塩野義製薬は5月7日、日本たばこ産業(JT)の医薬品事業を買収すると発表した。JT傘下の鳥居薬品をTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化するほか、JTの医薬事業なども譲り受ける。買収総額は約1600億円となる見通しだ。
「塩野義の連結売上高は約4350億円(昨年3月期)。コロナ禍では、初の国産飲み薬『ゾコーバ』を開発して注目を浴びました。取り扱う医薬品の9割超が医療用で、主力は高脂血症治療薬、抗生物質、癌性の疼痛治療薬です」(製薬関係者)
ただ、この買収劇には意外な面もある。実は、塩野義は「『絶』煙宣言」を発出するなど喫煙ゼロを徹底している会社。なぜJTの子会社を手中に収めるのか。
