こんにちは。ゆっくり実況者の猫マグロです。535208ea1e34ad7ee97f26444857ebc640ff54a5

ニコニコクリエイターが語った怖い話特集ということで、私も参加させてもらっています。


せっかくなので、私自身が体験したとある話をしようかなと思います。



あれは、私が高校生のときなので、もう10年近く前のことでしょうか。



当時、私は某遊園地でアルバイトをしていました。



私が担当しているアトラクションはお化け屋敷だったんですが、まぁお化け屋敷といっても、人間が中にいるわけではなくて、ぜんぶが機械仕掛けだったんですね。正直、子どもくらいしか怖がらないだろうってレベルでした。



そんなある日、仕事が終わってロッカーで着替えていたら、先輩が「時間ある?」って私に聞いてきたんです。


何なんだろうと思ったら、どうやらお化け屋敷に「開かずの扉」があるというんですよ。


開かずの扉といっても、たぶん皆さんがイメージしているものとは違って、単にお化け屋敷の2階の扉です。


お化け屋敷は地下1階から2階までの3階建てなんですが、外の階段から上れる2階は当時使われていなくて、扉も閉まりっぱなしになっていたんですね。


で、先輩はその2階の鍵をスタッフから手に入れたっていうんです。


それで、2階の様子を見てきてほしい、と。



私は「じゃあ行ってきます」と答えて、まずは2階の情報を集めようと遊園地に昔からいるエンジニアさんに話を聞きに行ったんです。



すると、その人いわく、お化け屋敷はかつて有人だったというんですね。
2階はそのお化け屋敷のお化け役の人たちの控室だったと。
だけど、いつの頃からか機械仕掛けになったから、2階はどういう状態なのかわからないって言うわけです。


なぜ先輩がそんな2階の様子を見に私に行かせたかって?



実はこのお化け屋敷で、ちょくちょく女の子の霊が目撃されていたんですよ。



中は無人のはずなのに、お客さんが出てきたときに「女の子がうずくまっていたけど大丈夫なんですか?」って言われることがあって、そのままにするわけにもいかないから毎回電気をつけて確認しに行くんですが、そうすると女の子なんていないんですね。



そういうことが何度もあったから、先輩も2階に何かあるんじゃないかと思って私に言ったんでしょうね。



その夜は真夏で、暗くなってもまだ暑かったのを覚えています。



ようやくお客さんもはけたので、私はガラケーのカメラを起動し、ビデオモードにしたままフラッシュを懐中電灯代わりにつけて、歩いてお化け屋敷に向かったんです。ついでに出来心で、録画もしていました。


建物の外の階段を上って、2階に向かいます。



「開かずの扉」の前に立って、先輩から預かった鍵を差し込み、回しました。



ところが、開かないんです。



あれっ、おかしいなと思って、ガチャガチャと鍵を動かすと、やっとカチッというと音がして、扉が開いたんです。



それで気づいたんですけど、どうやら私が最初、扉を開けるつもりで回した方向が「閉める」方向だったみたいなんです。で、その後、正しい方向に回したから開いた、と。



でも、それだとおかしいんですよね。



だって、閉める方向に回して閉まったということは、私が鍵を差し込む前からもう扉の鍵は開いていたってことになりますから……。



ただ、そのときは「あれっ」とは思ったけど、深くは気にせずそのまま扉を開けて中に入りました。



2階の部屋は、正直、すごく普通でしたよ。



ブルーシートが敷いてあって、鉄骨とか木材とかが乱雑に置かれているくらいで、何の変哲もない倉庫という感じ。


しばらく部屋を見回していたんですが、そのとき奥に小さな小部屋があることに気づいたんです。



それを見に行こうとして足を踏み出したら、奥の方でサッと人影が動いた気がしました。



ドキッとして立ち止まったのですが、なんてことはない、そこにがあったんですね。動いたように見えたのは、鏡に映った私自身だったんだと思います……たぶん。



でも、なんとなくだんだん不気味になってきたので、そろそろ戻ろうかなと思いました。



その瞬間、風かどうかわからないのですが、入り口の扉がバタンっと閉まってしまったんです。



ビクッとなって、急いで扉に駆け寄り、開けようとしました。



ところが開かないんです。



べつに重い扉でもないし、鍵もかかっていないはずなのに、開かない。



焦った私は扉を蹴破って外に飛び出しました。




今思うと珍しいのですが、その扉は外開きだったんですね。




それで、後ろを振り返らずに事務所まで逃げ帰ったんです。




戻ってみると、まだ先輩や外のアルバイトが全員残っていたので、今体験した話を息せき切って話しました。



すると、「じゃあビデオを見てみよう」となったんです。




さっきお話しましたが、私はガラケーのビデオを録画にしたままお化け屋敷の2階を探索していましたから、一部始終が撮れている可能性があったんですね。



それでビデオを再生してみたら、途中まではそんな大したものは映っていませんでした。



問題は最後。



ドアを蹴破って外に飛び出したとき、ちょうどガラケーのカメラが部屋の中に向いていたようで、その瞬間の部屋の様子が映っていたんですね。



急いで飛び出たので、カメラもぶれぶれでよくわからないのですが、



明らかに部屋の中に、青い色の女が映っていたんです……。




顔色が悪いとかでもないし、絶対にブルーシートの見間違えでもありません。




間違いなくあれは、青い女でした。




……怖い話はこれで終わりですが、ちょっとした後日談があるんです。



しばらくして私は遊園地のアルバイトもやめたのですが、縁あって3年後くらいにもう一度、その遊園地で働き始めたんですね。


そのとき売店のお姉さんに「お化け屋敷2階の開かずの扉と、そこでアルバイトが見た
青い女の霊」の話をされて、それ私のことじゃん! と(笑)。


どうやら、数年にわたってその話が語り継がれていたみたいです(笑)。



そんなお化け屋敷も、今はもう取り壊されてなくなってしまったそうです。



あの部屋は何だったのか、あの扉はなぜ開いていたのか、そして青い女は何だったのか……今となっては知るすべはなさそうです。



少しだけ残念なような、ホッとしたような……。


青い女もチェックする!?猫マグロさんの動画・生放送をもっと見る
猫マグロブートキャンプ