12月14日(日)

 久しぶりに閻魔堂が見たくて、新宿2丁目にある太宗寺に行った。

 このお寺には何度か取材で訪れ、堂内に入れて頂いたことがあるが、ふだん扉は閉め切られてる。だから、その格子戸の透き間から中を覗く際、板に取り付けてあるボタンを押す。すると、中の照明が付き、大きな閻魔像と左脇にいる、これまた大きな奪衣婆(三途川で亡者の衣服を剥ぎ取る老婆の鬼)の姿を見ることが出来る。

 とはいえLEDではなくなつかしの蛍光灯。でも、その薄ぼんやりなのが、また地獄味が出てとてもいい。

 閻魔像の横に大きなペンチのようなものが立て掛けてあるが、これは日頃から嘘をよくつく者にはすぐピンとくるだろう。閻魔が嘘つき亡者の舌を抜く際、使用する恐怖の器具である。

 思うに、これではデカ過ぎて人間の小さな舌はかえって抜き難そうだが、それはあくまで看板だ。当然、地獄も昔と違ってハイテク化が進んでいる。

 もしや、閻魔さんすらAIさんに職を追われてるかも知れないな。そんなことを考えながら寺を出た。 
週刊文春デジタル