自宅のテーブルの上に、小6の息子の書きかけの作文が置いてあった。時期的にみて卒業文集用であろう。字の汚さも遺伝するのか、私に似てミミズが這うような字で読みにくい。しかしながら、新約聖書の「汝、隣人を愛せよ」という言葉から学んだ話を書いていて、なかなか良かった。そして、将来社長になりたいと言っている息子にとって、大事なところに気がついたなと感心した。なにしろ、「自分を愛するのと同じように、他人も愛しなさい」という教えは、リーダーにとって、最も簡単に人心掌握できる手段でもあるからだ。

 あまり良い例え話ではないんだけど、ネットバブル崩壊後、混乱している時期に、社内でクーデター騒ぎが起きたことがある。

 ある日、私が呼び出されて円山町のカラオケルームに行くと、幹部社員たちがずらりと並んでいて、「ここにいる全員、役員の○○さんにはついていけません」と訴えてきた。 
週刊文春デジタル