理想の歯科衛生士像【DHブログ - Vol.7
『負のスパイラルではなく、夢を叶える螺旋階段へ』

 私は、歯科衛生士として出来る限り臨床を続けていきたいと思っています。しかし今は、院内外研修、コンサル、講演、セミナー、執筆、ニコニコ動画、など様々な仕事もしており、一番やりがいを感じている臨床は、全体の仕事量の20%程度です。患者人数にすると月50名前後です。この方々は、ほとんどが月1回、または2ヶ月から4ヶ月に1回のメインテナンス患者さんです。

 私のミッションは、多くの患者さんと関わり、その患者さんが口腔ケアから良い生活習慣へと行動変容していくサポートすることです。そして、多くの方が、大切な仲間と笑顔で過ごして欲しいと願っています。
 しかし、私が施術できる(担当できる)患者数は限られています。当然ですよね。124時間。365日しかありません。どう頑張っても上限があります。では、どうすれば私のミッションを達成できるのか。

 それは、長岐祐子と同じミッションを持った歯科衛生士を世に送り出す事です。

 つまり歯科衛生士教育です。このミッションを達成させるために、歯科衛生士教育を充実させて、優秀な人財を育成していかなければならないのです。
 しかしながら、「教育」「育成」とは難しいものです。表面的な技術的や知識は教えることはできても、そこに伴わなければならない「本質」が伝わらないのです。世代の違う彼女らとのコミニュケーションは難しく、日々奮闘しています。サバサバとした態度やなんでも他責にする言動から、そもそも彼女たちは他人に興味がないのではないか?と思ってしまうことすらあります。

 今は、SNSやゲームが進化し、①いつでもどこでも1人でゲームを楽しむことができてしまいます。そして、②バーチャルの世界で仲間を作って何かを成し遂げることでできます。「個」の時代になりながらも「コミュニティ」を求める、そんな風潮を感じています。

 歯科衛生士教育も①②をヒントに、教育そのもののあり方を見直していく時期にきたのだと思っています。そこで、新しい歯科衛生士教育ツールになればと、ニコニコ動画【学校では教わらない『患者教育』と『行動変容』】を昨年夏に開設しました。会員数はまだまだ少ないのですが、広報活動をしながら、まずはフォローを増やしていこうと地道に動画投稿を続けています。いずれ、ニコ動から発信したオフ会も開催できたらと考えています。

 また一方で、歯科医院に行く人を増やしていかなければいけません。歯科医院に行かなければ、歯科衛生士の施術や指導は受けられるません。歯科治療が必要なのに受診しなかったり、歯のメインテナンスに通う時間を作ろうとしなかったり、また口腔ケアの重要性を周知していても『具体的に何をしたらいいの?』と、行動に移せない方も多いのではないでしょうか。

 今はまだ、一般の方向けの講演活動は難しいのですが、歯科医院の待合室を利用したコミニュティ広場『スマイルカフェ』を開催できたらと思案中です。カフェに集まる患者さんを募るには、やはり目の前の患者さんに、信頼され、満足してもらい、そして長岐祐子のミッションを理解していただくことがもっとも重要なのかもしれません。

 多くの方を良い生活習慣へ導くためには衛生士教育が必要で、衛生士教育のためには世の中を変えていかなければならなくて、世の中を変えていくためにはまずは目の前の患者さんに一生懸命にならなくては・・・なんて考え、結局ぐるりと元に戻ってきてしまうのですが、ぐるりぐるりとその輪を大きくしていきながら、螺旋階段を登っていくように1歩1歩進んでいくしかないのですね。

 子供の頃にどこまで続いているのかとワクワクしながら登った螺旋階段のように、この螺旋階段は夢に続いていると信じて、今日も頑張ります。

~素敵な私たちでありますように~
長岐 祐子