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記事 19件
  • 【2015 Jリーグ】浦和レッズ 興梠慎三「飄々と、それでいて粛々と」(3/3)

    2015-07-10 12:40  
     2015年5月23日。Jリーグ1stステージ第13節・鹿島戦。古巣との本人通算3度目の対戦となる試合を、彼は心待ちにしていた。「去年とか一昨年に比べたら、あんまり緊張しなかった。以前は試合に入る2日前、3日前くらいから興奮していたけれど、今回はそういうこともなく冷静に入れた。でも、やっぱり、鹿島戦でいいところを見せたいというのはあったからね」 興梠は相手センターバックのファン・ソッコに激しくマークされて思うように身動きを取れなかった。また後半途中にはズラタンが投入され、興梠は1トップをズラタンへ譲り、自らはトップ下の位置へシフトしている。それでも以前は1トップでのプレーに固執していたものが、今はプレーメイカーとしての自我に目覚めてもいる。そして彼は、極限のプレーの中で決定的な仕事を果たす。 
  • 【2015 Jリーグ】浦和レッズ 興梠慎三「飄々と、それでいて粛々と」(2/3)

    2015-07-10 12:35  
     素晴らしく微笑ましい師弟関係の結果、興梠は無事に(?)鹿島アントラーズへの加入を果たす。その後は周知の通りだ。彼は鹿島の数々の戴冠に寄与した。2009シーズンには2007年から続くリーグ3連覇を果たしたが、その優勝を決めた埼玉スタジアムでの浦和レッズ戦で決勝ゴールを記録したのが興梠だった。 鹿島時代の数々の所業から、興梠が2013シーズンに浦和への加入を決めた直後、浦和レッズサポーターからはある種のハレーションが起きたと記憶している。『浦和から得点取りすぎ!』『そもそも見た目がふてぶてしい』『あのヒゲは何なの?』『マリオ?』などなど。 
  • 【2015 Jリーグ】浦和レッズ 興梠慎三「飄々と、それでいて粛々と」(1/3)

    2015-07-10 12:30  
     チームから外れてひとり、別メニュー練習する興梠慎三はつまらなそうだった。 鹿児島県指宿市で実施されるシーズン始動後のキャンプはここ数年浦和レッズが実施している定番の強化合宿だ。宿泊施設内にある広大なグラウンド施設は厳しいトレーニングを課すのにうってつけの環境で、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督も当地を気に入っている。しかし当の選手はというと、外部からの接触が限られる修練環境は窮屈で、次第にストレスを溜め込んでいく。ましてや、興梠のように負傷を抱えてリハビリに明け暮れる者にとっては、他の仲間に置いていかれる焦燥感と、思うように身体が動かないもどかしさで理性が働かなくなる。 ただ、興梠の所作はどちらかというとマイペースで、『つまらない』という言葉がピタリと当てはまる。彼は単純に外で身体を動かしたい少年のような感情を表現していただけだった。 
  • 【浦和レッズレディース】猶本光「凛として高潔に」(2/2)

    2015-07-09 15:10  
    目標としていたワールドカップへの道を切り拓くことはできなかった。悔しかった。なにより自分の力不足が悔しかった。だが、それも運命だと受け止めている。すべてが成長の糧になると信じて──。 チームとしての当面の目標は「優勝」ではなく、「6位以内」を維持することである。それでも猶本は下を向くことはない。チームメートとの対話を欠かさず、できることを明確にし、前向きな姿勢を崩さないことが大事だと言い切る。そんな彼女に、精神面の強さを特に感じたのは、日テレ戦に敗れた後だ。 
  • 【浦和レッズレディース】猶本光「凛として高潔に」(1/2)

    2015-07-09 14:00  
    目標としていたワールドカップへの道を切り拓くことはできなかった。悔しかった。なにより自分の力不足が悔しかった。だが、それも運命だと受け止めている。すべてが成長の糧になると信じて――。「今日は取材ですよね。先にクールダウンしてきちゃいますね」と言い、愛くるしい笑顔を見せたのは浦和レッズレディースの不動のボランチ、猶本光だ。そんな彼女の右膝には今もなお、しっかりとテーピングが巻かれている。 昨年11月、クラブとして5季ぶりの優勝がかかるINAC神戸との大一番、前半に起こった接触プレーで猶本は右膝を負傷した。診断結果は、内側側副じん帯の損傷。攻撃では開幕戦から2得点を奪って勝利を呼び寄せ、守備ではアグレッシブかつ献身的なプレーで中盤をけん引したが、歓喜の瞬間はベンチに座ることもできなかった。何かを成し遂げた時の、確かな手応えを得られないまま、猶本の1年は終わった。 
  • 柳沢敦 カズ&ゴンの背中を追い続けた19年

    2015-07-08 13:11  
    文=元川悦子 梅雨時特有のあいにくの雨が降りしきる中、2万人超の熱心なサポーターがカシマスタジアムに詰めかけた5日の中田浩二・柳沢敦・新井場徹の合同引退試合。三浦知良(横浜FC)、中山雅史ら日本サッカー界を代表するき面々がピッチに集う中、記念すべきファーストゴールを奪ったのは、鹿島アントラーズにゆかりのある選手で構成された「ANTLERS REGENDS」のキャプテンマークを巻いた男・柳沢だった。
     
  • 【浦和論究】成長の途上にある2015年型・浦和レッズ(3/3)

    2015-07-02 16:06  
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    [浦和レッズマガジン7月号掲載]Jリーグ1stステージ第13節終了現在で、浦和は首位を堅持。1試合消化が少ない中で他チームを引き離し、盤石の態勢を築き上げ、昨季からのベースアップ、レベルアップを確実に感じさせる。それはチーム全体の底上げに加え、選手個々のスキルアップも影響している。2015年型・浦和レッズは、今まさに成長の途上にある。■盤石の守備陣が語るチーム全体の機能性 ほぼ固定化されている中盤、バックラインの陣容の貢献度も計り知れない。今季からボランチでの起用が多くなった柏木陽介のプレーは試合を重ねる毎に凄みを増している。卓越したボールコントロールで相手プレッシャーをかわし、針を通すようなパスで味方をアシストする。キャプテン・阿部勇樹が実行する後方でのビルドアップ能力と守備時のカバーリングは昨季までも確実に機能していたが、今季はそれに加えて柏木の中盤でのスキルフルな舵取りが効力を発揮している。 そして、現在のチームを支えている最大の要因はGK西川周作、DF槙野、森脇、那須大亮で構成される守備陣だろう。西川は数々のビッグセーブでピンチを防ぎ、レーザービームのようなフィードで攻撃起点となる。そしてバックラインの3人は強固な守備で相手を止め続けている。特筆すべきは槙野、森脇の両ストッパーが実践するハードディフェンスだ。これまでのふたりの特長は主に攻撃面で生かされていたが、今季は間違いなく本来の職務であるディフェンス面で光り輝いている。槙野、森脇が相手攻撃陣に仕掛けるチャージは迫力満点だ。そこにはACLの戦いの中で揶揄された球際の弱さなど微塵も感じられない。当然選手たちは周囲の風評を耳に入れているはずで、そのレッテルを払拭するために奮起し、プレーで一発回答をしている。頼もしい限りだ。 

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  • 【浦和論究】成長の途上にある2015年型・浦和レッズ(2/3)

    2015-07-02 16:05  
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    [浦和レッズマガジン7月号掲載]Jリーグ1stステージ第13節終了現在で、浦和は首位を堅持。1試合消化が少ない中で他チームを引き離し、盤石の態勢を築き上げ、昨季からのベースアップ、レベルアップを確実に感じさせる。それはチーム全体の底上げに加え、選手個々のスキルアップも影響している。2015年型・浦和レッズは、今まさに成長の途上にある。■関根が見せた個人力それに呼応した連動 今季の浦和が昨季から進化を見せている点はまだある。それはサイドエリアでの局面打開のパワーアップだ。左サイドは前述した通り、武藤、槙野らとの連係を駆使して宇賀神が素晴らしい働きを見せている。巧みなポジショニングからのスペースへの抜け出しはもちろん、今季の宇賀神は左足でのクロス精度も高まっている。Jリーグ1stステージ第12節・FC東京戦ではニアサイドへ走り込んだ李忠成、そしてファーサイドに飛び込んだ関根貴大へ正確なクロスを供給して2アシストを果たした。特に左で崩して右でフィニッシュした関根のゴールは宇賀神自身相当な手応えを得たようだ。 

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  • 【浦和論究】成長の途上にある2015年型・浦和レッズ(1/3)

    2015-07-02 16:04  
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    [浦和レッズマガジン7月号掲載]Jリーグ1stステージ第13節終了現在で、浦和は首位を堅持。1試合消化が少ない中で他チームを引き離し、盤石の態勢を築き上げ、昨季からのベースアップ、レベルアップを確実に感じさせる。それはチーム全体の底上げに加え、選手個々のスキルアップも影響している。2015年型・浦和レッズは、今まさに成長の途上にある。■相次ぐ主力選手の離脱窮地で台頭した新たな力 今原稿執筆時点で、浦和レッズはJリーグ1stステージを12試合消化して(リーグ全体では13節を消化。浦和はAFCチャンピオンズリーグ出場のため、第10節・柏レイソル戦を6月3日に消化)、9勝3分の無敗で勝ち点30の首位に立っている。続く2位は勝ち点26のサンフレッチェ広島だが、広島は浦和よりも1試合多く消化している。実質的には浦和と同じ試合数の3位・ガンバ大阪(勝ち点23)が肉薄する相手となるだろう。 今季の浦和は順風満帆なスタートを切ったわけではなかった。AFCチャンピオンズリーグ・グループリーグ初戦が2月25日に組まれたことで早期始動を強いられ、その準備に苦慮した跡がうかがえる。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は過密スケジュールを考慮して例年以上に厳しい練習メニューを選手に課し、多くのトレーニングマッチを通してチーム熟成に努めたが、今季は新戦力選手を多く獲得したために連携構築に手間どり、思うような成果を上げるのに時間を要した。ペトロヴィッチ監督自身、公式戦初戦となるACLグループリーグ第1節・水原三星戦直前に、「あと、2週間は準備期間が欲しかった」と吐露している。 今季は特に攻撃面の戦力補強を精力的に行った影響で前線トライアングルの組み合わせを熟考したペトロヴィッチ監督だが、最適解を導き出すまでにはいくつかの苦難に直面した。おそらく指揮官が最も頭を悩まさせたのは主力と目される選手たちの負傷離脱だろう。昨季終盤に腓骨骨折を負った興梠慎三は負傷が癒えた後も別の箇所を痛めて戦線離脱を余儀なくされた。ACLグループリーグ最終節のブリスベン・ロアー戦でようやく戦線復帰を果たしたが、この時点ですでにチームはACLでグループリーグ敗退を喫していた。今後、最重要なリーグ戦で多大な尽力を果たすのは間違いないだろうが、エースFWの出遅れがシーズン序盤戦、特にACLの戦いに影響を及ぼしたのは間違いないだろう。 

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