O嬢がNYを去る。
「パッキングをしていると心が切ないの。一個一個荷物をまとめるのが、、」
胸がグッと熱くなり、ああ、わかる、とは軽々しく言えず黙って頷く僕。O嬢がNYに戻ってきたのは5年前。彼女は日本で働きながらも一度90年代初頭にNYUに留学しdegreeを取った後一旦東京の現場に戻り、再び2000年代になってNY支社に舞い戻ると言う離れ業をやった。僕の1000倍NYの隅々を知り尽くしている彼女とはいつでも会おうと思えば会える距離にいて一体プライベートで何度会っただろう。いつでもと思っていると、、、。
仕事とプライベート半々と言うのは会えるようでなかなか会えない。別件でブルックリンで担当ArtistのライブがあるのでたまたまNYにやってきたH氏と合流、セントマークスの寿司屋のカウンターのコーナーを陣取るH氏、O嬢、新任のK嬢、そして僕の4人。
NYという街は不思議な引力がある。僕もNYにアパートを借り住んでいたことがあるのでO嬢とはもしや同じ90年代の同じ時期にNYの街ですれ違っていたかもしれない。
「Senriさんが『1234』や『Olympic』を出されていた頃って私はまだ小学生でしたもの。そんな人とこうやってお寿司を食べれるなんて」「ええ、そうかあ。じゃあ僕はその頃まだジャニーズジュニアで踊っていた頃だね」「もう全く何を言ってるんですか」「あははは」