昔、銀座二丁目に椀やという、ちょいと高級めの居酒屋がありまして、僕は学生時代、二年ほどそこでアルバイトをしてました。毎週土曜日に落語会を開いていて、時給を貰いながらプロの話芸を堪能できるという、落研の学生にとっては願ったり叶ったりのバイト先で、当時の前座さんとも何人か知り合いになりました。卒業後は書店に就職、一年半勤めて退職ののち、フリーターとしてまた椀やに戻って、師匠さん喬に入門が叶ったのは、二十五歳の終わりの頃でした。おい椀やの若い衆、回り道したなぁって、楽屋の先輩にからかわれましたっけ。あれから干支が三回りしました。懐かしい思い出です。