4月14日、エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領がホワイト・ハウスを訪れた。

 自称「世界一クールな独裁者」ブケレ(43歳)はジャケットの下はTシャツというラフなスタイルだったが、トランプの閣僚たちはウクライナのゼレンスキー大統領に対してのように「ネクタイ無しとは失礼だ!」なんて叱りつけることもなく、和気あいあいと迎えた。

 なぜならブケレは、トランプがアメリカで逮捕した未登録移民など約250人をエルサルバドルの巨大刑務所CECOT(チェコット)に引き取ってくれたからだ。

 CECOTは「テロリスト収容センター」の略。2023年にブケレが建設。収容されているのは4万人近く。窓は無く、ベッドにはマットもない。日課のほとんどが強制労働で自由時間は日にわずか30分。食事は1日2食。更生よりも懲罰が目的の刑務所なので、何人もが獄中で死亡する。ブケレは2019年の大統領就任以来、8万人以上を逮捕して、こうした刑務所に閉じ込めている。

 しかし、トランプがアメリカで逮捕した移民はほとんどベネズエラ出身。それをエルサルバドルの刑務所に送るっておかしくない? 
週刊文春デジタル