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優しいやまんば 市原悦子のことば 最終回 沢部ひとみ 「いいことだけ考える」
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優しいやまんば 市原悦子のことば 最終回 沢部ひとみ 「いいことだけ考える」

2019-10-10 05:00
     二〇一八年の春、市原さんはNHKの『おやすみ日本 眠いいね!』の朗読を再開したり、宮沢賢治の『よだかの星』の朗読を引き受けたりと、仕事への復帰に意欲を燃やしていた。
     最後の一年間、自宅でのリハビリを見守った理学療法士の大沼晋太郎さんは、市原さんの頑張りに驚いたという。
    「最初は左足の踝(くるぶし)が固まってしまっていて、歩くのは無理だと思いました。でも、なるべく足の裏を床につけて、地面に触る感触を取り戻すようにしてもらったら、少しずつ足首が動くようになったんです。手すりにつかまって立つ練習をしているときに、おどけてお尻をフリフリしたり、お茶目な方でした」
     しかし、体調は秋を境に下降していった。
     自分がいちばんそのことをよくわかっていたのだろう。十一月半ば、街路樹が紅葉した葉を落としていく頃、自身を流れに浮かぶ枯れ葉に喩え、「まだ水底に沈んではいないし、少しはきれいな枯れ葉だけど、若いころはあんなに身体が動いて活躍もしたのに、どうにもならないものね」とこぼしたこともあった。
     盲腸炎を起こして入院したのはその十日後である。
     
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    最終更新日:2020-04-03 18:00
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