ムジュラコラム #1 最凶バグ技"デバッグメニュー呼び出し"とその最弱プロセス
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

ムジュラコラム #1 最凶バグ技"デバッグメニュー呼び出し"とその最弱プロセス

2019-07-05 21:00

    外伝ではありながらも新作ゼルダがリリースされた昨今も、未だ新技が発見され続けるゼルダの伝説シリーズであるが、また1つ、夢膨らむ大きな技が発見された。


    ちょうどほぼ同時期にスカイウォードソードで発見されたとんでもないバグ技があまりにもとんでもなくて、陰に隠れる形になってしまったのだが、ムジュラの仮面でも大きな発見が5月上旬にされていたので、せっかくの発見が目に留まるよう、拙著コラムをしたためる次第である。


    スカイウォードソードの新技についてはこちらのブロマガに解説があるので、興味のある人は以下のリンクから読むべし。


    https://ch.nicovideo.jp/sva16162/blomaga/ar1760873



    さて、本題のムジュラの仮面で発見されたという新技の話に入るが、

    リンクの所持するあらゆるアイテムを任意に書き換え入手扱いにできる"デバッグメニュー"にアクセスするという、ほとんどチートのような技が発見された。


    こちらがそのデバッグメニューの画像である。

    正確には、デバッグ機能の内の"Inventory Editor"という機能に当たる。








    ルピーやハートに剣や盾、全てのCアイテムやお面はもちろん、なんと各ダンジョン攻略後に手に入る4つの亡骸すらも書き換えて入手扱いにできてしまう。


    つまり、これを使えば全てのダンジョンを攻略せずに月へ行き、ゲームをクリアできてしまうのだ。





    説明の通り、それはもうものすごく凶悪な技なのだが、現状Any%をはじめとする主要カテゴリでは使用されていない。

    というのも、あまりにも発動までの条件が厳しいからだ。


    https://youtu.be/_bEhd55rteI


    技発見当初の解説動画。

    特定のゴロンとゾーラに話しかけた後にIndex Warp(後述)を使用してメモリを特定の値までオーバーフローさせる(動画内ではIndex Warpによる工程はチートで省略されている)ことで、デバッグメニューを表示させる。


    大前提として、デバッグメニューのカーソルはスティックによる操作は受け付けておらず、操作に対応している十字キーを有しているコンソールが必要になる。

    のだが


    N64は十字キーが使用できるが、デバッグメニューを表示するとフリーズしてしまうため使用不可。


    GCはそもそも内部データにデバッグメニューが残っていないため使用不可。


    WiiVCはデバッグメニューを表示できるのだが、十字キーが存在しないため使用不可。

    コントローラーに十字キーはついているが、Lボタンに振り当てられてしまっているせいで十字キーとして機能しない。余計なことを!


    と、主要機種が全滅でなんとも悲しいと嘆かれていたところ颯爽と現れたのがWiiUVC


    WiiUVCは、入力遅延が発生する、コントローラーのスティックに溝がないため正確な直進や方向転換ができない(ゼルダRTAではあまりにも致命的)、等々


    全くと言っていいほど使われていなかった機種だったのだが、十字キーを持ちフリーズもしないという、この技のためにあるかのような素晴らしい機種へと昇華した。

    副次的だが、まるごと保存といういわゆるQSQLが使えるのも検証にはありがたい。



    こちらがWiiUVCでデバッグメニュー表示に成功した瞬間のビデオ。




    https://twitter.com/faschz/status/1126692828526956545?s=21


    実は背景で同時に"時オカのセーブメニュー"が開かれており、これで書き換え後にセーブをしている。


    これはデバッグメニュー終了後フリーズしてしまうことに加えて、セーブした直後にすぐにリセットをしないと、デバッグメニューでの書き換え情報が反映されないためである。



    ちなみに十字キーがデバッグメニューのカーソル操作に当てられていて、スティックはこのセーブメニューのカーソル操作に当てられている。

    対象メモリの値の操作にはC入力を使用する。



    先の動画のリセット後のポーズ画面で、亡骸4つ、歌全種類、鬼神の仮面が書き換えによって入手されているのが分かる。



    余談だが、歌に関しては、先述のデバッグメニューメニューの画像を見ると、13個のメモリが用意されている。


    コレクト画面に表示される歌10種+1(カカシ)が正規の最大取得数となるが、没データとして格納されている歌2種類もこれで入手が可能となる。


    デバッグメニューによる書き換え後のコレクト画面を見ると、嵐の歌と誓いの号令のアイコンに音符マークが多重に表示されているのが分かる。

    ここに、前作時のオカリナから流用されていた没データである"サリアの歌""太陽の歌"が出現させられる。ちなみにコレクト画面でカーソルを合わせることはできない。



    どちらも演奏時に特別目新しい効果はなく、サリアの歌は演奏時に刻のカーニバル開始後のBGMが流れ、太陽の歌はリアルタイムで時間が加速する重ね歌のような効果になっている。


    https://youtu.be/DTr_DWGTwsU





    話が逸れてしまったので戻すが、このようにして、ほぼ自由自在にアイテムの取得状態を書き換えることができる大変凶悪な技の手法が確立された。


    しかし、冒頭でも触れたが、現在この技はRTAにおいては利用されていない。

    その最大の理由について触れながら、技の原理を解説していく。






    Index Warpというバグ技がある。

    ざっくり言うと、本来存在しないフクロウ像を起動することで、他の起動したことのない全てのフクロウ像へ大翼の歌でワープできてしまうというバグ技だ。


    正規のフクロウ像を1つも起動していない状態で大翼の歌を演奏すると、ポーズ画面のマップIDを大翼用のマップ画面IDとして読み込み、カーソル位置に応じて同じIDのマップにワープしてしまうという原理になっている。


    文字だけでは分かりづらいと思うので、知らない人は一度この動画を見るべし。



    https://www.nicovideo.jp/watch/sm22740419



    解説動画の最後で触れているが、この時エリア範囲外のZRにカーソルを合わせ、これをひたすら続けるとID1ずつ加算・減算させられる。


    多くの値はただフリーズするのだが、本文序盤で触れた動画のように、特定のゴロンとゾーラと会話をした後にこのIndex Warpでの値を特定の値になるまで変更させれば、オーバーフローによって全く別のメモリを参照させられ、デバッグメニューが開ける。


    その特定の値が、8057


    ほぼ8000回、ひたすら大翼の歌を演奏しなければならない。

    実時間にして33時間、この作業を行う必要がある。


    というわけなのである。




    しかしその後すぐに研究が進み、別の値でもデバッグメニューの呼び出しに必要な条件を満たすことができると分かった。


    こちらの値は-2816で、大翼の演奏回数は約1/3にまでなったうえに、ゴロンとゾーラへの会話も不要である。



    もっとも、それでも半日近くかかるのだが。





    要するに、以上で述べたようにとんでもなく時間がかかるため、RTAでこの技を使うというのは論外だと議論の余地なく結論が出てしまうわけなのだが、アイテム取得数を最小限にしてゲームをクリアするLow%というカテゴリにおいては、最低限必要なアイテムのみを書き換えて入手することができるため、このデバッグメニューを利用するのが現行の最小限クリアに必須となった。



    また、もう1つ大事なことがあり、前述の全ての方法は"海外版に於いて"の注釈がつく。

    日本版でもおそらく理論上は可能なのだが、日本版と海外版では内部のメモリが色々違っており、同じ方法ではこの絶妙なメモリの弄り加減を調整するのが難しく、需要も特にないため日本版用の方法は確立はされていない。

    再度言うと、この技は現在のところ"海外版"の"WiiUVC"限定でのみ使える技なので、半日大翼の歌を演奏し続けても悲しくなるだけなので気をつけてほしい。

    一応、操作はできないが、デバッグメニューを表示するだけであれば、WiiVC海外版でもできる。



    最後の最後まで余談を挟むが、今回メインで取り上げたアイテム取得状態の書き換えをする"Inventory Editor"とは別に、"Crash Debugger"という、ゲームがフリーズした際に使用できるデバッグモードもある。

    製作陣の隠しメッセージにもアクセスでき、これもまた興味深い。


    こちらは実機専用であるが、日本版でも使用できるので、持っている人はやってみると面白いかもしれない。


    https://twitter.com/sera18171/status/962222245895483392?s=21



    以上が、ムジュラの仮面で発見されたデバッグメニュー操作バグの紹介である。



    来年でムジュラの仮面も成人式を迎えるが、まだまだとどまるところを知らず進化し続ける本作を含めたゼルダの伝説シリーズのこれからに夢を見ずにはいられない。


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。