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記事 2件
  • 春日太一の木曜邦画劇場 第351回「本心を隠して悪役を被る三船敏郎がとてつもない」『日本のいちばん長い日』

    2019-08-29 05:00  
     引き続き「司令官役者」としての三船敏郎の話だ。ラストとなる今回は、『日本のいちばん長い日』を取り上げる。
     太平洋戦争はいかにして終結したのか。その様子が刻一刻と時間を追う形で描かれる。
     本作で三船が演じたのは阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣である。多視点で描かれた群像劇における、主人公の一人でもある。
     本作を撮った岡本喜八監督は阿南の位置づけを《忠臣蔵における吉良上野介と大石内蔵助の両面をもったキャラクター》としている。 
  • 春日太一の木曜邦画劇場 第350回「三船ならではの大らかさ 人間味あふれる司令長官」『連合艦隊司令長官 山本五十六』

    2019-08-21 05:00  
     前回述べたように、三船敏郎といえば「サムライ」が代名詞だが、それだけでなく軍人役もまた、そのキャリアを語る上で欠かせない。
     特に司令官を演じる際の、どっしりと構えた泰然自若な「静」のたたずまいが醸し出すリーダーとしての器の大きさや信頼感は、三船という並外れたスケールをもつ役者ならではの表現といえる。
     だからといって、ただひたすら厳然とし続けているわけではない。時おり見せる、なんともいえない人間くささ――そのチャーミングさもまた、大きな魅力となっている。
     今回取り上げる『連合艦隊司令長官 山本五十六』は、まさにそんな三船の姿を堪能できる作品になっている。