大阪・関西万博がらみのいろいろを見てると70年の大阪万博(EXPO’70)がすべての不幸の始まりなんではないかと思えてくる。あれがあれほどの成功を収めてしまったための万博幻想。その後の『国際花と緑の博覧会』(大阪)、『愛・地球博』(愛知)の2つに実際行きましたけど、どっちもひどかったですよ。しょぼくて。花博のソ連館は安普請の会議場みたいで、展示の目玉は「宇宙ステーションに乗せてもらって宇宙遊泳もしてきた『花ずきんちゃん(花博のマスコットキャラ)』」という体たらく。大阪万博のソ連館の偉容を思い出して涙をぬぐった。『愛・地球博』の目玉は冷凍マンモス(の死体)であったが、暑い中1時間以上待たされてやっと入ったマンモスの館。さんざん前説を見せられてやっとたどりついたマンモス、私は最後までそれがマンモスと気づかずに建物を出てしまってガクゼンとした。 
週刊文春デジタル