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記事 19件
  • 近田春夫の考えるヒット 第1174回「King Gnu・常田大希の歌詞には『活字を見る愉しみ』があった!」

    2020-12-17 05:00  
     一口にjpopというが、そこに全体を通じての“一貫する何か”はあるのだろうか?
     例えば今週の二組である。片や、芸大でチェロを学んだ男の率いるロックバンド。一方は韓国で培養された女子のグループと、出自ひとつとっても両極端といっていい。
     そこで両者の曲調に似たところを探したが、やはり歌詞が日本語なぐらいで、他には何もないようにさえ思われた。
     すなわち、双方第一義とは自ずから「日本語との親和性の良さ」を目指すことなのかどうかはさておき、jpopとは、スタンスはともかく、それぞれが海外ではなく日本語圏に市場を定め戦略を展開する商品なのだと。誰の目にも明確なのはそこだけだろう。
     ところで言語と音楽傾向の関係性については、ジャンルは同じく“歌劇”といえど、ドイツ産とイタリア産では舞台から受ける印象も随分と異なることからも分かるように、コトバは思った以上に影響を音に及ぼすものなのである。
    『千両役者』を再生すると、耳に飛び込んでくる歌詞――全編聴き取りは私には無理でした――の断片、その意味や音響が、旋律や和声との相乗効果もあり、イメージ/光景を、脳に突きつけてきた。
     これぞ、普段から日本語で生活をしている我々こそ味わうべき“醍醐味”に他ならぬ。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1173回「スターダスト☆レビューとHYDE どちらの曲も『ロック』なのだが…」

    2020-12-10 05:00  
     オリコンにはデイリーシングルランキングというものがある。ちなみに今週取り上げるHYDEの『LET IT OUT』は11月24日、スターダスト☆レビュー『はっきりしようぜ』が25日と、それぞれが同じく4位につけている。
     今の時代は昔と違いランキングを構成する要素も複雑だ。また音源全体(の売り上げ)を取り巻く状況も、かつてとは大分様子が変わってしまった。チャート順位の読み方/解釈もなかなか難しくなってきている気がする。例えばこの4位である。果たしてすごいのか、すごくないのか? 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1172回「TWICEとNMB48の新曲を聴き比べ JとKの音作りの違いが明らかに!」

    2020-12-03 05:00  
     NMB48にTWICEと、日韓女子アイドルグループの新曲聴き比べである。
     テンポも――NMB48の方が若干早いが――似通っていて、DJが二曲繋げてかけても無理はなさそうだし、どちらも基本四つ打ちをベースとした作りというのも共通するのだが、これが案外思っていた以上に、本質は別物なのであった。
     それは音の捉え方/考え方の話、あるいは歌唱と伴奏(バックトラック)の関係に於ける、二者の持つ哲学の違いと申せばよろしいか。
     皆さんもとりあえずネットで動画でもチェックしてみてくださいませな(ただだよ)。私のいわんとするところとは何なのか、たちどころに分かるかとも思いますんで……。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1171回「[Alexandros]から考える、ロックにあってロックンロールにはないものってなんだ?」

    2020-11-26 05:00  
    「ロックにはあってロックンロールにはないもの」といえば、ひとつは――魅力の評価に於ける――難易度というパラメータの存在ではないか。
     平ったく申せば、すごい難しい曲を易々とこなしてしまうとはなんてすごい! てなことだ。ロックンロールではあまり聞かない話だろう。
     ロックならではの、そうした「ワザの披露でリスナーの度肝を抜いてみせる」というのは、多分'70年デビューのエマーソン・レイク・アンド・パーマーあたりが開祖だ。一方同じ頃、ハードロックでは、のちに“超絶技巧”などと呼ばれるようになる、ギターの速弾き競争が始まった。
     生まれつきの資質が大きくものをいう“センスの競い合い”と比べ、述べたような難易度に関する挑戦は、後天的な“地道な努力”でもって他を凌ぐことが出来る余地を残す分野といえる。そこでは、天才ではない、秀才/頑張ったひとも報われるのである。
     そうした構造的側面が、産業としての“ロック音楽”の裾野を拡げるのに一役買ったというのも、あながちあり得ぬことでもないのでは? というのが持論ではあるが、それにしても、最近の日本のロックバンドの演奏能力の高さには、目を見張るものがある。
     今週の[Alexandros]にしてもそうだ。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1170回「“演奏家”としてのクロマニヨンズを知る。絶妙な間の応酬がたまらない!」

    2020-11-19 05:00  
     クロマニヨンズの新曲は、前に出ていたウルフルズの曲と全く同じタイトルだが、別もののようだ。一応念のため。
     とりあえずネットに動画でも出ていないかと思い探すと、尺が46秒と書かれている点が気にはなったが、オフィシャルとあるからには本人たちの演奏に違いない。これをとりあえずチェックすることに。
     すると、バンドの演奏シーンと思しき絵で、乾いた音色のドラムスにブルースハープ(ハーモニカ)が絡み、ベースとギターが入ると、アメリカ南部の匂いのするアップテンポのロックンロールが始まった。と思いきやその辺りで46秒。歌は聴けずのまま映像は幕切れとなった(勿論、その後CDで聴きました)。
     クロマニヨンズというと、ついつい甲本ヒロトの声に耳が行きがちなところがある。それが今回ここで俺が聴けたのはインストルメンタルの部分のみという、これが体験として、逆に妙に新鮮だった。
     つまり、変ないい方になるが、結果あの声に惑わされることなく“演奏家”としてのクロマニヨンズというものを知ることとなったからである。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1169回「本名、年齢、出身地は一切非公表(のはず) 謎多きUruはニューミュージックの系譜?」

    2020-11-12 05:00  
     Uruの『振り子』は、ご存知『グリコ森永事件』に題材を求めたベストセラー小説の映画化で話題となっている、『罪の声』の主題歌である。
     Uruは年齢などは公表しないと聞いてたのに、ネット上にはちゃんと出てたぁ(笑)。
     それはともかく『振り子』を聴き、先ず思ったのは、このタイプの音の本質は、'70年代からさほど変わっていないということだ。いわゆるニューミュージックてぇヤツである。正確に書けば“日本のニューミュージック”だね。
     それがどういう音楽なのか、私なりに定義をすれば、そもそもは、きっとビートルズだ。そしてその出現に色々影響を受けた英語圏のシーンというものがあった。そのなかでも割とアピアランス的に地味な人たち(エルトン・ジョンなど)が案外ヒット曲を出すようになり、おそらくそこいら辺から、一定の質感を持った音楽が「ニューミュージック」と称されジャンル化されたのだと思うが、それが日本に入って来て、独自の発展を遂げることになる。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1168回「10-FEETには'70年代の明るさがある!? jpopを聴きながら愉快な思索に耽る秋…」

    2020-11-05 05:00  
     最近の日本のロックといったら、大方がダークな感じではないだろうか? 原因のひとつは和声にもあると思う。コード進行の織りなすものがそうさせる可能性はある。その点は、昔は違ったかも。
     10-FEETの『シエラのように』のイントロが始まった途端、そんな思いがアタマをよぎった。
     このグループ、もう相当のキャリアなのだそうだ。まさか60歳とか、そこまではいっていないとは思うが、そのぐらい、とにかく音が本気で’70年代そのものなのだった。あの時代にあって今はない明るさ。そこが今回の狙いなのか、本来がそうした音楽性を兼ね備えたバンドだったか、そこは分からないが、この音の持つ、いい具合の“いなたさ”(洒落てない)には妙に心が和まされる。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1167回「空前の大ヒット『鬼滅の刃』主題歌を歌うLiSAのノドは松田聖子の系譜!?」

    2020-10-29 05:00  
     LiSAというからm‐floかと思い込んでいたら、時は移ろうものである。今どきのLiSAは、アニソンの売れっ子シンガーなのだった。
     私はそのあたりには本当に相当疎いのでよく分かっていないことだらけなのだが、アニソンの売れ行きとは番組の評判と必ずリンクするものなのか、はたまた楽曲だけが一人歩きをすることや歌手人気でチャートが盛り上がりを見せたりといったことはあるものなのか? アニソンじゃなくてもアニソンシンガーが評価されたりすることはあるのか? いやいや、俺がどのぐらいアニメを知らない人間なのか。何よりの証拠は『鬼滅の刃』ってのをどう読むのか、さっき調べるまで分かんなかった。それに尽きるわ(笑)。さて『炎』であります。ちなみにルビは“ほむら”です。今話をした大ヒットアニメの主題歌だ。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1166回「Snow Manの新曲から感じた“ニュー・ニュージャックスウィング”!」

    2020-10-22 05:00  
     Snow Manの新曲に針を落とし(無論、比喩的表現です。念のため)聴いているうち、オォ、やっぱニュージャックスウィングの波は来てるんじゃん! と思ったものである。
     波の最初の兆候はEXILE一家にあった。その時はまだうっすらと気配があるぐらいの様子だったので、思い違いの可能性もあるなぁと、そんな感じだったが、次は米津玄師だ。『感電』がそれっぽかったのである。ただ、世代的にいうと、ニュージャックスウィングの頃、米津玄師は、生まれていたかどうか……。こちらも、たまたまかも知れぬ。
     しかし、今回のSnow Manの新曲は、本当にハッキリとニュージャックスウィングの復活を示してくれていた。 
  • 近田春夫の考えるヒット 第1165回「『嫌だ』の対象はいったい何なの? 22/7の気になる歌詞を読み解く!」

    2020-10-15 05:00  
    『風は吹いてるか?』は、『22/7 音楽の時間』という人気リズムゲームアプリの主題歌だ。ネット検索をすると、アニメによるバーチャルな女子アイドル集団が歌い踊る動画が、UPされていた。
     タイトルが秋元康っぽいかなと思っていたら、実際秋元康の作詞だった。
     前にも似たようなのがなかったっけか? あ、そうだ。『風は吹いている』だ! 東日本大震災の年のAKB48の曲だ。
     今年はコロナ元年。そしてまた新政権誕生の年でもある。
    “風が吹く”という概念は、秋元康にとっては何か特別な思い入れ/意味のあるものなのかも知れない。
     前作では、心配ない、安心しろ、といったことを“風は吹いている”といって表していたが、今回はタイトルを見れば分かる通り、その逆だ。こんなことで大丈夫なのか? そんなニュアンスである。