去年、何かの会食の流れで行った西麻布のラウンジにて。隣についた若い女性がおもむろにこう言った。
「私、麻雀プロの試験受けるんですよ」。へー、それは話が合いそうだ。ということは、当然私のことも知っているだろう。「じゃあ俺のこと知ってるよね?」「え? ごめんなさい、知りません」。
 おかしいな。この子は本当に麻雀プロを目指しているんだろうか。数年前まで私は麻雀番組に雀士としてたくさん出ていたし、『麻雀最強位』のタイトルも獲ったことがある。それに、今や多くのプロが目指す夢の舞台である『Mリーグ』の創設者で、チェアマンである。麻雀関係者の中にはMリーグを創った私のことを、「神」と呼ぶ人がいるほどだ。 
週刊文春デジタル