人がいた。覚束ない足取りで看護師が2人、踊り場を徘徊している。まるで映画で見るゾンビのようだと感じるかもしれない。

    ■灯りを未所持の場合
    ≪目星≫÷5に成功:目を凝らすと診察机と椅子に座る誰か、そしてカルテワゴンがあるのがなんとなくわかる。一歩を踏み出すと足元が何か液体のようなものが撒かれてでもいるのか、ぬるつく。

    ■灯りを所持している場合
     踊り場の床は赤い液体が零れ落ちたかのように撒かれており、異様な雰囲気を放つ。そして徘徊する二人……いや、それは『人』だったもの、だ。ライトで照らされ踊り場の全貌が明らかになる。看護師の肌はカサカサに乾きひび割れ、所々、深緑色の苔のような染みが浮かびあがっており、樹木の幹を彷彿とさせる。だらりと開いた口と、目玉を失った眼窩の奥に水気はまったくない。動く屍。その言葉がお似合いの、異形だった。SANチェック1/1D8
     灯りに照らされ、診察机と椅子に座る誰か、そしてカルテワゴンがあるのが見える。看護師は片方は丸腰、もう片方は鋭利な長細い何かを持っており、その先端からは赤い液体がぽたり、ぽたりと零れていた。

    ■『診察●』のルール
     ◎ランタンを持っていない場合はそれぞれの技能値÷5の修正値が発生。ライターや携帯電話を灯りとして使用する場合はどちらか片方に修正値発生。
     ◎行きと帰りの≪忍び歩き≫に成功すれば物音を立てずに移動できたとする(通常、音を立てずに移動するには≪忍び歩き≫+≪隠れる≫の組み合わせロールに成功する必要があるとルールブックに記載があるが適応しない。適応する場合は事前に推奨技能内に≪隠れる≫を追加すること)。
     探索には≪図書館≫か≪目星≫の半分に成功すれば情報を取得できる。失敗した場合は≪聞き耳≫(50%)を振り、従者が成功すると強制戦闘。
     探索に失敗した場合は1度従者が≪聞き耳≫を振る(探索者がスリッパをはいていた場合+10%)。気が付かれていないなら、また再度≪図書館≫か≪目星≫の半分で振ってよい。
     探索者が両方探索する場合は≪忍び歩き≫+≪図書館≫or≪目星≫÷2+≪忍び歩き≫+≪図書館≫or≪目星≫÷2+≪忍び歩き≫
     七生に頼めばどちらか片方を探索する。

    診察机
     探索成功:『手紙らしき封書』入手
     (灯りを持っている場合、座っている人物の詳細がわかる)椅子に縛り付けられた白衣を着た男性。ぐったりしており、今の状態で危害を加えるようなしぐさはみせない。(拘束を解かないかぎりは攻撃してこない)

    カルテワゴン
     ワゴンにはたくさんのカルテが置かれている。
     探索成功:探索者の名前が書かれたタブ付きファイルを発見する。
     タブ付きファイル(『探索者のカルテ』『古びた紙』)入手。
     (七生がこちらを調べた場合、カルテは持っていかない)

    情報:
    『手紙らしき封書』

     線の整った、力強い字で書かれたこの手紙には要約すると以下のようなことが書かれていた。
    ・グラーキという神が、己の従者を増やすためにこの場所を作り出したこと。そしてあなたは選ばれてしまったこと。
    ・神の赤い体液を心臓に注ぐと従者になってしまうこと。
    ・従者となると最初こそ人間と変わらないが、そのうち骨と皮だけの化け物になってしまうということ。
    ・従者となってしまった筆者自身はどうにか抵抗していたが、ときどき記憶が飛び、その度に連れ込まれた人を従者にするために、おぞましい行為を自身が犯してしまっていること、そしてだんだんと神に精神を蝕まれていくのを理解したこと。
    ・従者は太陽の光に弱い。この化物の体質を利用し、自分と他の従者をこの階段に閉じ込めたこと(「この空間に長くいたおかげか、時間をかければある程度のものは作り出せるようになっていた。人工的に太陽と同じ光を作りだせる照明を作り、階段に設置したおかげで来る者を無差別に襲う心配はなくなった」と記述がある)。
    ・自分という存在がなくなってしまう前に、神から流れ込んでくる冒涜的な知識から習得した≪門≫を作り、この空間のどこかに具現化するよう施したこと。

     続きはまだある。

    「ある手はずを踏めば、≪門≫は開く。それであなたは助かる。ヒントは神に阻まれないよう、誤魔化してはあるが至る所で目にするはずだ。ただ注意してほしい。≪門≫を開くには一つの命を天秤にかける必要がある。方法はなんでもかまわない。備品として用意しておいた。この空間は現世のルールに囚われている。このルールを私は捻じ曲げることができなかった。本当にすまない」

     最後に

    「私が朽ちてしまえば、≪門≫がなくなってしまう。私は、化け物のまま一瞬でも長く、この場所に留まらなくてはならない。これは課せられた使命だ。もう医学で人は救えない。救う権利がない。しかしそこに救える命があるなら、私はこの使命を全うしよう」

    という文で締められ、最後に署名があったようだが水のようなもので文字が滲み、読むことはできない。

    タブ付きファイルの中身『探索者のカルテ』
     ≪医学≫×5か≪英語≫×5に成功
     住所、氏名、年齢などすべて本人と一致している。カルテなのだから、当たり前だろう。しかし探索者は茫然とする。症状や経過を記入する項目に書かれている文字……「大量出血による死亡」「病死」「自然死」「転落死」「溺死」「煙、火災および火焔による障害」「窒息死」「中毒死」など様々な死因が事細かに書かれ、すべてに訂正線が引かれている。自分は生きているというのに、不気味以外の何ものでもないだろう。SANチェック0/1。

    タブ付きファイルの中身『古びた紙』
     (カルテと一緒に)ファイリングされている薄汚れた紙。
     小さな文字がびっしりと書き込まれており、その文字は≪母国語≫……いや地球上に存在する≪言語≫なのか不思議に思うほど、見たことのないものだった。不可解なことに文字を目で追うととたんに不快感がこみ上げ、危険であると本能が警鐘を鳴らす。内容は理解できるはずもないのに、これには呪術的な何かが書かれているようだとわかってしまう
    (所持するかどうか聞く。下記『報酬』参照)


    11. エンディング
    119ED
     条件:重症状態の探索者もしくはNPCを連れて≪門≫を通る。
     KPは重症状態を好きに設定する。ショックロールの発生、ナイフを刺す、毒を飲む、頭をハンマーで割るなど。『緊急性があり、救急車を呼ぶに適している』と判断できればこのルートに進む。

     探索者が毒を飲んだ際の描写例:口に含むと苦味に加え、びりびりと焼けるような刺激が口内に充満する。吐き出そうとする衝動を抑え、飲み込むと液体と触れた食道が爛れていくのを実感する。毒の症状か、はたまた異物を飲み込んでしまった、という精神的ショックか。あなたは全身から血の気が引くのを感じる。
    (シアン化カリウム(少量)症状:頭痛、眩暈、悪心、脱力、呼吸数増加、頻脈と意識障害)

     『談話●』の公衆電話の緊急用の赤いボタンを押し119をする(携帯電話を使用するとSANチェックが発生するため注意。上記『この場所のルール』参照)と、電話の呼び出し音が聞こえ、繋がるのを待つ。すると探索者の近くでサイレンの音が突如として鳴り響く(もしこの時に『備品●』の『救急車のおもちゃ』を所持していた場合は、急に手元から大きな音がつんざき、思わず手を放してしまう)。

     音の方へと目を向ければ、どこかで見た(『備品●』にあった)救急車のおもちゃが、ランプをくるくると回転させ、本物顔負けのサイレンを響かせていた。おもちゃはひとりでに動き出し、壁にこつんと当たると、一枚のポスターが剥がれ落ちる。

     そこには壁に埋め込まれた透明度のある不思議な石がほんのりと輝いており、その優しい光を見て、探索者はそれが出口であることを確信する。
     導かれるように腕を伸ばすと、とたんに吸い込まれ、水面に落ちたような衝撃を感じたかと思えば、全身を包む心地よさと生ぬるさに、意識が微睡み始める。

    (麻木がいる場合は通っている最中、彼女は備品の一部であるため消えてしまう。
     描写例:そこで、麻木の身体がぼんやりと輝き、そして泡となってこの場所に溶けていくようにうつろぐ姿を目撃する。彼女は自身のそれに驚き、探索者に手を伸ばすが、もう触れることすらできない。やがて彼女はすべてを悟ったように笑ってから、左手を胸に置き、右手で左手の甲に円を描くようなぞる仕草(手話『おだいじに』)をして、手を振る(手話『さようなら』)。彼女は帰れない。寂しそうな笑顔に見送られ、理解する)

     そうして視界は混濁していった。

     探索者は気が付くと真っ暗な階段に倒れていた。全身が汗をびっしょりとかき、力が抜けるような倦怠感に支配されている(MP-3、SAN-2。不完全な≪門≫の使用コスト)。状況が読めず、混乱しているとすぐに見回りの看護師の発見され、事情を聴かれる。ここであの場所のことを説明すると「怖い夢でも見たのでは?」と諭される。もしくは発狂状態なら別の科への診察・入院の手続きを進められるかもしれない。
     (もし重症状態が『服毒』だった場合は、≪門≫を通っていく中で内部から毒は消えるため、症状は現れない。身体的外傷の場合はそのままのため、状態によっては手術などもあり得る。その場合は意識が戻らず緊急手術、朝に目が覚めて事の次第を聞かされるかもしれない。あちらで所持した物は全部なくなっているため注意)

     その後、探索者は何事もなく病院を後にした。
     あの病院で見たものはいったいなんだったのか……わからないまま。
     結局、この病院に「麻木七生」という看護師はいなかった。あの出来事を唯一証明してくれる人物はこの世界に存在しなかったのだ。
     病院を出た探索者は振り返り、ふと考える。
     ……あの終わらない階段に誰かが自分と同じように今この瞬間、囚われているのかもしれない、と。そして自分とは違い、その誰かは……人間として日常に戻ることは叶わないのかもしれない。
     病院に伝わる怪談は今もまことしやかに囁かれ続けている。

     探索者生還。シナリオ『おわらないかいだん』クリア。

    門の崩壊ED
     条件:椅子に縛り付けられた人物をスポットライトまで連れていく
     KPがやんわり警告するなり、七生がいるなら制止するようなそぶりを見せたのち、それでもPLが意見を変えないならそのままこのEDへ。白衣を着た人物の『緑の崩壊』によりSANチェックが発生することを忘れずに。

    描写例:絶叫が轟き、白衣の人物の身体が崩れ無へと消えていく刹那、どこからともなく、何かガラス細工がひび割れ壊れるような、か細い『パキン』という音が聞こえた。
     (見回しても辺りにそういったものはない。≪門≫が消失した音)

     ……しばらくすると辺りが歪みだした。探索者の視界ではなく、この空間自体が形を変えるように、うつろいでいるのだ。大地震にあっているように立っていることすらままならず、倒れこんで目を瞑り耐えていれば……じきに揺れは収まった。目を開けると……踊り場、息をする電灯、階段。辺りにポスター類はなく、所持していたアイテムもない。今までいた場所以上に、薄気味悪さを感じる。そして探索者は気が付いた。階段の奥から足音が近づいてくることに。
     そんな光景を眺めていると、音の正体が姿を現した。……あの、診察●にいた化物だった。目玉がないにも関わらず、看護師たちはあなたを確かに捉え、腕を伸ばす。
    探索者が逃げても、どこまでも追いかけてくる。どれほど体力があろうとも所詮は生きた人間。階段を進めば進むほど、足がもつれ、息が上がる。(このEDの場合、四方を階段で囲まれた場所にも着くことはない。永遠と階段、踊り場が続く場所に変化している)
     そんなことお構いなしで看護師たちがあなた目がけ襲い掛かるのだ。抵抗しようとも、枯れたような腕とは思えないほど強い力で羽交い締めにされ、身動きが取れない。一人の看護師が、手にある長細い棘のようなものを両の手で持ち、掲げる。明滅を繰り返す心もとない灯りに照らされ、禍々しく光るそれはあなたの心臓に付きたてられた。
    (ダメージ算出後、従者EDへ)

    時間切れED
     条件:時計が12(0)時になる

     9(探索者が2人なら6)度、階段の昇り降りを繰り返すと時計が0時を指す。その瞬間から消灯。辺りの灯りはすべて消えてしまう。

    描写例:四方を階段に囲まれた場所につく。そこで違和感を覚えた。いつも聞こえていた振り子の音……そして鐘の音が聞こえない。視線を向ければ、時計が12時……いや0時を指している。頭上で、スポットライトがバチンと大きな音を立てた。見上げるとそこにあった眩しい光は完全に沈黙している。そして気が付く。階段の灯りがじょじょに消えていっていることに。まるで闇が待っていたとばかりに襲い来るように。
     先ほどの明るさが一変し、薄暗くなってしまった階段。唯一、等間隔に設置された足元の非常灯だけが心もとなく周辺を照らす。
     そんな光景を眺めていると、背後から音がした。振り返ってみると人影。(まだ診察●に行っていないなら描写、SANチェック)
     目玉がないにも関わらず、化け物はあなたを確かに捉え、腕を伸ばす。
     探索者が逃げても、どこまでも追いかけてくる。どれほど体力があろうとも所詮は生きた人間。階段を進めば進むほど、足がもつれ、息が上がる。そんなことお構いなしで看護師たちがあなた目がけ襲い掛かるのだ。
     抵抗しようとも、枯れたような腕とは思えないほど強い力で羽交い締めにされ、身動きが取れない。一人の看護師が、手にある長細い棘のようなものを両の手で持ち、掲げる。薄ぼんやりとした非常灯に照らされ、禍々しく光るそれはあなたの心臓に付きたてられた。
    (ダメージ算出後、従者EDへ)

    従者ED
     条件:従者に長細いもの(グラーキの棘)を刺された、『備品●』のバイアルの中身を胸に打った

     『診察●』の看護師に棘を突きたてられた場合と、『備品●』のバイアルを使用した場合で少々描写が異なるが、結果従者となり探索者ロストに繋がる。


    ・看護師の棘に刺された場合

    @ダメージ算出、耐久値が0以下になった(死亡した)場合
     描写例:死を覚悟した瞬間、あなたは目の前の化物を見ていた。死を看取る看護師たちの眼窩は空洞で、そこにあなたは虚無を見る。……しかしそれも一瞬の出来事。
     ぐちゅり。胸に鋭利なそれが突き刺さる音を聞いてあなたは絶命した。……これから、神のために仕える奴隷となることを知らないまま逝けたのは、不幸中の幸いかもしれない。
     探索者ロスト。

    @ダメージ算出、耐久値が1以上残った(生き残った)場合
     描写例:死を覚悟した瞬間、あなたは目の前の化物を見ていた。死を看取る看護師たちの眼窩は空洞で、そこにあなたは虚無を見る。
     ぐちゅり。胸に鋭利なそれが突き刺さる音を聞いてあなたは絶命する……はずだった。あなたは生きていた。猛烈な痛みに身悶え、絶叫する。貫かれた部分が熱い。焼けた鉄杭を打たれたかのように、熱い。棘からなにかが、あなたの身体を侵食していくのを感じた。あなたの身体が、細胞が、悲鳴を上げる。あなたが、あなたでなくなる。それを拒もうと、もう逃げられない。
     これからあの化物たち同様、この場所に幽閉され、気の狂うような永い時を過ごすことを、今はまだ知らない。
     そしていつか思うのだ。『こんな苦しみを味わうぐらいなら、あの時、死んだ方がマシだった』と。
     探索者ロスト。

    ・『備品●』のバイアルを使用した場合
     床の文字を信じ「バイアルの中身」を胸に突き刺そうとした場合、七生がいるなら止めようとするが、それも振り払うならダメージを算出。
     上記を参考に描写。探索者ロスト。


    12. 報酬
    ■生還
     +1D10回復
    ■麻木七生を最後まで殺さなかった(死んだ姿を見ていなければ該当)
     +1D3回復
    ■タブ付きファイルの中身(古びた紙)を破棄などせず、脱出する時まで持っていた。
     あの体験をしてから、探索者の頭にこびり付いて離れない文字群がある。読めるはずがないのに、探索者はそこに記された知識を理解している。≪門の創造(不完全版)≫の呪文を入手。

    ※基本は≪門の創造≫(ルルブP289)と同じだが、新たに≪門≫を作り出そうとするたび、地球上に存在しない言語で綴られた冒涜的な知識が脳内にフラッシュバック。SAN減少(1D3)。加えて≪門の創造(不完全版)≫の呪文を知る者がこの不完全な≪門≫を使用するたびSAN+1多く減少する。この不完全な≪門≫は作成者が死亡すると消失してしまう。


    13. あとがき
     階段の踊り場は夢占いにおいて「重大な選択が迫っている」という暗示だそうです。夢といえば夢引きのグラーキ。階段の踊り場を超えていくごとに迫られる、従者になるか、否かという決断。そんなぼんやりとしたイメージから作り始めました。今では見る影もないです。
    最初はTRPGに興味を持った友人とセッションの約束をしたものの有名どころのシナリオはすべて動画で視聴済みだったので、自作してみました。

     それではよいセッションを。


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