家庭を平和に保つことがいかに大変なことか、皆様お分かりのことと思います。市会議員に立候補したこの木田君もその一人です。

 彼が身を粉にして働き、夜遅く家に帰ると、彼の妻は家が狭い、ほしい宝石が買えないなどと愚痴をこぼし、そのたびに彼は謝りました。奥さんは友人との高級ランチなど、贅沢を尽くした挙句、男を作って家を出て行ったのです。

 これはときどき見られる出来事かもしれませんが、その後が違います。離婚を告げられたとき、彼の目に涙はありませんでした。むしろ喜んだのです。妻の愚痴から解放されたからではありません。喜色満面でこう言いました。「やっと妻を幸せにすることができた」と。結婚式で「幸せにする」と誓ったことをずっと気に病んでいたのです。

 しかもこのとき彼は愛人を3人もち、それぞれにマンションを買い与えていたのです。いずれも、酔った勢いで「幸せにする」と言った女性です。これほど自分のことばに責任をもつ人がいるでしょうか。 
週刊文春デジタル