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記事 48件
  • 近田春夫の考えるヒット 第1156回「きよしが“明治座感”を出さず世界基準のフロア感を出していた」

    2020-08-06 05:00  
     いつの間にかCDが配信/データものに取って代わられつつあるこの時代にひとつ実感するのは、シングルという概念のますます古臭くなっていっていることだろう。その先に待っているのが、果たしてチャートの陳腐化なのかどうかはまだ何ともいえないが、ネットなどで見て、面白いなと思った楽曲が、実はシングル盤にはなっていないというケースが増えたのはたしかだ。
     そうした状況と関係があるのかどうかはともかく『キニシナイ』もシングルになっていない。残念なことである。
     ある日TVをつけたら、氷川きよしの最新MVが話題だった。なんでも本人のディレクションで、iPhoneで撮影が行われたのだという。それは興味深い。どんな感じなのかいなと待っていると、動画が始まった。そしたらば、絵も音もやたらとカッコいいのである。それで、これはてっきり次のシングルなのだろうと、早とちりをしてしまった。
     この頁には、始まって以来、取
  • 近田春夫の考えるヒット 第1155回「きっと米津玄師は呟いている『今、勝てるヤツは居るまい』」

    2020-07-30 05:00  
    『感電』……。
     曲タイトルをネット上に見つけた途端、是非とも聴いてみたいという気持ちに駆られたのは、『低温火傷』(2018年)以来のことだろうか。
    『股旅’78』に『君は人のために死ねるか』e.t.c.……。振り返れば、題名の強さに惹かれチェックせずにはおれなかった曲も過去には多々あった。が、それらの場合、ほとんどは、歌い手の存在的な意味との兼ね合いに於いて、一体どうなっているのかね? といった下衆な興味も強くあってのことだったとも思う。まぁ、そういってしまえば、今回も、米津玄師だから! の好奇心ゼロではなかったとは思うが、そんなことよりなにより、どのような楽曲が待っているのか? 予想のつかぬものがこのタイトルにはあった。そちらの方が大きい。
     いずれにせよ、これまでの米津玄師に、これほど“危険なイメージ”を喚起させる題名はなかったと思うのである。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1154回「他の異世界を席巻するkpopの勢いをBLACKPINKのシンセにも感じた」

    2020-07-22 05:00  
    “音のタフさ”とは漫然としたいい方で申し訳ないが、昨今kpopといった時、まずアタマに浮かぶのがそのコトバなのである。殊に女性アイドルに思うところが多い。
     少し前の、韓国特集企画で、金成玟(キムソンミン)北大准教授と対談をしたときも、俺はそんな感じで考えを述べていたと思う。
     今週取り上げることとなったBLACKPINKにしてもそうだ。我が国のシーンでは、超のつく大の人気者とはいえないのかも知れないにせよ、デビューして間もなくの頃、耳の確かな友人に音を聞かされて以来気にかかる存在となり、アップされた動画のチェックも結構したりしていた。その都度、日本のアイドルにはなかなかこの感じが出せないんだよなぁなどと思っていたのだが、それこそがまさに今いった“音のタフさ”ということになろうか。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1153回「ドリカム吉田美和を支えるゆるぎなき土台・中村正人」

    2020-07-16 05:00  
     先ずはお詫びから……。
     先週の原稿ですと、担当の若者の年齢が50歳を越してしまう計算になってしまいます。実際には、オフコースの時代にはまだ若者は生まれておりませんでしたぁ。ゴメン。
     ところで、え! これドリカムなの? ネット上に上がっていた新曲の再生を始めた途端、マジで、読み込み間違えをしてしまったかと思った。
     私にとっては、ドリカムというと、ソウルやディスコ、フュージョンといったジャンルに、日本人好みの味付けを施した独特の“作風”で、ひと時代を築いた後も、どこか“洋楽的な匂い”を漂わせることにこだわりを持ちながら活動し続けてきた人たち、といった印象がある。一聴しただけで必ずそれとわかる“カラー”があったのだ。
    『YES AND NO』のイントロには、そうしたかつてのドリカムの音作りには見受けられなかったような、方向性への柔軟な対応が感じられた。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1152回「ニューミュージック風だけど今時な女性のキャラなセカオワ」

    2020-07-09 05:00  
     セカイノオワリの新曲がちょっと懐かしかったんですよね、と担当の若者。印象がどこかオフコースの時代っぽいのだとか。そこで聴いてみると……ウームなるほど。
     そおかぁ、このあたりの感じが懐かしいんだぁ! 実感させられたのは、若者との世代の違いのことであった。
     私などは、懐かしいというとき、せいぜいが'70年代いっぱいぐらいまでだろうか? そこからこっちは、もう、大体全部今の音楽の範疇に思えてしまい、郷愁を覚えることがあまりないのだ。
     オフコースは、'70年代から活動はしていたが、大ブレイクしたのは'80年代である。そんな時代に多感な時期を過ごした世代には、オフコース/小田和正はきっと思い出深いものなのだろう。てか、それより昔の音楽は、リアルタイムでは聴いてないんだもんね、歳まわり的にそもそも。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1151回「ケンヂとタミオ。クセの強いアニメコラボの違いが面白い」

    2020-07-02 05:00  
     奥田民生に大槻ケンヂと、クセの強い男たちが、こぞって申し合わせたかのように、アニメもののリリースである。
     アニメというと子供相手の商売とばかり思っていた私だったが、担当の若者によれば、今や支持層の高齢化も進み、丁度この二人あたりの年回りのロックミュージシャンに憧憬を抱く世代がアニメをしっかりと支えているのだとか。
     大槻ケンヂなどは既に'07年より『さよなら絶望先生』OP曲等々、色々歌ってきていたんだそうだが忘れていた。
    『愛がゆえゆえ』もその同じ原作者の『かくしごと』とのコラボ企画らしい。ちなみに、表記にある、めぐろ川たんていじむしょは、アニメ登場の女の子たちとのことだ。
     一方の奥田民生もどうやらアニメ経験者のようである。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1150回「踊りもラップも達者にこなす“和のテイスト”な超特急」

    2020-06-25 05:00  
     俺はヒップホップに関しては、いわゆるオールドスクール、すなわち“パーティーラップ”の時代から、結構関心は持っていた方だと思う。
     というのも、その、メロディを重用(ちょうよう)しない、喋り口調をそのまま音楽に乗せるというアイデアが、口語日本語の持つ――例えば英語表現と比較した時――どうしてもイントネーションに縛られてしまう構造的特性や、音節と情報量の関係に、当時結構不便を感じていた“ロックミュージシャン”にとっては――朗報とはオーバーだが――一種突破口とでもいおうか、ヒントを示唆してくれる方法論にも思えてならなかったからである。
     とはいえそれは“ラップ”というアートフォームの持つ、技術論的な側面への興味にとどまるレベルの話ではあった。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1149回「いまや配信楽曲優位時代! そのヒット曲の共通項とは」

    2020-06-18 05:00  
     我が国では今ひとつ伸びぬ、といわれ続けてきたサブスクリプションだが、背景には、仕組みなどがイマイチ理解しづらい/分かりやすい説明がなされてこなかったという現実は、たしかにあったと思う。それってストリーミングと意味は一緒なのよね? とか。いやホントよマジな話。殊に高齢者になればなるほど、チンプンカンプンなことは請け合い(私がいい例だ)だ。
     サブスクてぇのは、結局俺のような“小規模音楽家”にとっても、ありがたいシステムなのだろうか? 個人的に一番知りたいのはそこなのだが、業界の知り合いの人たちに尋ね回っても、あんまり色よい返事は返ってこないし。
     なんとなく理解しているのは、それがCDのように“物理的に固定化された商品”ではなく、あくまで“データでしか存在しない音源”の商売らしい、ということである。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1148回「大人数ガールズバンドのコイロカ 演奏している動画を検証してみた」

    2020-06-11 05:00  
     女子アイドルは未だに進化し続けている? のかどうか。実は俺にも正直なところはよくわからない……。
     ところでザ・コインロッカーズだが、なんでも当初、ガールズバンドプロジェクトを謳い文句にかかげていた頃にはメンバーが41人もいた! とかで、一体どんなステージだったのかいなと想像すると、もうそれだけでアタマがクラクラしちゃいますよ。'20年になり13人体制に落ち着き、宣伝文句もガールズバンドアイドルとなったそうだが、そうだとしても相当な大所帯であるのに変わりはない(私も過去に12ピースのバンドをやっていた経験上いえるのだが、それは仕切るにも結構大変な人数なのである)。
    『僕はしあわせなのか?』の動画を見てみると、ドラムやキーボードの担当が、複数人存在していることが確認出来る。ではそうした人員構成で演奏の繰り広げられることの必然性が、編曲等に反映されているのかと問われると、何ともいい難いものもある。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1147回「一度聞いたら逃れられない。瑛人のDOLCE & GABBANA」

    2020-06-04 05:00  
     インディーズの配信曲が史上初! 各種チャート1位!と話題騒然(?!)の『香水』だが、そのあたりの社会学的考察などは専門家にお任せするとして、私は楽曲それ自体に着目してみたい。
     タイトルから、まず一応イメージなどを膨らませてみた。想像していたのは、媚薬とか誘惑とか、そんなコトバの似合いそうな、どちらかといえば“濃密”でセレブなムードたっぷりな、OL系女子向け(?)の、小洒落た夜のお伽話的jpopだった。
     それがところが蓋を開けてみれば、まったくもって予想とは違う世界が待っていた。いってみれば、まさに“モラトリアム感が目一杯に漂う男の子”が主人公の、いわゆる“青春譚”だったのだ。