人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
 ま、それはさておき“三十三年後の約束”が迫っているのである。
 下の写真は右が、いとうせいこう氏(当時31才)で左が、僕(当時34才)。共著である『見仏記(けんぶつき)』、その本のラストで二人はおかしな待ち合わせをしていた。
“三十三年後の三月三日、午後三時三十三分に三十三間堂の前で会いましょう”
 この気の遠くなるような約束は半ば冗談であった。 
週刊文春デジタル