12月14日、映画監督のロブ・ライナーが亡くなった。
ライナーの作品でいちばん知られているのは『恋人たちの予感』(1989年)だろう。ニューヨークが舞台のラブコメで、メグ・ライアンが「女は男と違ってイったふりぐらいするのよ」と、デリでオルガスムスを演じるのが名場面。ウェイターに「彼女と同じのちょうだい」と注文する老婦人はロブ・ライナーのお母さん。
ライナーの父親はテレビ黎明期の伝説的コメディアン。ライナー自身もテレビのコメディ作家を経て架空のロックバンドの偽ドキュメンタリー『スパイナル・タップ』(1984年)で監督デビュー。ボーカルがバンドを捨ててソロになったり、ドラムが次々に死んだりのロックバンドパロディ尽くしで笑わせる。
その後、ライナーはあらゆるジャンルに挑戦した。『ミザリー』(1990年)はスティーブン・キング原作のホラーで、ベストセラー作家が熱狂的なファンに監禁されて飼育される。作家が足をへし折られるシーンでは今はなき有楽町みゆき座の満員の客席から悲鳴が上がった。