FC東京の主軸であり日本代表に名を連ねる森重真人、太田宏介、武藤嘉紀。クラブと代表と、めまぐるしく過ぎる日々で味わった言葉にできぬ悔しさは、尊く気高い思いに変わる。だからこそ、もっと高みへ。「今シーズンは絶対にタイトルを取ろう」胸に誓った“決意”が結実の時を迎えようとしている。
[Jリーグサッカーキング7月号掲載]
■クラブと日本代表が最大限の相乗効果をもたらしている
15年3月7日の開幕戦は昨年の三冠王者ガンバ大阪に2点を先行されながらも、武藤の2ゴールで引き分け。その後も苦しい試合を耐え、3月は1勝2分けで乗り切った。そして代表活動後の4月から、チームは勢いを増した。再開後初戦のヴァンフォーレ甲府に1─0で勝利。8日には武藤にチェルシーから正式オファーが届いていることをクラブが公表。かつてない注目を集めた12日の湘南ベルマーレ戦で、後半19分に太田のアシストから武藤がワンチャンスを決めて、決勝点を挙げた。05年4月以来、実に10年ぶりの首位浮上。「チームを救う」若きエースが開幕前から口癖のように話していたフレーズを体現してみせた。今シーズンは股抜きのゴールやドリブルを連発。「今はメンタル的に余裕がある。自信があるから、ひと間合いおく余裕がある」と、勝利、ゴールを重ねる中でエースは一皮むけ、アジア杯からの成長を実感している。