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名波監督率いるジュビロ磐田へ…サックスブルーの新10番が名門にもたらす新たな変化
文=元川悦子「僕が若い頃は(監督の)名波(浩)さんをはじめ、日本代表に選手がいっぱいいて黄金時代だった。自分は(横浜F・)マリノスの一員として戦ったけど、スター軍団には歯が立たなかった。そういうチームに入れて正直、不思議な気持ちがする。名波さんの下でジュビロイズムを体で感じて、染み込ませて、早くグラウンドで表現したいと思います」報道陣100人超が集まった1月13日、ジュビロ磐田の新体制発表会で、38歳の新戦力・中村俊輔は強い決意を口にした。ジュニアユース時代から15年間在籍した横浜FMを離れるというのは複雑な決断だったに違いないが、決めた以上ベストを尽くすのがプロフェッショナルというものだろう。1月14日の初練習からは完全に「サックスブルーの新10番」としてチーム全体を掌握しようと躍起になっている。始動2日目となる15日も600人ものファンが見守る中、俊輔は2時間近い全体練習を全 -
FC東京リーグ制覇の一翼に…太田宏介が駆使するオランダで培った対人の強さ
文=元川悦子「この決断に至った理由はただひとつ『FC東京でリーグ優勝する』。篠田(善之)監督を男にしましょう!!」2017年の幕開け早々、FC東京はオランダ1部・フィテッセでプレーしていた太田宏介の復帰を発表した。2015年シーズン以来、2年ぶりの古巣復帰となる左サイドバックは決断理由をこうコメントした。横浜FC、清水エスパルス、FC東京、フィテッセと自分のキャリアを切り開きていた29歳の男にとってタイトルは未知なるもの。それを手にしなければ、不完全なサッカー人生になってしまうという意識がどこかにあったのだろう。オランダ中堅クラブであるフィテッセは目下リーグ8位だが、トップを走るフェイエノールトと20ポイント近い勝ち点差があり、優勝は絶望的だ。ならば、日本に戻って、大久保嘉人や永井謙佑らを補強したFC東京で頂点にチャレンジする方が早いと考えるのも不思議はないはずだ。2016年 -
名門を復活へと導いた生粋の点取屋…紆余曲折を乗り越えた金崎夢生が目指す日本代表
文=元川悦子年間勝ち点1位の浦和レッズが圧倒的有利と見られていた12月3日のJリーグチャンピオンシップ(CS)。その予想を見事なまでに覆したのが、常勝軍団・鹿島アントラーズだった。彼らは11月29日のホームでの第1戦を不可解なPK献上で0-1で落とし、苦境に立たされてた。まさに崖っぷち状態で迎えたアウェーの第2戦、開始6分に興梠慎三の一撃を食らったのだから、チーム全体が混乱に陥ってもおかしくなかった。だが、アウェーゴール優先という今大会のルールをしっかりと頭に入れ、「2点取ればいい」とチーム全体が開き直った結果、最終的に2-1で逆転勝ち。J1年間タイトルを手中にすることができたのだ。値千金の2発を叩き出したのが、エースの金崎夢生だった。1点目は前半40分。ファン・ソッコのロングフィードを遠藤康が右サイドの深い位置から折り返したところにダイビングヘッドで飛び込み、豪快な一撃をお見
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