あの日はジメッとした夏の夜でした。

 駅から自宅までの道沿いに古い自販機があるのですが、その時やけに喉が渇いていたこともあり、その自販機でペットボトルのドリンクを買いました。

 ボタンを押すと、「ガタン、ガタン」と2つ物が落ちてくる音が聞こえました。

 「ん?」と思って取り出し口を開くと中には2本のペットボトルが…。

 私はラッキーと思って2本とも取り出し、1本はカバンにしまい、1本を一気に空け、グビグビ飲みながら帰宅しました。

 次の日、もう1本のペットボトルを飲もうと思い、カバンから取り出し、キャップを開けようとしたときに違和感を感じました。

 そのペットボトルの中に、真っ黒い長い髪の毛が何本も浮かんでいたのです。

 あまりの気持ち悪さに私はその場でそのペットボトルを捨てました。ただの不良品だったとは思えません…。