ろう人形を作っている人と知り合いになったことがあります。

 その人は特に芸術家とかそういう人ではなく、あくまで職人(と自分で言ってました)。

 そんな彼が言っていたので記憶に残っているのは、「ろう人形を作っていて怖いのが、本当にうまくつくれた時」だそうで、本当にうまく作れた時は「魂が入った気がする」だそうで、

 作っていく途中からどんどん魂が入っていって、最終的には作らされている気分になる、と。

 『「ここをもっと削れ」とか「ここをもっと色合いを強く」とか耳鳴りのようなものが聞こえたときには本当に怖い』と言ってました。

 これを聞いてから「ろう人形館」みたいなのには行けなくなりました。