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  • 《ノーカット4000字》張本勲インタビュー「私はなぜ佐々木登板回避に喝を入れたのか」ダルビッシュ“シェンロン発言”から、差別や自殺を乗り越えた青春時代まで

    2019-08-03 05:30  
    選手ファーストっていうのは何だよ
    ――大船渡高校・佐々木郎希投手の登板回避に賛否両論の声が上がっています。

    「賛否両論じゃないだろう。スポーツにはね、絶対的なものはないけども、これは登板させなきゃ。登板させない理由はなんだよ。”選手ファースト”っていうのは何だよ。将来って何の将来? 反対している人の意見を聞きなさいよ。登板させないで何のプラスがありましたかと。肩を休める? ケガをしなかった? 誰が予想するの。医者じゃあるまいし。投げてもっと肩が強くなったかもわからんじゃないの。
     他の学校のピッチャーどうしたの。星稜のピッチャーなんて、連投で決勝戦まで投げて優勝して、どれだけの喜びがあったの。反対している人の意見をききなさいよ。何のプラスがありましたかと。プラスはなにもないよ。私が投げさせろと言ってね、意見はいろいろありますよ。どんな意見でも。一般の人もいろいろな意見を言いますよ。今の世の中、白を黒と言う人もいるんだから。
     ただ、野球をやっているやつらがね、巷のチンピラみたいな発言しちゃダメですよ。やっぱりね、誰が一番大事かと言ったら、佐々木君が一番大事でしょう。みんな思っているのは。
     佐々木君を一番大事に思っているんなら、やっぱり先発させなきゃ。なぜ? あの緊張した決勝戦で投げさせて、その経験、あるいは前日に129球投げた疲労も残ってますよ、その精神力とか、その中で耐える気持ちは将来のプラスになりますよ。前も言ったように松坂なんかは延長17回で250球も投げているんだから。2、3日後には完封して、それで大成しているんだからね。
     佐々木君に対してプラスはなにもないじゃないの。今回ばかりははっきりしているんだけどね。賛否両論じゃない。『否』だけですよ。文句あったら私の前に来なさいよ。全部説明してあげるから」
    ――佐々木投手の能力については?
    「これはありますよ。だから登板させてやるべきだったんですよ。将来、大変な素質がある選手ですよ。決勝戦の経験がなくて、これで精神的に鍛えられなくて将来ダメになったら誰が責任取るの? 
     だからやっぱりね、ナインに対しても失礼じゃないの。3年間、必死に苦しい練習に耐えてね、甲子園というのは球児の夢なんですよ。一生に一回しかないから。1年の野球部員も見ているんだから。
     これは監督はまだ32歳で私より子供だから、責める気は全然ない。アメリカでちょっと野球をやっていた人だから。監督を責める気はさらさらないんだけど、やっぱり今回は決勝戦に先発さすべきじゃなかったの。90%みんなそう思ってますよ。残念でしょうがない今回は」

    自分がいい人間だと思われたいから言っているだけの話
    ――佐々木投手だけでなく甲子園はナインの夢でもありました。
    「やっぱり全国のファンは甲子園で彼の勇姿を見たいじゃないの。私が一番言いたいのは、佐々木君のことを思って言っているわけよ。あの緊張した決勝戦なんてなかなか経験できませんよ。そういうのを経験してみんな大投手になっているわけだからね。