2012年からFC東京U-15むさしの指導にあたっている中村忠は、選手たちがU-18、トップチームと段階を踏むことを視野に入れ、まずは個人戦術のレベルアップを目指している。「スタメン11人すべてを、アカデミー出身選手の名前で連ねたい」そんな夢を抱きながら、彼は今日も熱い指導にあたっている。

[Jリーグサッカーキング7月号掲載]

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■いろいろなスタイルに適応できる選手を

 このような言い方をすると語弊があるかもしれませんが、U-15むさしのスタッフの共通意識として、基本的に「チーム作りをしない」という考えがあります。実際に、攻撃にしても守備にしても、普段から《チーム》としての練習は、全くと言っていいほど行わず、《グループ》ぐらいのところまで。攻撃であればボールに関わるところ、守備だったらチャレンジ&カバー、ポジショニングの部分など、どんな監督の下でも、そしてどんなサッカーでも適応できるようなトレーニングを行っています。球際を強くいくとか、ボールを取られたら取り返す、パスとドリブルの判断など、選手個々の能力を伸ばすことを目的としたトレーニングが中心です。選手各々が、グラウンドで何ができるか、考えてプレーできるか、そういった部分を3年間掛けて育てていきます。