5月9日、ロシアで第二次世界大戦の対独勝利から80年を祝う式典が行われた。中国の習近平国家主席やブラジルのルラ大統領など20カ国以上の首脳が出席。このイベントをウクライナ戦争の勝利のために利用しようとしたのが、ロシアのプーチン大統領である。

 モスクワの赤の広場で行われた軍事パレードでは、習氏が胸にロシア軍の象徴である聖ゲオルギーリボンを着けていた。これまで、戦争とは距離を置いてきた習氏だったが、戦争支持に一歩踏み込んだ。

 習氏の席順もまた象徴的であった。習氏はプーチン氏から見て右に座っていたが、家父長制の強いロシアでは、主人の右が長男の座る席とされている。さらに、献花などのイベント時にも必ずプーチン氏の右側を歩くようセッティングされていた。ロシアが最も重要な人物として、習氏を扱ったことがよくわかる。 
週刊文春デジタル