旧作邦画のソフト化に関わる各レーベルは、配信全盛の現状において厳しい状況にある。それでも、そうした中で決して折れることなく、コレクターズアイテムに足るような充実したパッケージ作りに勤しむレーベルも少なくないことは、前回述べた通りだ。
 その名の通り新東宝作品を出し続ける「新東宝キネマノスタルジア」も、奮闘中のレーベルの一つだ。新東宝はただでさえ旧作邦画でもニッチな存在。その上、そんな新東宝であまり知られていない作品も含め、このレーベルは熱心にDVD化している。そのため、かなり厳しい戦いをしていると考えられる。だが、たとえ商品として難しそうな作品であっても、パッケージや画質も含めて手抜きはない。
 今回取り上げる『太陽と血と砂』は、「~ノスタルジア」が昨年DVD化している。 
週刊文春デジタル