プロに入ってからの人生は、決して思いどおりにはいかなかった。それでもただ、がむしゃらに戦い続けてきた。そしておとずれたサイドバックへの転向とガンバ大阪での日々。「自分で選んだことで違ったなと思ったことはない」青黒の右サイドを司る“頑張る、米倉恒貴”の人生を描く。
[Jリーグサッカーキング9月号掲載]
■米倉恒貴とは頑張るプレーヤー
プロになって対戦した時はどうですか?
米倉 J2に落ちた年( 09年)の最終節にガンバとやって、(ガンバにいた)智さんを《岩》だと思ったんですよ(笑)。それは覚えていますし、多分、それが初めてのガンバ戦だったと思います。
その年のフクアリでの開幕戦と08年の開幕戦(万博)にも出場していますよ。
米倉 あ、出てるわ!(笑) 万博の雰囲気は覚えてないですけど、とりあえず「ガンバすごいな、強いな」っていうイメージでした。それからかな。ちゃんとガンバの試合を見始めたのは。
今やそのガンバの一員です。昨年三冠を取ったことで気持ちに変化はありました?
米倉 個人的には何も変わらないです。もちろん、チームの見られ方は変わっていると思います。絶対的な存在になっていると思うし、そういう感じで相手も挑んでくる。でも個人的には危機感しかない。頑張ってないと代えられるので必死ですよ。ガンバで絶対に出られるという保証はないし、ちょっとでも気を抜いたらすぐに外されると思う。それだけの選手がいるのでマジで必死です。ただ、常にピリピリとした危機感を持ちながらやっていられるのはなかなかないと思うし、逆にサッカー選手っていう感じがするので、こういう厳しい中で戦ったほうが個人的には充実しています。それにACL(AFCチャンピオンズリーグ)など初めての大会に出られているし、ガンバに来てから《初めて》のことが多くてプラスのことだらけですよ。
それは良かったです。先ほどの写真撮影時に宇佐美(貴史)選手からイジられていましたが、ガンバではイジられキャラ?
米倉 なんかイジられてるなぁ。イジられますね(笑)。
なじんでいる証拠ですよ(笑)。では米倉選手から見たガンバはどういうチーム?
米倉 良いチーム! 本当に良いチームですよ。1stステージは落としましたけど、ガンバはちょっとしたことですごく強くなるのでもっとガンバらしいサッカーをして、2ndステージではチャレンジャーの気持ちで巻き返して優勝したいです。
将来の夢についても教えてください。
米倉 やっぱり試合に出続けたい。ずーっと、ずーっと、キングカズさん(三浦知良/横浜FC)みたいに48歳まで出続ける!三浦選手はまだ更新しそうですよ?
米倉 確かに! でも本当にずっと試合に出たいです。そうすれば結果もついてくるし、結果を出せば代表だってあると思う。だから試合にずっと出続けたいです。
最後に、ご自身で『自分はこういうプレーヤーだ!』ということ言い表してください。
米倉 ……難しい。
理想には達しています?
米倉 全然達してないです。具体的なことは言わないですけど(笑)、自分の理想はもっともっと上で、攻撃面とかもまだまだなので。やっぱりやれるなら世界とやりたいですし。どんなプレーヤーかって言われたら……シャイボーイです(笑)。
それは性格的なものでは(笑)。プレースタイルで言うなら?
米倉 頑張る……頑張るプレーヤーです。これからも頑張ります(笑)。