NHKの『未解決事件』を初めて見た時は震えた。グリコ森永事件で、途中の再現VTRの中に出てきた「大津サービスエリア」が、まさに昭和のサービスエリア感をものすごく再現していて、その「犯罪が起きた空気感」みたいなものを画面からビンビンに感じさせ、「どんなホラー映画よりも、犯人が捕まってない凶悪事件のほうが怖い」と思わせた。
……のだが、この『未解決事件』も回を重ねるうちに、初回の衝撃は薄れる。根本的問題として、「未解決の事件」だから「犯人はどこに」という問題が生じる。そこをどうするかといえば、「関係者が推理する」しかない。その部分になるといきなりリアリティがガタッと下がって作り話っぽくなる。「裏を知ると称する人物が出てきて、ホシはアイツだ……とか吹きまくってる」だけじゃねーか、となるのだ。以前放映された「スーパー・ナンペイ事件」の回も、なんだか「コイツが犯人だ」って名指しされてたが、ホントかよ。もう、犯人の推理はいいから、ただひたすら事件についての事実を詳しく再現してくれたほうが怖くていい。