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文=元川悦子

 2009年のJ2参戦以降、少しずつ成績を上げ、クラブ規模も拡大しているファジアーノ岡山。今季からFC東京などで長く指導経験を持つ長沢徹監督、市立船橋高校を強豪校へと押し上げた布啓一郎ヘッドコーチら実績あるコーチ陣、FC東京や大宮アルディージャで長く強化部門に携わった鈴木徳彦GMを招聘し、いよいよJ1昇格を引き寄せるのではないかと期待も高まった。実際、開幕直後はFC岐阜、大分トリニータに連勝。セレッソ大阪、大宮アルディージャの降格組にもドローに持ち込むなど、序盤戦は悪くない戦いを見せていた。

 だが、4月後半あたりから足踏み状態が目立ち始め、5~6月は勝ったり負けたり。前半戦終了の21節時点では12位という予想外の順位で折り返すことになった。それでもJ1プレーオフ圏内の6位とは勝ち点5差で巻き返しはまだ可能。7月8日の後半戦初戦・Vファーレン長崎戦は1-1のドローに終わったが、12日の首位・大宮アルディージャとの大一番に勝てれば、今後への希望が見えてくる。そういう意味でもこの一戦は重要だった。