理想の歯科衛生士像【DHブログ - Vol.17】
『歯科業界の人材紹介を Win-Win 以上の関係にするために』
弊社は人材紹介業の資格を3年前に修得しましたが、残念ながら紹介業の本格的な活動にはまだ至ってはいません。そもそも歯科衛生士紹介業を修得した理由は、時代の変化とともに人材紹介業社が歯科医院に歯科衛生士を紹介することが当たり前になってきている事に、物申したいという思いからでした。
歯科衛生士の能力や特性を見極めることもなく医院へ紹介していたり、歯科医院の状況を把握せず給料や福利厚生のみを見て申し込んでいたり、ただ仕事を探している歯科衛生士を院長に紹介しているだけで、本来の人材紹介業の役割である、医院と歯科衛生士の”マッチング”が機能していないのです。
『高いお金を支払って出来の悪い歯科衛生士を雇ってしまった』と言う院長先生や、『自分勝手な院長で、職場環境も悪い歯科医院だ』と言う歯科衛生士が多く、医院側も歯科衛生士も双方の能力や特徴を理解し合うことなく、断裂した関係で終わるケースをたくさん見てきました。
さらに、人材紹介業を介してダメなら次、それでもダメならなら他の人材紹介会社に登録するなど、人材紹介会社を巡り回っているだけの悪循環のように感じてしまい、残念でならないのです。もちろん双方が良い関係になるケースもありますが、残念なケースをよく聞きます。
私は、自分が歯科衛生士としてどんな専門性を持って働いていくのかと言うキャリアデザインができるまでは、1つの歯科医院で3年から5年は働いてほしいと考えています。その間に、歯科衛生士としての専門性を見つけ、『働く意味』を学んでもらいたいのです。最初から方向性が決まっている方は、自分の描くキャリアプランの基準で歯科医院選びをしてほしいと考えています。
例えば、最初に就職した歯科医院が歯周病専門医であったり、歯科矯正専門医であった場合、そのままその歯科医院で認定歯科衛生士を修得し、10年以上あるいは定年まで働くこともできます。実際そのような働き方をしている有能な方もいます。本来はこのように、同じ歯科医院で担当患者と長くお付き合い出来る働き方が1番望ましいと私は思います。
しかし、出産や子育て、引越しなど、環境が変わることもあります。もしくは、「歯周病専門分野を極めたい」などの理由から転職やフリーの道を選択する歯科衛生士も多くいます。自分自身も経験したことだからこそ、『その歯科衛生士が目指す、専門分野の業務ができる歯科医院を紹介したい』、『歯科医院の方針に賛同して、やりがいを持って働く歯科衛生士を紹介したい』という思いが強くなり、人材紹介業の資格を取得したのです。
医院と歯科衛生士が Win-Win の関係になれば、それは患者の幸せにも繋がり、皆んなが幸せになることだと考えています。冒頭で書いたように、弊社は未だに紹介業は機能していません。ただ紹介するだけではそこらの人材紹介業と変りません。私が歯科衛生士であり、歯科医院や先生の悩みを知っていて、歯科衛生士教育にも携わっているからこそできる人材紹介をしたいからです。そのために今は、紹介出来る歯科医院の環境つくりと、歯科衛生士としてミッションを持った人財育成が急務だと考え、準備をしています。
多くの歯科医院が、院長先生と歯科衛生士が Win-Win の関係、そしてそれ以上に『パートナー』として働ける環境になることを願っています。
~素敵な私たちでありますように~
長岐 祐子
臨床に役立つ「患者教育」と「行動変容」
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