11月22日(土)

 ゆとり世代ではないので、ゆとりと聞くとユトリロ。何だかやけに寂しそうな街の絵が先ず浮かぶ。

 小学生の頃、うちの応接間にもそんな絵が掛けてあった。額縁にこそ入っていたがもちろん複製品。『開運!なんでも鑑定団』に出そうものなら一笑に付されてしまう印刷物。

 それに応接間といっても和室に絨毯を敷き、無理矢理洋風に見せ掛けた六畳間。長い釘で止めてある絨毯の端がよくめくれ上り、パンチラならぬ畳チラしてた。そんな和洋折衷応接間にも飾りたいほどユトリロの絵は昭和の必須アイテムだったのだろう。当時の僕は全くグッとこなかったけど、一度くらい本物を見ておいてもいい。ちょうどSOMPO美術館で『モーリス・ユトリロ展』をやっていたので足を運ぶことにした。 
週刊文春デジタル